3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:03:17.62 ID:1LPTZNgh0
キョン「どういうことだ?」

古泉「とりあえず一緒に来ていただけませんか?」

古泉「あなたの協力が必要なのです」

キョン「何で俺?ていうか、どういうことなんだって聞いてるんだが?」

古泉「来ていただければ分かります。どうぞこちらへ…」

キョン「毎度おなじみ機関タクシーか…」


涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 (4)
ぷよ
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4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:06:17.10 ID:1LPTZNgh0
古泉「着きました。こっちです」

キョン「へ~ここが機関のビルか。案外普通なんだな」

古泉「森さん、連れてきましたよ」

森「あ~~キョンちゃんだ~!」

キョン「!!」

森「キョンちゃ~~ん!!」ダキッ

キョン「え?え、ええええ!!!」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:07:21.18 ID:1LPTZNgh0
森「えへへ~キョンちゃんのにおい~」スリスリ

キョン「ちょちょちょ、森さん!離れてください!」

キョン「おい古泉!これはどういうことだ!」

古泉「ね、おかしいでしょう?」

森「んにゃ~ん」スリスリスリ

キョン「おかしいでしょう?じゃなくて、どうしてこんなことになったのかって聞いてるんだよ!」

古泉「ええ。実は昨日のことなんですが…」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:10:08.72 ID:1LPTZNgh0
回想 閉鎖空間


古泉『今日の神人はまた一段と手強いですね…』

森『古泉、今は余計なことは考えずに集中しなさい』

古泉『分かっています。しかし、彼にももう少し自分の発言に気を配ってもらいたいものです…』ブツブツ


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…


森『古泉、前!!!』

古泉『…ハッ、しまった!!』

森『危ない!!』ドンッ

古泉『グゥ!』ドサッ

古泉『…森さん、僕をかばって…森さん!森さーん!!』

古泉『……え?…これは…』


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:12:26.25 ID:1LPTZNgh0
キョン「神人に取り込まれたぁ?」

古泉「ええ、本来ならそのまま巨大な腕に弾き飛ばされるところだったのですが…」

古泉「なぜかそのまま神人の腕の中に、吸い寄せられるように取り込まれてしまったのです」

古泉「その後、何とか神人を倒し、中から森さんを救助したのですが…」

古泉「しばらく意識不明の状態が続き、今朝ようやく目を覚ましたと思ったら…」

キョン「こんな状態になっていたってことか…」

古泉「ええ…」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:15:10.20 ID:1LPTZNgh0
古泉「精密検査もしましたが、体にも脳にも異常は見られませんでした」

古泉「なぜ今このような状態になってしまっているのか、ハッキリした原因は分かりません」

古泉「神人の体内で何らかの影響を受けたことは間違いないと思われますが…」

キョン「う~む、そんなことがあったのか…」

キョン「というか森さん、そろそろ離していただけませんか?」

森「ねぇねぇ、キョンちゃ~ん~~」

キョン「なんですか?」

森「●●●しよ!」

キョン「ごふっ!!!」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:18:07.95 ID:1LPTZNgh0
キョン「いきなり何言ってるんですか、森さん!」

森「ねぇいいでしょ~」ギュー

キョン「よかないです!それにそんな強く抱きつかないでください!」

キョン(何か当たっちゃいけないものが当たっちゃってるうぅ!!)

キョン「ほら、早く離してください!」グイッ

森「ぷ~~けちぃ~~」

キョン「けち~~じゃないです!」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:21:08.18 ID:1LPTZNgh0
キョン「それで古泉、俺に何をしろと?」

古泉「森さんが目を覚ましてからずっと『キョンちゃんに会いたい!』と大騒ぎするので…」

古泉「精密検査で異常が見られないので、現状では我々機関にできることは何もありません」

古泉「そこで、森さんの要求に答えてみようということになったのですよ」

古泉「というか、そろそろ我々も限界でして…」

キョン「なにがだ?」

古泉「森さんの脱走を防ぐために、もう9人もの機関のメンバーが重症を負ってまして…」

キョン「まじでか…」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:24:08.45 ID:1LPTZNgh0
キョン「そういえば、何で森さんは俺に会いたがってたんだ?」

