完了しました
最新技術を詰め込んだ日本の探査機が、月面に降り立った。宇宙航空研究開発機構(
相模原市のJAXA宇宙科学研究所にある管制室では、SLIMが月面への降下を始めた同日未明、機体から送信される信号を注意深く確認した。軟着陸したことがわかると、同日午前2時過ぎに記者会見を開き、同研究所の国中均所長は「飛行データなどから、成功はほぼ確実だ」と述べた。
ただ、同席したJAXAの山川宏理事長らの表情は晴れなかった。搭載された太陽電池が発電できないためで、数日間の予定だった月面での活動を数時間に縮めざるを得なくなった。国中所長は「ぎりぎり合格の60点」と辛口に評価した。
太陽の向きが変われば、充電できる可能性はある。SLIM開発には20年以上を要していることから、同研究所の藤本正樹副所長は「バッテリーの終わりがミッションの終わりではない」と述べ、状況把握に努める考えを示した。