長田(猫舌)のblog

主にギターアンプの解析、回路図の採取と公開を行っております。 回路図の公開は自身で読み取った回路図に限っており、主に国産のアンプを対象にしています。修理やメンテナンスなどにご利用ください。ただし公開している回路図は無保証です。内容の正確性には万全の注意を払っておりますが、誤記入や誤解の可能性は免れません。本サイトで公開している回路図によって生じた事故や損害については一切責任を負いかねますのでご了承願います。 また、電子回路とくに真空管に関する高電圧回路を取り扱っています。電子回路の知識や経験がない方が同様の作業をすると感電により生命に危険を及ぼすことがあります。同様な作業を行って生じた事故・傷害に対して当方は一切責任を負いません。

カテゴリ: ロッキンf エフェクタ復刻

+9V から負電源 -9V を作る基板を作ったので、何かに応用したく
なりました。とはいえ予定通り Parametric Equalizer に使うのも
当たり前すぎて、この基板が役に立つことを充分にアピールできそうに
ありません。

というわけで考えたのがゲルマニウムトランジスタを使った FUZZ に
組み込んでみよう、ということ。

完成したものがこちら。
DSC06139A

なんで FUZZ ? と思うかもしれません。
1960年代、FUZZ FACE などの FUZZ にはゲルマニウムトランジスタが
使われており、荒々しい歪みを生み出していました。
そのころのゲルマニウムトランジスタはほとんどが PNP で、電源に
-9V などの負電源が必要でした。
そのため今でもゲルマニウムトランジスタで FUZZ を作ろうとすると
電源の極性を反転させて動作させなければなりません。電池(006P) で
あれば +側を GND に接続させれば、-側が -9V になるので問題はありません。

問題は AC アダプタ。同様に +側を GND に接続することで-9V を
作り出すことはできるのですが、他のエフェクタと電源を共有できません。
他のエフェクタに供給している +9V がゲルマニウム FUZZ の内部で GND に
短絡するためです。AC アダプタに接続したエフェクタ全体が動作しなく
なります。
これを避けるにはゲルマニウム FUZZ 専用の AC アダプタを設けることです。
ただボードに組むには電源を統一することができないとか、注意事項を
忘れてショートさせてしまったり、トラブルのもとになるのは明白。
ゲルマニウム FUZZ を自作する場合、 電池を電源とするのが一般的なのは
このような事情があるためです。

そこで本基板の出番。
AC アダプタに接続される他のエフェクタと GND を共通にしながら
-9V 電源を供給できるので、問題は完全に解消されます。

 作成した基板はこちら。
左が ±9V 基板、右がゲルマニウム FUZZ 基板。
DSC06121B

ゲルマニウムトランジスタには 2SA472 (2個)を使用。
FUZZ FACE の回路ではありませんが、2石直結回路による FUZZ です。
交流と直流の2重フィードバックがあるちょっと面倒な回路。
交流フィードバックの定数(半固定抵抗)を変える実験を行うという
別の目的もあったのでこの回路を使いました。

DSC06134C

AC アダプタを接続するジャックはケースの上側面に設置します。
上の写真のように9mm の穴を中心からずらした位置にあけます。

DSC06126D

±9V 基板を仮組みしたところ。小さくまとまっていますが、これでも
他の基板や部品と干渉しないか穴の位置決めに検討が必要でした。
楽ではありません。
横から見るとこんな感じ。
DSC06128E

FUZZ 基板に対して -9V (灰色) を供給します。
±9V を供給できる基板ですが、今回は +9V は使用しません。

DSC06136F

すべての配線が終了したところ。

DSC06140G

完成してみると部品の干渉もなく、すっきりとまとまっています。
電池 006P でも動作するように電池スナップも取り付けています。

電池で動作させる場合も +9V から -9V を作っているので
電池の節約のため入力ジャックにプラグが差し込まれると GND が
短絡して ON になるようにしています。
AC アダプタを接続すると電池からの供給は切れ、入力ジャックの
有無に関わらず -9V が常に供給される仕様になっています。

完成後は問題なく動作しています。

最後にACアダプタの電源分配器から通常のエフェクタ(SD-1) と共通の
電源を供給できているところを示します。
短絡もなく、両方のエフェクタが機能していることがわかります。