古泉「さあ?わかりません」

キョン「わからないって…」

古泉「まぁいいじゃないですか。今は頼りはあなただけです」

古泉「森さんの願いをかなえてあげてください」

森「話はまとまったね!じゃあキョンちゃん、●●●しよっか!」ガシッ

キョン「ちょー、ちょっと森さん!引っ張らないで!!」ズルズルズル


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:27:10.19 ID:1LPTZNgh0
キョン「森さん!駄目ですったら!どこに連れ込もうとしてるんですか!」

森「えへへ~キョンちゃんとあんなことやこんなことを…」ジュルリッ

キョン「古泉ぃ!お前も『いってらっしゃい』って顔してんじゃねぇよ!」

キョン(だめだ!止められん!!!)

キョン(やばい…このままでは本当にやばい!何とかせねば!え~とえ~~と…)

キョン(森さんの気を逸らしつつ、満足させられる方法は…!)

キョン「そ、そうだ森さん!デートしましょう!」

森「で~と?」ピタッ

キョン「え、ええ!今度の日曜日に2人でデートに行きましょう!」

キョン「ですから、今日のところは…」

森「デートか~…うん、いいよ!じゃあ楽しみにしてるね~」パッ タタタッ


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:30:09.31 ID:1LPTZNgh0
キョン「た、助かった…」

古泉「うまいこと切り抜けましたね」

キョン「このやろう、俺を人身御供にしようとしやがって…」

古泉「ハハ、すみません。それはともかく…日曜日は頼みましたよ」

キョン「…逃げてもいいか?」

古泉「そうおっしゃらずに。これは僕だけでなく、機関のメンバー全員からのお願いです」

古泉「森さんをよろしくお願いします」スッ

キョン「…頭を上げろ。分かったよ、やってやるさ」

古泉「ありがとうございます」

キョン「やれやれ」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:32:08.48 ID:1LPTZNgh0
その日の夜


キョン「その場を逃れたくて、勢いであんなことを言っちまったが…」

キョン「俺はひょっとしてとんでもないことを…?」

キョン「まぁ今更悔やんでもしょうがないか」

キョン「古泉からメールで『デートプランは森さんが全部自分で決めるそうですよ』と来てたし」

キョン「ま、なるようになれ、だな」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:36:08.78 ID:1LPTZNgh0
日曜日


キョン「確かこの噴水前で待ち合わせだったよな…」

キョン「さて、森さんはもう来てるのかな?」キョロキョロ

キョン「……あのピンク色のメイド服を着た人はひょっとして…」

森「あ~キョンちゃんだ~お~~い!」ブンブン

キョン「やっぱり…」

森「にへへ~え~い!」ダキッ

キョン「…その格好は何ですか?スカートもやたら短いし…」

森「似合うかな?似合うかな?」ニパッ

キョン「似合ってます。恐ろしく似合ってますが、いろいろと目立ってます…」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:39:08.67 ID:1LPTZNgh0
キョン「そろそろ出発しますか。最初はどこに行くんです?」

森「えっとね~ぇ、最初は映画観るの!」

キョン「映画館ですか」(まぁまともというかベタな選択かな)

森「ここだよ~じゃあ入ろっか~」スタスタ

キョン「…何とな~くそんな予感はしてましたが、やっぱりピンク映画ですか」

キョン「駄目です。普通の映画を見ますよ」グイグイ

森「ぷ~キョンちゃんのケチンボ~」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:42:09.04 ID:1LPTZNgh0
『ワーウオー ドガガガ ドカーーン』

キョン(結局アクション映画を観ることになったが…)

キョン(森さん退屈してないかな?といっても森さんの好みなんて知らないんだが…)

森「……ニィ」


モゾモゾ サワサワサワ


キョン「ひょわあああ!!!」ガッタン

キョン「な…な…」ドッキンドッキン

森「キョンちゃ~ん、映画館では静かにしないとだめだよ~」ニヤニヤ

キョン「ちょっと森さん!いきなり変なところ触らないでくださいよ!」ボソボソ

森「……気持ちよかった?」

キョン「!!!!もう出ますよ!」ズンズンズン

森「あ~ん、待ってよ~」トテトテ


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:45:08.68 ID:1LPTZNgh0
森「ねぇキョンちゃ~ん、怒らないでよ~」

キョン「怒ってません。けどもうあんなことはしないでくださいよ」

森「うん、わかった~~」

キョン(…本当にわかってんのかな?)

