能登の震災復興について
僕自身、昨年奥能登を訪れ、奥能登の美しい風景や珠洲の街や海と食を堪能したので、今回の震災に深く心を痛めています。震災の復興は国を挙げて最優先で行うべきものと思いますし、現在、政府や各自治体がそのように動いているものと理解しています。大阪府市も発災直後からさまざまな支援をしっかりと行なっている状況を見ておりました。
震災復興予算も、どこかから予算を削って持ってくるというものではなく、政府が然るべきタイミングで十分な額をしっかりと確保していくのだと理解しています。
万博と震災復興との関係ですが、これは先日メディアでも報じられたように、万博を施行している大手ゼネコン幹部の方から、現在復興に必要とされているのは土木工事であり、そのゼネコンからも土木工事要員はすでに能登に派遣されている、一方、万博の現場はすでに土木工事は完了しているので、復興の土木要員が万博に取られるということは起こっていない、という状況が語られました。
またリングの木材を震災復興に送るべきだとの指摘もありますが、リングの木材は42センチ角の柱と42センチx21センチの梁であり、通常の住宅用木材の10.5センチや12センチ角のものとは大きく異なります。そうすると、一度リングを解体し、加工工場に運搬し、そこで加工し直して能登へと運ぶ、という手順をとることになり、一般流通材の10.5センチ角等の材を入手するよりも相当コストがかかります。
日本の1年間の建築用製材の生産量は、約1200万-1300万立米ほどあり、その多くが上記の住宅用一般流通製材です。そして全国さまざまな場所で住宅に使われることから、それぞれのエリアでの調達も容易です。
一方で万博に使用する木材は合計でも2万立米ほどであり、上記の一般流通材の1パーセントにも満たない量です。それを余分なコストをかけて能登に運ぶ合理性はあまりありません。むしろ全国で入手できる一般流通材を有効に使うことが、スピード感という意味でも、震災復興予算を無駄なく使う意味でも重要だと思われます。
また、早急に必要とされるであろう仮設住宅については、通常、軽量鉄骨で作られるユニット型のものが使われると思いますので、その準備に関しても、万博の工事が邪魔をしてしまうものではないと理解しています。
もちろん、震災復興は予測できるものだけではありませんので、万博の工事や準備が復興の妨げになるようなことがないよう、しっかりと状況を注視し、臨機応変に対処していくべきと考えます。
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