DSC06151H

ロッキンf 復刻プロジェクトをゆるゆると進めております。
ほんとはもう少しサクサクと進めたいのですが、なかなか。
071 チューブディストーション、027 ギター内蔵ブースター、
044 Orange Clash! と進めてきて、次は 016 Parametric Equalizer と
057 Parametric Equalizer II だな、と思っているのですが、ここで
パタと足が止まります。
057 Parametric Equalizer II は基板を発注してすでに手元に基板が
あるのですが、問題があります。016 Parametric Equalizer にも
似たような問題があって基板の設計をどうするか迷っています。

Parametric Equalizer で問題になるのは「電源電圧」。
016 Parametric Equalizer は±9V の正負電源を必要とします。
試作ではチャージポンプ IC TJ7660(ICL7660) を基板に組み込んで
良好に動作することを確認しました。あとはこれをプリント基板に
落とし込んで... というところで基板が大きくなり立ち止まっています。
057 Parametric Equalier II では4回路入りの OP アンプが必要な
ため、当初は手持ちの LM324 を使っていた(本来は TL074)のですが、
クリーンであるべき状態で歪みというかビリビリとした雑音が
入りました。TL074 に取り替えるとこの雑音が消えたのですが、
+9V の単一電源を疑似的に±4.5V として使っており、雑音の原因は
ヘッドルームの低さに起因するようです。ちょっと無理がある。
これを+18V で動作させられたらもっと良くなるのではと考えました。

というわけで+9V 単一電源から±9V 電源や +18V 単一電源を作る
独立した電源基板として作ったのがこの2種類の基板。

DSC06084A

左が±9V 基板。右が+18V 基板。
±9V 基板が TJ7660 による負電圧回路を使ったもの。
+18V 基板が倍電圧回路を使ったものです。
ともに DC ジャック(センター・マイナス)MJ-40 (マル信無線)が
取り付けられており、ケースに空けた Φ9 の丸穴で基板が固定できるように
なっています。サイズは±9V 基板が 30 x 17 (mm),  +18V 基板が
30 x 20 (mm) 。

±9V 基板
DSC06073B
回路は至ってシンプルなのですが、DC ジャックのフットプリントは新規に
作成しなければなりませんでした。できる限り小型になるようにしないと
DC ジャックの付近といえど取り付けスペースが確保できるわけでもありません。
基板取り付け型の DC ジャックも考えましたがケースに取り付けられる
ようにするにはジャックと取り付け金具だけで相当なスペースを占有します。
最終的にジャックが占める面積が小さく、ジャック自身でケースに取り付け
られる MJ-40 を使うのが良さそうだという結論に達しました。
ただもともとパネルに取り付ける前提のパーツなので、メーカーのデータシート
を見ても端子の位置や寸法は明記されていません。しかたがないので
ノギスで各部の寸法を測り、実物に合うであろうフットプリントを作ったのが
上の写真。
ただ、ちゃんと MJ-40 が装着できるフットプリントかどうかは基板を
発注して届いてみないとわからないので、それまではヒヤヒヤ。
基板が到着して問題なく装着できることを確認してホッとしました。

各基板を試作して間違いなく±9V 、+18V が出ることを確認しました。
うん。これで停滞していた Parametric Equalizer も 005 Rockin VCF も
進展しそうだな。

Orange Clash! のキットを頒布いたします。

頒布するのはプリント基板 1種類

・2SK30A (2SK208)バージョン プリント基板 ¥500 / 枚
 片面 FR-4  30 mm x 20 mm 1.6 mm 厚

(写真は表面と裏面を表示しております。頒布する基板は2枚でなく1枚1組です。)
DSC05880A


このプリント基板を

(a) レターパックライト (追跡あり)   ¥370
(b) スマートレター (追跡なし) ¥180

のどちらかでお届けします。
他の送付方法(宅配便等)についてはご相談に応じます。
複数セットをご希望の場合は宅配便に切り替えることも
ありますので、ご相談ください。

いずれもプリント基板のみの頒布です。
基板に搭載する部品等の頒布は現時点では行いません。
回路図や部品表などの資料は「044 Orange Clash! 試作総括」
集約しているので参照してください。

頒布希望の方は本 BLOG (https://juggbox.blog.jp) のメッセージ欄(コメントではない)に

・名前(ハンドル可)
・メール(メールアドレス必須)

