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  • CURATOR’s EYE

アウトサイダーアートに触れよう!日本のアール・ブリュット

2023/04/10
TRiCERA ART TRiCERA ART

近年急速に広まりつつある「アウトサイダーアート」というジャンル。
一体どのようなアーティストがいるのでしょうか?その歴史を振り返りながら、日本のアウトサイダーアーティスト、さらに「見にいける」美術館をご紹介します。ぜひ本物の作品に触れにいきましょう!


アウトサイダーアートの歴史

ジャン・デュビュッフェの造語「アール・ブリュット」


『美しい尾の牝牛』1954
1940年代、デュビュッフェは、ハインリッヒ・アントン・ミュラーやアロイーズ・コルバズなど、特殊な文脈で制作された芸術作品の収集を開始します。彼は、これらの作品を、古典的な訓練を受けた芸術家の作品よりも本質的であると考えました。
1949年、彼はこの「生の」あるいは「未定義の」芸術を指す言葉として、アール・ブリュットという言葉を作りました。「アール・ブリュット」、もしくは英語の「アウトサイダーアート」という言葉で今も広く括られる芸術家が多くいます。

驚くほど緻密な絵画「アドルフ・ヴェルフリ 」


General view of the island Neveranger, 1911
アウトサイダーアート初期のアーティスト、ヴェルフリは1864年にスイス・ベルンで生まれました。
幼少期に精神的・性的虐待を受けた彼は、10歳で孤児院に入所します。当時から幻覚やひきつけに悩まされていましたが、それも一因なのか、中世の彩色写本のように非常に緻密で凝った絵画を残しました。

誰にも見せずに40年描き続けた「ヘンリー・ダーガー」


戦争に向かう七人の女の子、ヴィヴィアン・ガールズの物語を生涯誰にも見せずに描き続けたダーガー。
幼い頃に社会に馴染めず障害者施設に入り、その後は教会での掃除夫という地味な仕事を何十年も続けながら、その傍ら自宅で引きこもって制作をしていました。
約40年もの間に、1万5000ページに及ぶ壮大な物語を作り上げました。



日本人アウトサイダーアーティスト

「裸の大将」で有名なちぎり紙画家「山下清」


山下清は、3歳の頃に風邪から重い消化不良で命の危険に陥り、一命こそ取り留めたものの、軽い言語障害、知的障害の後遺症を患いました。
勉強にもついていけない中で、ちぎり紙細工とであった彼は、次第にこの表現方法にのめり込んでいきます。16歳の頃、銀座の画廊で初個展を開催、ルノワールに師事したことでも知られる洋画家の梅原龍三郎にも「作品だけからいうとその美の表現の烈しさ、純粋さはゴッホやアンリ・ルソーの水準に達していると思う」と絶賛されました。
その後、放浪などをしながらも制作を続けましたが、脳出血により49歳の若さで夭折しました。
「裸の大将」のタイトルで彼をモデルにした映画も公開され、日本国民に愛された天才と言えます。

ダンボールに独特な人物を描く「小幡正雄」


小幡は、居住していた知的障害者施設の中で集めた段ボールに、主に赤の色鉛筆を用いて絵画を描きました。
幼少期から絵画への興味はあったものの、溶接工や建設作業員、金物屋の店員などの職を転々とし、母の死の前後には精神病院への入退院を繰り返しました。45歳を過ぎてから神戸市内の知的障害者施設に入所し、そこで段ボール絵画にのめり込むようになりました。
、スイス、ローザンヌにある国際的に著名なアウトサイダーアート専門の美術館のアール・ブリュット・コレクション館長であるリュシエンヌ・ペリーは、「記憶の中の思い出や民間伝承から受け継いだ要素を利用しながらも、自分だけの、息をのむような詩情に溢れた飛躍を手にした」と彼の作品を絶賛しました。

30年続く料理日記画家「小林一緒」


小林は、調理師として蕎麦屋等に46歳まで勤務したあと、アルコール性神経炎を患い歩行困難な状態になりました。 18歳頃から書き溜めたメモ書きを頼りに、ノートに自らが食べた料理のイラストと感想を30年以上、当時の「記憶」を頼りに描き続けています。

カツオ専門の彫刻師「見原英男」


86歳の見原英男さんは「漁船では鰹を釣り、冷蔵業で鰹を預かり、鰹のタタキの商品をつくるまでになったから、退職後は鰹の木彫りでも作るか」と冗談交じりに答えたところ、退職祝いに彫刻刀を贈られたことで一念発起。以後、300体を超える鰹や鮪などの作品を彫り続けています。

独特の柔らかい色彩が魅力。「東勝吉」


10代から「木こり」として働いていた東勝吉は、妻を亡くし、78歳で大分県内の特別養護老人ホームへ入所しました。
園長から「何か生きがいになるものを」と勧められたことで、83歳から本格的に絵筆を握り、絵画制作を開始。日々、風景写真を見ながら、99歳で他界するまで100点を超える風景画の制作に没頭したと言います。


アウトサイダーアートが見られる美術館

はじまりの美術館(福島県)

公式サイト
はじまりの美術館は、2014年6月 築約140年の酒蔵「十八間蔵」を改修して誕生した小さな美術館です。福祉とアートが同居する場所として、知的障害の方を中心に支援事業を行う安積愛育園が運営しています。「誰もが集える場所」として、展示を継続的に行なっています。


もうひとつの美術館(栃木県)

公式サイト
みんながアーティスト、すべてはアートをコンセプトに、年齢・国籍・障がいの有無・専門家であるなしを越えて、まち・地域・場所やジャンルをつなぎつくっていくアートのあり方を模索しています。
春夏秋の年2~3回の企画展を中心に、様々なイベント・ワークショップを開催しています。
カフェやミュージアムショップなどの併設施設も充実しています。


ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県)

公式サイト
2006年から、アール・ブリュット・コレクション(スイス・ローザンヌ)との連携企画に取り組み、「JAPON」展(2008~2009)を開催するなど、精力的な活動を続けています。
その後、アル・サン・ピエール美術館(フランス・パリ)の申し入れにより、日本の作家63人が出展、12万の来場者を動員した展覧会「アール・ブリュット・ジャポネ」(2010~2011)が開催されました。
2017~2018年には国立現代芸術センター リュー・ユニック(フランス・ナント)でも日本のアール・ブリュット「KOMOREBI」展が開催されるなど、年ごとに広がりを見せながら世界へと発信され続けています。


みずのき美術館(京都府)

公式サイト
みずのき美術館は、母体である障害者支援施設みずのきの創立5年目に開設された絵画教室(1964年〜2001年)から生まれた作品の所蔵と展示、そしてアール・ブリュットの考察を基本に据えた美術館として、2012年に開館しました。
「物言わぬ人」の真の表現を探る手がかりとなるためにアートを発表する場となっています。


藁工ミュージアム(高知県)

公式サイト
年に4回ほど展覧会を開催するほか、五感にはたらきかけるワークショップや専門的なレクチャーなども行っています。 また、高知県内外で活動する個人や団体との協働企画、アウトリーチ活動として、創作表現プログラムの開催などにも積極的にとりくんでいます。



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著者

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現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net