森「次はね~服を買いに行くの!」

キョン「わかりました。では行きましょうか」


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:48:08.37 ID:1LPTZNgh0
ファッションショップ


森「ねぇねぇ~どっちが似合うかな~?」

キョン「森さんならどちらも似合いますよ」

森「そうかな~にへへ~じゃあ更衣室で着てみるね~」シャッ


森「キョンちゃ~ん、どうかな~?」シャッ

キョン「ええ、予想通り似合ってますよ」

森「そぅお~?にへ~」シャッ


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:51:09.35 ID:1LPTZNgh0
森「キョンちゃ~ん、こっちはどうかな~?」シャッ

キョン「これは随分と可愛らしい服ですね。よくお似合いです」

森「うふふ~」シャッ


森「キョ~ンちゃ~ん、これなんかどうかな~?」シャッ

キョン「どれど…ぐおお!!!」

森「どうかな~?」クネクネ

キョン「な…な…なんで何も着てないんですかーー!!!」


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:54:10.26 ID:1LPTZNgh0
森「うふふ~…馬鹿には見えない服~♪」

森「キョンちゃんは~お馬鹿さんなのかな~?」フリフリ

キョン「!!!いいから服着てください!!」シャッ

キョン「俺、店の外で待ってますから!!!」ズンズンズン

森「んもぅ~遠慮せずにもっと見てくれていいのに~」シャッ

男の子「わー、●●●●ー…」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 22:57:12.76 ID:1LPTZNgh0
キョン(バッチリ見ちまったバッチリ見ちまったバッチリ見ちまった!!!)

キョン(それにしても森さんって   ……ダァ~何考えてんだ俺は!)

キョン「あああ~も~…最後までもつのか、俺の理性…」ブツブツ

古泉「随分と苦労されているようですね」

キョン「だぁおうっ!!!」ピョン

キョン「ここ古泉!お前いつから!?」

古泉「最初からずっと尾行してましたよ。やはり心配ですからね」

キョン「…お前なぁ」


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:00:11.10 ID:1LPTZNgh0
キョン「なぁ…本当にこんなので大丈夫なのか…?」

古泉「ええ、ずっと見ていた限りでは、森さん随分と楽しんでいるようですよ」

キョン「代わりに俺の何か大事なものが減っていっているような気もするがな…」

キョン「というか俺結構ピンチだったんだが…助け舟出してくれてもよかったんじゃないか?」

古泉「いえいえ、これまで数々の不思議事件を乗り越えてきたあなたなら大丈夫だと思いまして」

古泉「…むしろ男としてはラッキーだったと思われますが?」

キョン「……ぶっ飛ばすぞ、このやろう」

古泉「んっふ、冗談です」


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:03:13.52 ID:1LPTZNgh0
森「キョンちゃ~ん、おまたせ~」

古泉「おっと、では僕は隠れてますね。引き続き頑張ってください」ササッ

キョン「他人事だと思って…」

森「ん~?誰かいたの~?」

キョン「いえいえ、何でもないですよ!」

キョン「それより森さん、そろそろ昼ごはんにしませんか?」

森「ん~んそうだね~それじゃあ行こ~!」グッ

キョン「…もう腕を組まれたぐらいでは何も感じなくなってきたなぁ」スタスタ


古泉「…では、尾行を再開しますか。ビデオカメラも忘れずにっと」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:08:08.54 ID:1LPTZNgh0
森「キョンちゃんここだよ~~ここのケーキバイキング、とってもおいしいんだよ~」