をご記入の上、本文に「044 Orange Clash! 頒布希望」と書いて
ご希望の

・プリント基板の数量
・配送方法 ( a / b )(送料)

をご記入ください。

折り返しメールを差し上げますので、折り返しメールに記入された銀行口座に
入金し、送り先住所と宛名を書いたメールを返信してください。
入金が確認され次第、頒布物を送付いたします。
銀行口座への振込手数料が別途かかります。

なお、本キット頒布の手続きに際し知り得た個人情報(メールアドレス、
住所、氏名等)は今回のキット頒布以外の用途に利用することはありません。

Orange Clash! の試作が完了いたしました。

DSC05196A

70 年代から 80 年代にかけて Jazz やフュージョンのギタリストに愛用された
Orange Squeezer のクローン。ジャックに搭載された ES-335 を弾いている
アーティスト写真を当時はよく見かけたものです。

コンプレッサでナチュラルな音質のままアタックを圧縮して
音の粒をそろえてくれるエフェクタです。
サスティナーとはちょっと違う趣で、サスティナーにありがちな
低レベル入力時に目立つノイズがとても小さく、ブースターとして
使う用途もありそうです。

もともとのロッキンf 1980年4月号の記事では Orange Squeezer に使われていた
J-FET 2N5457 と日本で入手が容易な 2SK30A をそれぞれ使った2種類の
プリント基板が示されており、今回の試作ではその両方の基板を用意しました。
両者を製作して比較しましたが J-FET によって音質が変わるということは
なく、入手しやすい 2SK30A (実際にはその互換品 2SK208) で作っても
問題ありません。
また試作中に入手した(おそらく80年代の日本製) Orange Squeezer では
2SK30A を使ったほぼ同じ回路が使われていることが判明しました。
というわけで 2SK30A 版の基板を復刻基板とすることにします。
オリジナルの 2N5457 は最近では秋月電子で ¥80 で入手できるので
2N5457 を使ってみたい方もいるかと思います。でもピン配列の違いだけ
なので 2SK30A 版のプリント基板でも使えないわけではありません。

2SK30A  Source - Gate - Drain
2N5457  Drain - Source - Gate

ピン配列を意識して接続すれば正常に動作するはずです。

[1] 試作データ
今回の試作で使用したデータを集約しておきます。
今後仕様に変更があった場合にはこちらに反映する予定ですので、
最新情報はこちらのリンクからダウンロードしてください。


[2] 試作上の問題点と改善案
適切なケースが MB5-4-7 (タカチ 旧名称 MB-1)しかないというのが大きな問題です。
ロッキンf の記事で使われたものと同じケースが入手できるのは有難いの
ですが、いろいろギリギリです。
006P の角形電池とプラグ、ステレオジャックとトグルスイッチを
ケースに取り付けたら基板の収まるスペースは限られています。
なんとか収まるのですが、半固定抵抗 VR1, VR2 を調整するにはケースの
蓋を開けて電源が入っている状態でドライバを回さなければなりません。
これが面倒。

DSC05198C

現時点では基板が収まるということだけで良しとするしかありません。
基板をケースに固定できると半固定抵抗の位置もおのずと決まるので
調整用の穴を開けることもできるのですが、それも難しい状態。

この問題を解決するにはプリント基板の小型化しかありません。
余裕をもって基板の配置を検討できるサイズにする必要があります。
今後の課題ですね。

もっともジャック搭載型でなく、通常のペダルの形状にするのであれば
今回の基板のサイズで全く問題はありません。
ハモンドの1590B やタカチ TD6-11-3N などには余裕で入るでしょう。
Orange Squeezer の形態にこだわらなければ充分に使えることでしょう。


DSC05777A

前回の記事では JFET の 2N5457 や 2SK30A の IDSS のことを書いています。
IDSS にこだわる理由を説明します。

こだわっているのは回路図のこの部分。
JFET (ここでは 2SK30A)が2つ使われていますが、そのうちの左のQ1が
問題。この JFET は定電流源として動作しています。

