シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜


メニュー

お気に入り

しおり
作:トレセン暮らしのデュエリスト
▼ページ最下部へ


8/38 

攻撃を譜面に乗せて、相手の攻撃?休符なんじゃないっすかね(適当)


あぁまぁ認めようか。俺は……舐めていた。このシャングリラ・フロンティアという神ゲーを舐めていたんだ。

所詮はそこら辺のパンピー(ゲームニワカ)共が評価したヌルゲーだと、少なくともアプクソよりは鬼畜ではないだろうし簡単だろうと。

頑張れば、そう、頑張ればアクションゲーム初心者たる俺でも何とかなる?思い上がりだったな、アプクソをクリアしたとてそもそも別ジャンルのゲームだ何のステータスにもなりゃしない……それを教えてくれた貪食の大蛇には感謝を示そう。

 

それと同時に言い訳をさせてくれ。

 

「仮にも龍に近い姿をしたテメェがァァァッ!糞ぶつけてくるとか分かるわけねぇだろぉ!」

 

プライドも糞もねぇじゃねぇか!!いや糞はあるわ、喧しい!!

ステータス画面を開いてステータス確認、現在HP28……糞喰らって大体20秒経ってるから10秒で1ダメージか?実質的なHPが27だから270秒、つまり4分半が俺に残された制限時間(リミットタイム)……!

スタミナはどんだけ残ってるんだ、セカンディルはどれぐらい遠い?というか蛇野郎のHPは何処まで残ってやがる?クソッタレ、HPが見えないことがもどかしい……!

 

「とにかくさっさとぶちのめせば良いんだろ!!」

 

このゲームのクリティカルは素人目に見た上での考え方だが、「攻撃が理想的な当たり方をする」か「相手の弱点に当てる」事で起こるようだ。多分LUCはその理想的や弱点の判定に補正がかかるんだろうな、垂直に振り下ろすことが理想的だとするならばその角度が1、2度ずれてもクリティカル扱いになる、そんな所だろう。

 

そしてこの糞をぶっかけてくる糞蛇野郎、貪食の大蛇……大体の蛇型モンスターは頭が弱点なんだろうがどうにもこいつ思ったより機敏にヌルヌル動きやがる。本来の想定であれば推奨人数3人とあったように、2人かそこらが頭の動きを固めて残り1人がありったけ殴りまくる……それが正確なんだろうな。

ただし今回俺はソロだ、無理に頭を狙う事はほぼ諦めるべきだろう。

ならどうする?簡単だよ、無ければ作れば良い。こんな風にさぁ!!

 

「その鱗5、6枚持ってかせろやぁ!!」

 

組みついて致命の包丁を鱗に突き立て、剥ぐ。

大ダメージにはならんだろうがさぞかし嫌だったんだろう、身悶えしながら俺を締め殺そうとしてくる大蛇……残念、お前の動きなんて見切ったわ!!

 

貪食の大蛇がアクションを一通り終えるまで自前の反射神経と獣の子により補正がかかった挙動で()()()()回避、攻勢に移る。

 

「スタミナ!一撃!3!」

 

回避行動はほとんど最小限で行っていたからまだまだ余裕があるぞおいコラァ!!

 

剥ぎ取った鱗の部分はまだ残っている、これから何をするかはシンプルだ。リズム(蛇の攻撃)に合わせろ、再生するまでクリティカル叩き出してやる!

作り上げた弱点に蛇の攻撃という休符を挟みながらクリティカルを叩き込んでいく。

 

「オラオラオラオラァ!!!」

 

刺す!抜く!刺す!抜く!いやマジで致命の包丁が出刃包丁タイプでよかったわ、菜切り包丁とかだと打撃判定になりかねなかった。ありがとうヴォーパルバニー達よ、経験値とこの武器は無駄にはせんぞ。

 

むっ!!傷口が再生し始めたか!!だったら……!