キョン「……俺、お昼ごはんて言いましたよね?」

キョン「……もういいや、深く考えるのはよそう」

森「よ~いしょっとぅ」ドッサリ

キョン「また随分たくさん食べますね…」

森「えへへ~このケーキをあたしn」

キョン「自分の体に盛り付けて『召し上がれ♪』ってのは勘弁してくださいよ」

森「……キョンちゃんの●●●ぃ~」

キョン「…ほっといてください」

森「ちぇ~残念。誘惑できると思ったのに~」

キョン「ホントにやる気だったんですか!」


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:11:10.22 ID:1LPTZNgh0
キョン「さて、お次はどこに行きます?」

森「ん~とね~、ん~とね~~」

森「どーぶつえん!どーぶつえん行こ~!」

キョン「動物園ですか。まーいっか、行きましょう」

森「キョンちゃ~ん、抱っこ!」

キョン「…はい?」

森「お姫様抱っこ!!」

キョン「では、帰りますか」

森「じょうだんだよ~~」


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:14:09.37 ID:1LPTZNgh0
動物園


森「わ~キョンちゃん、、キリンさんキリンさん!」

キョン「首長いですね~」

森「コアラちゃんコアラちゃん!」

キョン「よく寝てますね~」

森「ゾウさんゾウさん!」

キョン「大きいですね~」

森「…キョンちゃんのゾウさんも見てみたいな~」チラリ

キョン「おっ、あっちにライオンがいますよ。行ってみましょうか」スタスタ

森「…キョンちゃんの『するーすきる』があがってるぅ~」


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:17:10.55 ID:1LPTZNgh0
古泉「彼もだんだん森さんの扱いに慣れてきているようですね」

古泉「さすがにこれまで様々な事件を乗り越えてきただけはあります」

古泉「…それにしても、森さんは何が目的なのでしょうか…?」

古泉「今回のデートで、何か収穫があればいいのですが…」

古泉「まぁ引き続き調査を続けるとしましょう」

古泉「カメラもバッチリ撮れてますね。ではGOです」カサカサ


「ママー、ダンボール箱が勝手に動いてるよー?」

「しっ!見てはいけません!!」


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:20:11.25 ID:1LPTZNgh0
キョン「おお~、さすがに雄ライオンは迫力あるなあ~」


ギャーギャーワーワー


キョン「ん?何か騒がしいな…?」

キョン「……あそこで飼育員さんと揉めてる女はひょっとして…」

ハルヒ「だーかーらー、ちょっと檻の中に入るくらいいいじゃないのよ!!」

キョン「やっぱりな……」

ハルヒ「あれ?キョンじゃない!こんなとこで何してるのよ!」

キョン「(見つかっちまった…)こっちのセリフだ…」


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:23:09.84 ID:1LPTZNgh0
ハルヒ「あたしは暇だったから、ライオンにサブミッションでも仕掛けてみようと思って来たのよ!」

ハルヒ「それなのにこの人達が『危険だ!』の一点張りで入れてくれないのよ。ケチよねー」

キョン「当たり前だろうが!何考えてんだお前は!!」

キョン「我侭言わないで諦めなさい!飼育員さんに迷惑でしょう!」

ハルヒ「ぶー、何よー!やめればいいんでしょ、やめれば」

ハルヒ「…ところで、何でキョンがこんなところにいるのよ?」

キョン「あ、いや、それは、その~…」

森「キョ~ンちゃ~~ん、1人にしないでよ~」ダキッ

ハルヒ「!」


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:26:10.55 ID:1LPTZNgh0
古泉「しまった…撮影するのに夢中で、2人の周囲に気を配るのを忘れていた…」

古泉「彼は何とかできるでしょうか…?もしもの時には僕が…」


ハルヒ「ちょっとあんた!何して…って森さん!?」

森「キョンちゃ~ん、次はクマさん見にいこ、クマさん~」スリスリ

キョン「ふぉっ!森さん、体を擦り付けないでください!けしからん感触が…」

ハルヒ「キョン…これはどういうこと……?」ゴゴゴゴゴ

キョン「いやその…これはだな…」ダラダラダラ

ハルヒ「キョン…殺したりしないから…正直に言ってごらんなさい……?」グゴゴゴゴゴ

キョン(だめだ!今のハルヒは何を言っても聞く耳を持ってくれない!)


