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アニメのシナリオを書いた女子大生
 アニメ「かしこいタヌキ」は人誰もが喜んで見ています。
 時間を惜しんで知識を深め、巧みに実践に活用するタヌキの役作りは、決して簡単になされるものではありません。
 第71部の「防水布」は、奇抜なアイデアと斬新なストーリーでみなに好まれています。
 シナリオ・ライターは、金日成総合大学朝鮮語文学部の学生リ・ギョンイムさんです。



 リさんは子供のときから作文が大好きでした。
 学校で教鞭をとっていた祖父から歴史物語や科学技術の常識をよく聞かされ、これは文学の才能を育む契機となりました。
 先生たちも才能の芽に注目し、それを思う存分伸ばすようこまごまと指導しました。
 リさんの文学の才能はめきめきと伸び、児童文学賞を始めいくつもの文学賞を授かり、出版物にも多くの作品を発表しました。
 国ではリさんの才能を大事にして金日成総合大学朝鮮語文学部に入学させました。
 大学でリさんは血の滲むような努力を傾け、勉強と創作に勤しみました。
 生活のごく小さなディテールも見過ごさずに掘り下げ、作品に完璧に移すため思索を重ねました。
 アニメ「かしこいタヌキ」の第71部「防水布」のテーマもこうして掴んだものです。
 アニメは、かしこいタヌキがヘリのプロペラが起こす気流によって大きな防水布がプロペラに絡み、悪役の乗ったヘリを墜落させるというストーリーです。
 金日成総合大学の学生リ・ギョンイムさんのお話です。
 「『かしこいタヌキ』のシナリオを書くのは容易いことではありませんでした。子供たちに大人気でサイエンスのテーマだけに、突飛なアイデアが必要でした。講座長先生のお話がプラスになりましたが、アイデアはいつも生活の中で見つけなければ、と言うのでした。
 それで祖父に聞いた話から『防水布』のテーマを見つけたのです」
 しかし、アイデアをシナリオに移すのもなかなか難儀なことでした。
 プロペラにものが巻き込まれるのはよくあることですが、それを科学的に裏打ちするには物理学と航空力学に精通しなければなりませんでした。
 複雑で難しい数字を計算し、科学的な原理を引き出して、それを面白くアニメ化するため昼夜兼行の努力を傾けました。
 同じ学部の多くの先生たちも、リさんの未熟な作品を科学的に裏打ちし、芸術的に完成させるため力いっぱいに協力しました。
 みなの大きな関心と私心のない援助の中、女子大生が書いたアニメのシナリオは全国アニメシナリオ懸賞応募で1等に選ばれ、見事にアニメ化されました。



 リさんのお話です。
 「小さな素質も引き出して、金日成総合大学で思う存分学ぶようにしてくれたこの国に報いるため、これからもっと立派なシナリオを書くつもりです」