定電流回路

Q1 はドレインが +9V 電源に直結され、ソース-ゲート間に
R1 2.4kΩ を介して VR1 に接続されています。
VR1 はこのページの最初の写真でマゼンダの丸で囲んでいる半固定抵抗。
Q1 が負荷(VR1) によらず一定の電流 I1 を流す回路になっており、
VR1 の両端の電圧は VR1 の抵抗値に電流 I1 を掛けた値になります。
この電圧が Q2 の閾値になっており、これ以上の電圧が Q2 のゲートに
加われば Q2 のドレインを通じて入力信号が C2 に捨てられるため
ゲインが低下します。これがコンプレスの原理です。

R1 は電流を制限する抵抗で、これが短絡(R1 = 0 Ω)であれば JFET の
データシートに記載されている IDSS の電流が流れます。
R1 として 2.4kΩ を接続しているので IDSS よりも小さな電流が流れる
わけですが、実際に流れる電流値は JFET の IDSS の値に依存します。
なので IDSS の値がばらつくようだとコンプレスの動作に大きな違いが
でるのではないかと考えたわけです。

ところで前回の記事で示した 2N5457 と 2SK30A-Y を比較した結果を
報告いたします。この2種類の回路で音質的に差が感じられませんでした。
これは意外な結果でした。

VR1 の調整方法をロッキンf 1980年4月号 p234 から再度抜粋します。
この方法で調整を行なっています。

「スイッチをエフェクトにして、音を出しながら基板上の半固定抵抗の VR2 を
半分くらいにして、VR1 をドライバーで回してみる。音量が急に変化する箇所
があるから、そのあたりに VR1 をセットする。」

音量が急に変化する、というのは入力している音に対してコンプレスが
効き始めたことを意味しており、適正に閾値が設定されたと考えられます。
その設定で 2SK30A-Y 版と 2N5457 版の VR1 の抵抗値と両端電圧を
測定してみました。

          VR1 (kΩ)   両端電圧(V)  電流値(mA)
2SK30A-Y 版    2.537     1.239     0.488
2N5457 版     2.133     1.215     0.570

調整した結果、閾値となる両端電圧はほぼ同じになっています。
これは同じになるように調整したわけではありません。
あくまでも音量が急に変化するポジションを探った結果です。

では Orange Squeezer (2SK30A) ではどうなっているでしょう。
(入手時から未調整の状態)

          VR1 (kΩ)   両端電圧(V)  電流値(mA)
Orange Squeezer   4.450     1.204     0.271

やはり両端電圧はほぼ同じ。ここまで同じだと偶然とは言えない。
電流値の違い(バラツキ)はあっても、VR1 の両端電圧が 1.2 V 程度に
収まってしまいます。 JFET のバラツキは VR1 で吸収していると
考えてよいかと思います。

これから言える結論は次のようなことになります。
(1) VR1 で設定する閾値は 1.2 V 近辺になる
(2) VR1 の調整で電流のバラツキが吸収され閾値が一定になるので、
  Q1 に関しては 2N5457 でも 2SK30A でも構わない

というわけで、Q1 の JFET として 2N5457 に拘る必要はありません。
おそらく Q1 と R1 の代わりに 0.5mA の定電流ダイオードを使用しても
同様に動作するはずです。小型化に有利になります。

同カテゴリの「044 Orange Clash!  (3)」では

「次回は 2N5457 版を作って比較検討してみたいと思います。」

(2023年3月4日)と書いて基板を2種類(2SK30A 版、2N5457 版)
作成したのですが、モチベーションが保てずにいました。

Orange Squeezer (日本製, 2SK30A-Y 使用)を入手してコンプレッサーと
しての動作が確認でき、モヤモヤが晴れました。
比較検討用の筐体を作って 2SK30A と 2N5457 を並行して動作させる
環境を作ることにしました。

DSC05776A

出来上がったのがこれ。
一つのケースに 2SK30A-Y 版の基板(左)と 2N5457 版の基板(右) を
組み込みました。JFET とプリント基板以外は同じ部品を使って
製作しています。入力と出力をスイッチで切り替えて比較します。

2SK30A-Y 版の JFET 周辺はこちら
DSC05779B

2SK30A-Y 版と言っていますが、2SK30A も製造終了になって久しく、
私の手持ちも少なくなっているので互換品の 2SK208-Y を使いました。
データシートによると IDSS は 1.2 ~ 3.0mA。2SK30A-Y と同等です。
2SK208 は表面実装 SC-59 パッケージですが、写真のように
 2SK30A の部品面パターンに直に取り付けることができます。