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:29:10.42 ID:1LPTZNgh0
キョン「あっ!空飛ぶゴリラ!」ビシィ

ハルヒ「ふぇっ!どこに!!」クルッ

キョン(今だ!!)ガバァ

森「ほにゃ!?」

キョン(すまん古泉!あとは頼んだ!!)ダダダダッ

森「わ~い、お姫様抱っこだ~」キャッキャッ

ハルヒ「あ!こらキョン!待ちなさい!」

古泉「すみません涼宮さん、ちょっといいですか?」スッ

ハルヒ「古泉くん!?」


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:35:08.96 ID:1LPTZNgh0
古泉「それは分かりません」

古泉「しかし、森さんが心を開いてくれた以上、彼だけが頼りでした…」

古泉「そこで、彼に頼み込んで森さんの治療に協力してもらうことになったのです」

古泉「そして今は記憶を呼び覚ますために、森さんの思い出の地を周ってもらっているという訳です」

ハルヒ「ふーん、大体事情は理解したわ」

ハルヒ「キョンも最初からそう言ってくれればよかったのに…」

ハルヒ「というか、そんな大変なことなら真っ先にあたしに相談しなさいよ!」

古泉「すみません。こちらにも都合があったんですよ」


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:38:08.89 ID:1LPTZNgh0
ハルヒ「そういうことなら、あたしも協力するわよ!」

古泉「いえ、それには及ばないですよ」

ハルヒ「なんでよ!」

古泉「今の森さんは非常に不安定な状態ですし、あまり刺激を与えたくないのですよ」

古泉「ここは彼と僕を信じてはいただけませんか?」

ハルヒ「む~~分かったわよ」

古泉「ありがとうございます。それでは2人を追いますので、失礼します」タタタッ


ハルヒ(記憶喪失…の割にはな~んかあの森さんの態度はおかしかったよーな…?」

ハルヒ(……あやしーわね)


109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:41:09.81 ID:1LPTZNgh0
キョン「ゼェ…ゼェ…あービックリした…」

キョン「ハルヒがいる以上、動物園にいるのも危ないですね。出ましょうか」

キョン「じゃあ、下ろしますよ?」スッ

森「んふふ~~はむ!」

キョン「おおふぅ…耳はだめ…耳は…」

キョン「…ってコラーー!!」

森「きゃ~~~♪」

キョン「ホントにもう…それで、これからどうします?」

森「あたしね~最後に展望台に行きたい~!」

キョン「展望台ですか。そろそろ暗くなってきましたし、行きますか」


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:44:09.79 ID:1LPTZNgh0
展望台


森「わ~~キラキラ光ってて綺麗~~」

キョン「本当に綺麗な夜景ですね」

森「…キョンちゃん、今日はありがとね」

キョン「え?」

森「今日1日、あたしの我侭につきあってくれて…」

森「あたし分かってるんだ…今のあたしがあたしじゃないってこと…」

キョン「森さん…」


114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:47:11.30 ID:1LPTZNgh0
森「目が覚めたとき、あたしは1人ぼっちだった…」

森「とってもとっても寂しかった。心細かったんだよ…」

森「でもキョンちゃんが来てくれた…キョンちゃんがそばにいてくれた…」

森「すっごくすっごく嬉しかったんだよ…」ポロポロ

キョン「森さん…俺…」

森「うん、分かってる…あたしはそろそろ戻らないといけない…」

森「キョンちゃん…ありがとう…ホントにホントにありがとう…」

キョン「…俺も本当に楽しかったですよ、ありがとうございます…」

森「キョンちゃん…最後にもう1箇所だけ行きたいところがあるんだけど…いいかな…?」

キョン「ええ、いいですよ…行きましょう」


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:50:09.52 ID:1LPTZNgh0
キョン「ここは…」

キョン「すみません…俺の目がおかしくなったかな…?」

キョン「どこからどー見てもラブホテルに見えるんですが……」

森「そ~だよ~~」

森「大好きな~キョンちゃんと~1つになりたくって~」モジモジ

森「いっぱいいっぱい しよ~ね♪」

森「ってあれ~?キョンちゃんは~?」キョロキョロ


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:53:08.94 ID:1LPTZNgh0
キョン「いやいやいや!アカン!あれはアカンって!」ダダダダッ