 

「オーバーキルしてやるよ!」

 

傷口に刃を突き刺し、戦士らしく高いSTRと使い道がないと思っていたジャンプレッグLv.2を使って真上に跳ね上がる。狙うはお前の眼だよ蛇野郎、今のうちに景色を焼き付けておけ。なんせ見れなくなるんでなぁ!!

 

「潰れろ目ン玉ァ!!」

 

片方だけ手から離した結果展開できるようになったゴブリンの手斧を遠慮なく眼に叩きつける。グシャッというあまり聞きたくはない音が聞こえた。はっ!何処ぞの地下水路にでも住んでやがれ!!

 

「これでぇ……!止めだっ!!!」

 

もう一方の手に持った致命の包丁を遠慮なく喉の中に投げ込む。凄まじいポリゴンが喉から吹き出し……ん?なんか致命の包丁光ってね?気のせいか?

 

続いて貪食の大蛇の全身に亀裂が広がっていき爆散、ポリゴンが飛び散る。

 

「よっし……!というかっ!やばい!!HP!」

 

えげつねぇ、スタミナは多少残ってるとは言えHPが!残り……げえっ!!あと10秒も経てば死ぬっ!!

 

「ドロップアイテムだけはしっかり取っていくぞこんにゃろ……!」

 

ろくに何を落としたかを見もせずに片っ端からインベントリに叩き込んでいく。

あの糞蛇野郎いちいちアクションが長ったらしい上にそこそこタフネス高いせいで中途半端に粘りやがって……!

 

「うぉぉぉ走れ走れ走れ!!」

 

吊り橋をギッシギッシ揺らしながら全力ダッシュ、本当であれば崖の下を見て震えたりするんだろうが今の俺に取ってはほんっとうにどうでも良い。うおおあと8秒で死ぬ!解毒薬買うか?80秒で探し当てられるか!?……それよりもリスポーンポイントの更新が先か!!

 

「だぁぁあ……!スタミナァ…!!」

 

疲労モーションに強制突入、マジで疲労感感じるのかよ変なところにこだわりやがって運営……!

 

スタミナが持たない、スタミナを回復させつつ歩いてたら確実に死ぬ!辿り着く前に死ぬだと?そうなるとリスポ地点を更新してないんだから……嘘だろ、勝ったっていうのにアイテム全ロスとか。試合に勝って勝負に負けるってこういう……いやちょっと待て。

 

「エリアボス1人で倒したんだから経験値もたっぷりだろ……!?おっしビンゴォ!」

 

レベルアップしとる!ポイントある!ヨシ!とっとととりあえずあれだな、スタミナ!俊敏!ちらっと見えたポイントを何も考えずに半分くらいの割合で叩き込む。

 

「おおおおおおおおおおおおおっしゃおらぁぁぁぁぁああ!!!!」

 

セカンディルへと続く道を先ほどと比べて倍以上の速度とスタミナを全力でぶん回して駆け抜けるのだった。

 

ていうかやばいっ!!!獣の子の補正適用ってもしかして完全に自然フィールドだったりする!?ちょっとした小道なだけで補正が無くなったんだが!!?

 




ここまでお読みいただいた読者の方々、彼は音ゲーばっかりやってた音ゲー中毒者です。アクションゲー畑の人間ではありません。なのになぜこんなに動けるのか?
そりゃ龍宮院のお家で剣術習ってた上にどこかのカップラーメン姉さんと余裕で殴り合える純粋なフィジカル、音ゲーで培われた反射神経が為せる技です。


因みに貪食の大蛇撃破の手順として
傷口に致命の包丁を刺してスキルとステータスによるゴリ押しで登頂

片手を離した事により無装備状態となった右手にゴブリンの手斧を展開させて片目を叩き潰す

口の中に左手に持ってたもう片方の致命の包丁をIN!

蛮族かな?
8/38 



メニュー

お気に入り

しおり

▲ページ最上部へ
Xで読了報告
この作品に感想を書く
この作品を評価する