誕生日を迎えた時、野球を愛する男性Ａ様から「はいおめ！今日は家で素振り１００回して気を送ります！」と連絡が届いた。これが嬉しくて嬉しくて、こんなにも最高な誕生日プレゼントは滅多にないぞと思って、今でも時折思い出して元気を貰っている。カネでもない。モノでもない。素振り。それは「俺は生きているぜ」「俺は燃えているぜ」「俺はお前のために今日は余分に燃えているぜ」というメッセージに他ならない。最高だ。それでいいんだよ。そういうのがいいんだよ。問題が起きると募金をしたりボランティアをしたり（しなきゃいけないと思わされたり）するが、それだけじゃない。俺たちには素振りがある。俺たちには、俺たちの命を生きることで周囲を力づける能力がある。

心ある方が卵を大量に送ってくれた。また別の心ある方は野菜と卵を、また別の心ある方が白米と卵を送ってくれた。卵が、とんでもないことになっている。五十個。五十個の卵が一人暮らしの我が家にある。食べ切れないから、ホームパーティしよう。君も、エッグマン（私）の家に遊びに来ないか。参加賞の卵をあげます。今日は神奈川から男性Ｙ様が来てくれた。何か要るものはあるかと聞かれたので「肉」と言ったら、たくさんのお肉を買ってきてくれた。それだけではない。バイク事故によりコートが破れて着る服がなくなり、家で寒そうにぶるぶる震えていた私に、アマゾンでマフラーを買ってくれた。優しい。ありがとう。手土産に酒も持って来てくれた。宴だ。もっと言えば高級なギターの弦も買ってくれた。ありがとう。神様。

小包も届いた。中身を開けると、エッチな内容が書かれた手紙が入っていた。女性からの手紙である。女性からエッチな内容の手紙を貰うと「いいな」と思う。女性もエロいこと考えたりするんだなと思うと、なんだか、安心をする。ノートからサポートも貰った。ありがとう。そこには「再来月から私は無一文になりますが、今はまだお金があるので坂爪さんにあげます」と書かれてあった。私は「無一文だなんてゾクゾクしますね！」と返信した。その方は、ゾクゾクすると言った私の感性を好きだと言った。ネット越しではあるが、両思いが成立をした。みんな、ありがとう。まだまだ体は痛いし咳も止まらないが、事故ってよかったとさえ思う。

幸せな人とは自分は幸せだと思っている人のことで、不幸な人は自分は不幸だと思っている人のことだ。幸せになりたければ、自分は幸せだと思えばいいのだ。そうすると、なんとなく、そう思えてくる。アイムラッキー。ユアラッキー。この記事を書けて（読めて）いる時点で、俺たちはラッキーボーイズ＆ガールズである。色々あると「あいつが悪い」とか「俺が悪い」とか思ったりするが、正解は「誰も悪くない」である。大事なことだから繰り返す。正解は、誰も悪くないだ。私のバイク事故は、誰かのいたずらによって引き起こされたことだということが判明した。高速道路に乗っていたら死んでいた。だが、私は死ななかった。まだ、生きている。この出来事を幸福だと思うか不幸だと思うか。驚いたことに、決定権は私にあるのだ。

私は自分が幸せである道を選ぶ。憎しみの連鎖を断ち切るのである。お金を失い、バイクを失い、色々なものを失ったが、引き続きハッピー野郎であり続ける自由までは手放していないつもりである。諸行無常などと言っている場合ではない。被害者意識に浸っている場合ではないのだ。儚さゼロ。生きるっきゃねえ。だから、ホームパーティをやろう。生きていることを祝い合おう。遠方にお住まいの方にはこう言いたい。お前の素振りを見せてくれ。毎日やっているエクササイズがあるなら、俺のために今日は一回余計にやってくれ。その一回を俺に捧げてくれ。あなたの心にエロがあるなら、いつもより余計にエロくなってくれ。そのエロを俺に捧げてくれ。お前の素振りを見せてくれ。そう言うと、肉を買って来てくれた男性Ｙ様は「俺も帰って素振りします！」と言って、帰ろうとした。私は「忘れ物だよ」と言って、Ｙ様に卵を持たせた。外に出ると、真っ白な雪が空を舞っていた。熱海に降った、一番最初の雪だった。