森「キョンちゃ~~ん、待ってよ~」ヒュゴォォ

キョン「ぎえーー!速えぇぇぇぇ!!」

森「つっかまえた~」ガバァッ

キョン「クェッ!ちょちょ森さん!」

キョン「まずいですって!つーか、さっきまでの感動を返してください!」

森「んも~ここまできたんだからイイじゃない~~」


127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:56:09.74 ID:1LPTZNgh0
森「ほらほら~スゴイことしてあげるから~」ギチギチ

森「さぁさぁ~れっつご~♪」グイグイ

キョン「イテテテ!も、森さん!腕がらみ極めたまま引っ張らないで!!」

森「おとなのかいだんの~ぼる~♪」ズルズル

キョン「いやーーー古泉ーーー助けてくれーーー!!!」



古泉「おやおや、これは困ったことになってしまいましたね…」

古泉「中に入られては撮影が出来なくなってしまいます…」


130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/15(水) 23:59:09.06 ID:1LPTZNgh0
古泉「…なんてことを言ってる場合じゃないですね」

古泉「仕方ありません。救出に行きますか」スッ

ハルヒ「ねぇ、古泉くん」

古泉「ふおおお!!す、涼宮さん!なぜここに!?」

ハルヒ「今の、キョンと森さんよねぇ?」

古泉「え?あ、いや…」

ハルヒ「ホテルに入っていったわよねぇ?」ゴゴゴ

古泉「あの、涼宮さん、これはですね…」

ハルヒ「…ア~ンニャロォ~」ズゴゴゴゴゴ


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:02:09.31 ID:Bhl1YmMR0
ホテル


森「フンフフンフ~~ン♪」ザーー

キョン(森さんは今シャワーを浴びている…今のうちに逃げなければ!)

キョン(…しかし両手両足を縛られてて全然動けん!)

キョン(男としては嬉しいシチュエーションなんだろうが…いくらなんでもこれはまずい!)

キョン(何かいい策はないか…ていうか古泉は何してるんだ!)

森「キョンちゃ~~ん、、お・ま・た・せ~」ガラッ

キョン(わーーきたーーー!!)


142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:05:12.23 ID:Bhl1YmMR0
森「さぁ~キョンちゃ~ん」

キョン(今、森さんはタオル1枚だけ…やべぇ、色っぽい…)

キョン(って何考えてんだ俺は!心頭滅却すれば火もまた涼し、心頭滅却すれば火もまた涼し…)

森「生まれたままのあたしを見て~」ハラリ・・・

キョン(心頭滅却すれば火もまた涼し、心頭めっくぁw背drftgyふじこlp;@:「」)

森「ねぇ…あたし…きれいかな…?」

キョン「はい…とても…」


147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:08:08.17 ID:Bhl1YmMR0
キョン(わー!わー!まてまて!気をしっかり持て、俺!!)

キョン「も、森さん!考え直しましょう!楽しいことなら他にもいっぱいありますから!」

森「ん~だめ~」

キョン「なぜです!」

森「あたし~もう身体の芯から熱くなっちゃって~止まれないんだも~ん」ピタァ

キョン「みみみ密着しないでください!!」

森「んふふ~キョンちゃん、すっごいドキドキしてる~」


156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:11:09.63 ID:Bhl1YmMR0
キョン(やばいやばい!理性がどこかにシュワッチしちまう!)

森「んふふふ~どこでも好きなだけ触っていいんだよ~」

キョン(…縛られてるから触れないんですけど)

キョン(…ってそうじゃないそうじゃない!落ち着け俺!)

森「じゃあキョンちゃんのを~脱がしちゃうね~」グググッ

キョン(ワ~~~もうだめだ~~~!!!)


ガチャガチャガチャッ


キョン「!」ビクッ


163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:14:12.61 ID:Bhl1YmMR0
ハルヒ『何よこれ!鍵かかってんの!』ガチャガチャ

キョン(あの声は…まさかハルヒか!)

ハルヒ『もー面倒くさいわねー!蹴破ってやるわ!』


バキィ! ドガンッ!!