2N5457 版の JFET 周辺はこちら
DSC05781C

2N5457 のピン配列は左から Drain - Source - Gate の順。
2SK30A の互換品として入手可能な 2SK303L-V3 (IDSS = 1.2 ~ 3.0mA)
を使う時にはピン配列が反対 ( Gate - Source - Drain ) なので、
反転させて搭載すれば 2N5457 版の基板が使えます。
2N5457 の IDSS = 1.0 ~ 5.0mA と 2SK30A-Y に比べてバラツキが大きいのが
気になります。この差が音にどう影響するのか(しないのか)を
比較するためにこれら2種類の基板を作成しました。
なお 2N5457 は秋月電子で1個 ¥80 で入手できます。ロッキンf に
掲載された時代(1980年)では入手が困難な部品だったであろうと思います。

製作に使用したプリント基板2種
DSC05785D

上が 2N5457 版、下が 2SK30A 版。
基板パターンの違いは JFET 付近のみです。

基板パターンはロッキンf に掲載されたパターン図の誤りを修正した
以外はサイズや部品配置が同じになるようにしました。
Orange Squeezer も部品配置がほぼ同じでした。
タンタルコンデンサー 4.7uF x 4 は入手が難しいので電解コンデンサーで
代用します。ただ背が高い部品なのでそのうち 4.7uF の積層セラミックコンデンサーに
換えようと考えています。

ギター内蔵ブースターのキットを頒布いたします。

頒布するのは

(1) Type-1 基板 ¥400 / 枚
(2) Type-2 基板 ¥400 / 枚
(3) 操作パネル ¥800 / 枚

Type-1 基板 片面 FR-4  30 mm x 20 mm 1.6 mm 厚
DSC05740A

Type-2 基板 片面 FR-4  30 mm x 18 mm  1 mm 厚
DSC05743B

操作パネル(保護シート付) 2 mm 厚アクリル 黒色
DSC05744C


これらのキットを

(a) レターパックライト (追跡あり)   ¥370
(b) スマートレター (追跡なし) ¥180

のどちらかでお届けします。
他の送付方法(宅配便等)についてはご相談に応じます。
複数セットをご希望の場合は宅配便に切り替えることも
ありますので、ご相談ください。

いずれも基板と操作パネルのみの頒布です。
基板に搭載する部品等の頒布は現時点では行いません。
回路図や部品表などの資料は「027 ギター内蔵ブースター 試作総括」
集約しているので参照してください。

頒布希望の方は本 BLOG (https://juggbox.blog.jp) のメッセージ欄(コメントではない)に

・名前(ハンドル可)
・メール(メールアドレス必須)

をご記入の上、本文に「027 ギター内蔵ブースター 頒布希望」と書いて
ご希望の

・(1) Type-1 基板の数量
・(2) Type-2 基板の数量
・(3) 操作パネルの数量
・配送方法 ( a / b )(送料)

をご記入ください。

折り返しメールを差し上げますので、折り返しメールに記入された銀行口座に
入金し、送り先住所と宛名を書いたメールを返信してください。
入金が確認され次第、頒布物を送付いたします。
銀行口座への振込手数料が別途かかります。

なお、本キット頒布の手続きに際し知り得た個人情報(メールアドレス、
住所、氏名等)は今回のキット頒布以外の用途に利用することはありません。

ギター内蔵ブースターの試作が完了しました。

DSC04737A

70年代にアレンビックやフェルナンデスから発売されていた JFET による
ストラトキャスター専用ブースターのクローンでした。
コンパクト化のため 9V 006P 電池の代わりに 12V A23 電池で代用したり、
TD4-6-3 や MB4-3-6 などのケースに入れギターのジャック部に搭載する
形状にして使用可能ギターを増やしたりする改良を行いました。

今回はオリジナルの仕様であるストラトキャスター専用かつ 9V 006P 仕様で
まとめています。
上記の変更を行う場合は本 BLOG の "027 Embedded Booster" のカテゴリに
変更の詳細を記述しているので参考にしてください。
製作したプリント基板は2種類。オリジナルとほぼ同寸法で 2SK30A と 2SK208 の
どちらかを選択可能な改良基板を Type-1, Type-1 を小型化しケースへの
格納に適した基板を Type-2 と呼ぶことにします。

