シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜


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作:トレセン暮らしのデュエリスト
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リアリティがクオリティに影響を及ぼすことはないと聞くがその逆はどうだろうか


連続投稿っっっ!!!(16巻特装版買った為)


『遙かな太古、神代と呼ばれる時代があった。』

 

……なんだこれ、あぁプロローグ的なあれかな?

 

『偉大なる神人達は後世に命を紡ぎ、その姿を消した。』

 

………………なんか長くなりそうだなぁ。

 

『時は流れ、神人達の意志継ぐ我々は彼らが願ったように地に広がり、そして大いなる命の流れを紡いでいく……』

 

……………………うん、スキップとかあるかな?

 

『今を生きる我々「スキップスキップスキップスキップ」プロローグをスキップしますか?』

 

「あっ、出来るんだこういうのって。スキップ」

 

音ゲーとかじゃこういうプロローグ的なのは殆ど無かったからなぁ、あると言えば昔のディスプレイ式レトロ音ゲーくらいか?とは言えこう言うのは中々ないからゲームシステムからして新鮮だ。まぁプロローグ自体取説で読んじゃったのもあるんだけど。

若干の新鮮味を感じながらスキップ連呼、遂にフルダイブした意識に肉体の感覚が宿る。身長、体格は俺自身の体をベースにしてある(というか何もいじっていない)から問題はないと思うが一応軽く体動かしておこうかな。

そう思いながら周囲を見回すと……

 

 

 

「おおぅ……大自然」

 

そこは一面の緑、というか平たく言えば森だった。いや、まぁ出身「獣の子」は他の出身と比べて珍しく初期スポーン地点が「ビギナー用のエリアのどこか」で、自力で街にたどり着くしか街への到達手段がないらしい。死んだらどうなるかはあまり想像したくないが恐らく全てをロストするんじゃなかろうか…一応似たような感じとして「彷徨う者」なんてのもあったが挙動に補正がかかる「獣の子」の方が魅力的に見えた。

にしてもやっぱりこのゲームの作り込みは狂気的と言えるのではなかろうか、アクションゲーム……というかMMORPGをあまりやったことのない俺ですらわかる。忌み子なんて出身では路地裏スタートらしいし貴族の子?なんて出身では豪邸の門前からスタートらしい。

 

「……まっ、取り敢えずは自分の現状を把握するところから始めるか」

 

————————————

PN:ビャッコ

LV:1

JOB:戦士(二刀流使い)

6,000マーニ

HP(体力):25

MP(魔力):1

STM(スタミナ):20

STR(筋力):20

DEX(器用):20

AGI(敏捷):30

TEC(技量):15

VIT(耐久力):5

LUC(幸運):15

スキル

・スピンスラッシュ

・ナックルスラッシュ

 

 

装備

左右:戦士の双刃

頭:無し

胴:無し

腰:戦士のベルト

足:戦士のズボン

アクセサリー:ウカの弧面

————————————

 

うん、貫禄の脳筋だな。魔法なんて知ったことかと言わんばかりの魔力1だ。ギリギリ変態呼ばわりされない可能性がある上裸に二刀流……俺は下手したら野人かモンスター呼ばわりされるんじゃないだろうか、狐面だし今。

 

「いや、もうそのことは考えないで良いだろう。葛藤も羞恥もキャラメイクの時に捨て去ったはずだ……!」

 

取り敢えずこれからどうするべきだろうか。獣の子は困ったことに彷徨える者の様に死んでも最初の街……「ファステイア」に飛ばないらしい。だったら戦闘して少しでも体を慣れさせた後ファステイアに向かうとしようか。

 

「んーーー……にしてもこりゃすげえなぁ、体が違和感なく動かせる」

 

結構いろんな音ゲーをやってきたからこそ感じるアバターの動きの滑らかさよ。アプクソはヤバかった、VR黎明期に作られたからってアポカリプス・ワールドよりぎこちないとは思わなかった……その後だと特にこのゲームが凄いと思える、何せ殆どリアル同然の動きが出来ているのだから。

確かVRシステム自体にゲームの中の動きをリアル側に影響させない様にするシステムが備わっていたはずだがそんなもの無くても関係ないと思えるくらいだ。

 

「グギャギギッ!!」

 

「ん?モンスター?」

 

栄えあるシャンフロ初接敵の相手は……おっと、ファンタジー系でよく見る大体Rが18じゃないとプレイできないゲームじゃ割と強いゴブリンさんじゃないっすか。

 

「…………ほいっと」

 

「グギャッ!!?」

 

何というか、アホほど素直に突っ込んできたゴブリンをすいっとかわして足を引っ掛ける。おーー、綺麗にすっ転んだなぁ。満点取れるよ、あの世でな。

 

「2刀で頸を断つ!!」

 

「ギャアアア!!?」

 

ポリゴン爆散っと。聞いた話じゃリアリティを増した最近のアクションゲーは描写上はともかくとしてゲーム的には大したダメージが出てないと聞いて一応首から上と下を泣き別れさせたがちゃんと死んでくれたらしい。他にも急所に攻撃を的確に加えないとダメージが入らないというのもあるんだろうなぁ。

 

「……おっ、なんか落としてら」

 

これは……「ゴブリンの手斧」?へぇ、アイテムはこう……剥ぎ取ったりするものを想像してたからちょっとありがたいかもしれんな。まぁそういうリアリティを求めすぎた結果ガチの警察沙汰になったゲームなんてのも聞いたことがあるしそこら辺のゲーム的配慮ってやつだろう。

あの時は確か「ゲームが子供の価値観を歪める」だとか何とか言って反ゲーム派が猛批判してたなぁ、ニュース見てたら突如芸人がコメンテーターまがいのことをやりたかったのか「娯楽に負ける教育しか出来ないなら子供なんか作るなや、親も教師もみんな腹からやりなおせ」だったか忘れたが、まぁそんなニュアンスの過激発言を決めて色んなところに凄まじいくらい飛び火したのが記憶に残っている。連日連夜VR関連の報道が続き、結果的に国会討論まで発展していたなぁ……その時の俺は確かオールイン・ライフで100回連続勝利なんて狂ったことをやっていた気がする。結果的にその目標の達成は成功したが大体50回目当たりでクソ強NPCに当たって死んでキレてたなぁ……ちっ、何だよ無敵判定って、ノーミスが前提の曲でそんな命のバトンを繋ぐなアホが。

 

「さて、二刀流故もう一本欲しいところだ」

 

確かこのゲーム隠しステータスに空腹値なんてものもあるらしい。モンスター狩りまくって何を落とすのかも把握しておくべきだな。

 

…………驚いた、この高揚感とドキドキ感は音ゲーもアクションゲーも分け隔てなくやってくるもんなんだな。今まで過ごしてきた世界(音ゲー)を飛び出して別世界(アクションゲー)にやってきた、この瞬間の高揚感はリアルでも中々味わえないだろう。

 

「さてさてさてさて……楽しむ事を忘れずに!楽しいゲームにしよう!」

 

俺は道なき道を目標探して走り出したのだった。

 

「ぉ"るぇっ??」

 

訂正、走り出した瞬間獣の子の補正で想像以上に動く体に頭がついていかずにすっ転んだ。

 

し、締まらねぇ……

 

 




勿論半裸プレイヤーは某鳥頭の様に結構います。つまり上裸プレイヤーだってそれなりの数存在します
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