ハルヒ「開いた!さぁキョン、覚悟しなさい!」ズンズン

キョン「ハルヒー助けてくれーー!」

ハルヒ「洗いざらい白状させた上でボコボコに……ん?助けて?」


169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:17:09.10 ID:Bhl1YmMR0
キョン「助かった!ハルヒ、森さんを止めてくれ!」

ハルヒ「???え~と、どういう状況?」

古泉「涼宮さん、失礼します」シュタタタ

古泉「ハッ!!」タンッ

森「うっ…」ドサリ

古泉「ふう、これでひとまず安心です」

キョン「頚動脈に一撃いれて気絶させるなんて、映画以外で初めて見た…」


180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:20:10.55 ID:Bhl1YmMR0
ハルヒ「…それで、これはどういうことなの?」

古泉「ええ、どうやら事故による影響が悪い形で出てしまったようです」

ハルヒ「悪い形?」

古泉「ええ、精神が不安定だと、こういう暴走をしてしまうこともあるということです」

ハルヒ「へーそうなの…」

キョン「…古泉、そりゃどういうことだ?」ボソボソ

古泉「涼宮さんを納得させるためです。話を合わせてください」ボソボソ


187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:23:09.41 ID:Bhl1YmMR0
キョン「とにかくハルヒ、助かったよ、ありがとな」

ハルヒ「な、何よ…別にいいわよ。今度からちゃんと真っ先にあたしに相談しなさいよね!」

キョン「ははは、そうだな、そうするよ」

古泉「ところで涼宮さん、お願いがあるのですが…」

ハルヒ「何?」

古泉「森さんに服を着せてもらえないでしょうか?我々男性陣には目の毒ですので」

ハルヒ「…分かったわ。2人とも部屋の外に出てて」


キョン「…この壊れた扉はどうすんだ?」

古泉「機関のほうで手を回しておきますよ」

ハルヒ「終わったわよ」


194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:26:09.03 ID:Bhl1YmMR0
古泉「では僕が背負っていきます。行きましょう」

キョン「結局森さんは元に戻れるのか?」スタスタ

古泉「さあ、それはまだ分かりません」スタスタ

ハルヒ「森さんそんなにひどいの?早く治るといいわね…」スタスタ

古泉「ええ、涼宮さんも早く元の森さんに戻れるよう祈っててください」

ハルヒ「うん、わかったわ」


201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:29:08.30 ID:Bhl1YmMR0
古泉「早く元に戻っていただけないと…」コソコソ

ハルヒ「?」

古泉「また彼に襲い掛かるかもしれませんよ…?」ボソッ

ハルヒ「!!!わ、分かったわよ!しっかり祈っておくわよ!」

キョン「なんだなんだ?」

古泉「いえいえ、おそらくもう大丈夫だと思いますよ」

古泉「あなたと……涼宮さんのおかげで」

キョン「?」


205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:32:08.75 ID:Bhl1YmMR0
翌日


キョン「森さんが元に戻った!?」

古泉「ええ、おかげさまで」

キョン「そうか、よかった…ほっとしたよ」

古泉「昨日のことは一切記憶にないようでしたよ」

キョン「そうなのか?」

古泉「もっともしばらくは表を歩けないでしょうが」

キョン「……お前、何かしたのか?」


211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:35:09.87 ID:Bhl1YmMR0
森『古泉、昨日の私はどんなことをしていたの?』

古泉『そ、それは…』

森『あの閉鎖空間での戦い以降の記憶が一切ない…どうしても気になるのよ』

森『新川さんや他の人に聞いてみても「気にするな」っていうばかりだし…』

森『古泉、教えて頂戴、命令よ』

古泉『一応このビデオカメラで撮ってはいますが…やめておいたほうがいいと思いますよ』

森『いいから見せて頂戴』


219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:38:08.26 ID:Bhl1YmMR0
森『…………………………』

古泉『も、森さん?』

森『古泉』

古泉『何でしょう?』

森『この町で1番高いビルはどこだったかしら…』

古泉『…早まらないでください』


231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:41:08.45 ID:Bhl1YmMR0
キョン「そりゃあショックだろうなぁ…ていうか撮影してたのか、この野郎!」

古泉「まあまあ…森さんに見せたあとに、ちゃんと消去しましたよ」

キョン「たく…」

古泉「森さんはすっかり自室に引き篭ってしまって、復帰にはしばらくかかりそうです」

古泉「まぁ森さんのことだから、大丈夫でしょう。それでは、涼宮さんにも伝えてきますので…」

キョン「ああ、じゃあな」

キョン(ん?そういや結局、何が原因で森さんはあんな状態になっちまったんだ?)