[1] 試作データ
今回の試作で使用したデータを集約しておきます。
今後仕様に変更があった場合にはこちらに反映する予定ですので、
最新情報はこちらのリンクからダウンロードしてください。



[2] 試作上の問題点と改善案
本試作では当初から 12V A23 電池を使用して小型化し、ストラトキャスターの
ジャック用ザグリの中に収納できました。
そのため本来の 9V 006P 電池での試作は試していません。
オリジナルではストラトキャスターの背面トレモロスプリングに 006P を
挟んで固定する方法が紹介されています。これが一般的な方法です。
ただ取り付けの際は 006P の電池スナップの付属リード線では配線長さが
足りないため、線を延長して前面のザグリを経由してジャック用ザグリまで
到達させなければなりません。そのため取り付けの際に一度ピックガードを
取り外して結線作業をしなければなりません(一度で済みますが)。
これらの作業は当方もしたくないので、12V A23 電池を推奨しています。

あと 12V A23 電池がどのくらい持つのかはいまのところ不明です。
昨年年末に作ったブースターはほぼ半年経過した現在、電池を換えないまま
ブースターとして機能しています。あまり使用頻度が高いわけではありません。
週に2、3回10分程度、ギターアンプ修理の音源として使う程度です。
これまで不覚にも1晩ケーブルを挿しっぱなしにしたことが2回ありますが、
いまだに使えています。

プラグ搭載ブースターはタカチの TD4-6-3N をケースに使用して
います。このアルミダイキャストケースを使う理由は頑丈であることと
ノイズが侵入しにくい、という2点。
逆に欠点としては重いということと、ネジ取り付け部があるため
ケース内部の容量が意外と狭いこと、などがあります。

重い、かなぁ。
レスポールなどのジャック位置に取り付けるとなるとジャックが緩いと
落ちてしまうかもしれません。
重量は 94g。
比較しても仕方ないかもしれませんが、 Orange Squeezer は 143g。

加工のし易さも考慮して、同等の大きさのアルミケースに組み込んでみる
ことにしました。
同じタカチの MB4-3-6 (40 x 55 x 30 mm) を選びました。
縦の長さが 5mm ほど短いけれど、高さが 30 mm あって MJ-161M 以外の
ジャックでも使えそうです。

穴あけ加工したのがこちら。
DSC05718A

縦の長さが短いですが、基板の取り付け場所を上に4mm 移動させる
ことができたので窮屈ではありません。レイアウトにすこし余裕もできました。

すべての部品を取り付けて完成したものが写真右側の個体。
DSC05725B

ちょっと大きくなったように感じますが、角張っているため
そのように見えるのでしょう。奥行き以外はそれほど変わらないのです。

側面。
DSC05727C

工作は MB4-3-6 の方が楽。
TD4-6-3N に比べるとケース内部に余裕があるのが大きいです。
穴あけの精度を気にしないで作れるので、工作初心者にはおすすめです。

完成品(電池込)で重量は 66g。大幅に軽量化されました。

前々回、前回で報告した発展型のブースターは仮称として
プラグ搭載ブースターと呼ぶことにします。

タカチ TD4-6-9N に組み込めそうだと思いついたものの、
悩ましかったのが  A23 電池を収める単5電池ボックスを
どのように固定するか、でした。
ネジで留める、接着剤で固定する、マジックテープで留める、
など案はあるのですがどれも一長一短。
電池の取り付け・取り外しにある程度の力がかかるので
できればしっかりと固定したい。

結局選択したのは「ネジ留め」。
DSC05717A

単5電池ボックスに1ヶ所穴をあけてネジ留めしています。
なんでもないように見えるかもしれませんが、使用しているネジは
 M2 x 6 mm という小さなもの。ナットの厚さは 1mm 程度。
写真の位置で取り付けて A23 電池と電極の接触に影響を及ぼさないことを
確認しています。
M2 x 6 mm というネジはおそらく普通のホームセンターでは入手できない
と思います。今回は廣杉計器の F-0206-E を通販で購入しました。
入手しやすい M2.6 ではナットが大きく、電池が干渉して電池ボックスから
飛び出す可能性があります。M2 でなんとか収まってホッとしました。

最終的にまとまったTD4-6-3N の加工図はこちら。
BoosterCase



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