キョン(…まぁいいか。古泉に放課後に聞くとしよう)


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:44:08.81 ID:Bhl1YmMR0
古泉(森さんがあんな状態になった原因は、そうなる前日の放課後…)

古泉(彼と涼宮さんが些細な喧嘩をした…)

古泉(まぁ喧嘩といっても軽い口論でしたが…彼の何気ないある一言が問題だった)

古泉(彼に密かに好意を抱いている涼宮さんにとって…その一言は大きなショックだった)

古泉(それと同時に、いつまでたっても素直になれない自分自身にも嫌気がさしていた)

古泉(彼の一言、そして溜まりに溜まったとある願望が)

古泉(あの閉鎖空間、神人を生み出した)


242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:47:08.29 ID:Bhl1YmMR0
古泉(本来ならストレスによって発生する神人ですが、今回は違った)

古泉(涼宮さんのもっと素直に自分をさらけ出したい、もっと彼と仲良くなりたい)

古泉(そんな願望が神人に詰まっていたのでしょう)

古泉(そして故意か事故か、森さんが取り込まれ、影響を受けた)

古泉(つまり、あの日の森さんの彼に対する言動は…)

古泉(涼宮さんが彼に対してこうしたい、と心の奥底で思っていた願望…)


古泉(…まぁあくまで僕の推論に過ぎませんがね…)

古泉(彼に話しても信じてもらえないでしょうから、黙っておくとしますか)

古泉(ふふ…困ったものです)


249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:50:08.75 ID:Bhl1YmMR0
数日後


ブロロロロ

キョン「ん?あの車は…?」

キキィ

森「ど、どうも、こんにちは…」

キョン「やっぱり森さんでしたか。具合はどうなんですか?」

森「え、ええ、おかげさまで…あ、あの!」

キョン「?」

森「本当に申し訳ありませんでした!」

森「私…あなたにとんでもない迷惑を…」


256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:53:09.87 ID:Bhl1YmMR0
キョン「いえ、俺は気にしてないですよ」

森「ですが、私がもっとしっかりしていれば、あんなことには…」

キョン「俺もそれなりに楽しかったですし、森さんもあまり気にしないほうがいいですよ」

森「ううう…そうですね…」

森「…それでは機関の仕事がありますので…」

キョン「ええ、それではお気をつけて」

森「うん、またね~キョンちゃん!」

キョン「へ?」

森「あ…」カァァァ

森「し、失礼します!!!」ブロロロロ

キョン「あ~あ」


262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:56:08.38 ID:Bhl1YmMR0
ハルヒ「今の森さん?」

キョン「うおっ!ハルヒ、いつの間に!」

ハルヒ「ついさっきよ。森さん記憶戻ったんですってね」

キョン「ん、あ、ああ。今お礼を言われたところさ」

キョン「お前にもよろしく、だってさ」

ハルヒ「ふ~ん」


268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/16(木) 00:58:08.47 ID:Bhl1YmMR0
ハルヒ「ね、ねぇキョン」

キョン「ん?何だ?」

ハルヒ「な、何でもない!!」

キョン「??なぁハルヒ」

ハルヒ「なな、何よ!」

キョン「今度一緒に遊園地にでも遊びに行かないか?」

ハルヒ「え?ほ、ホントに…?」

キョン「ああ、SOS団のみんなでパ~っと遊ぼうぜ」

ハルヒ「………まぁいいわ」

ハルヒ「ふっふっふ…キョン、あんたが根をあげるまで遊んで遊んで遊びつくすわよ!」

キョン「ははっ、お手柔らかにな」


おしまい