◇どうすれば良かったのか


こんにちは。
あっと言う間に師走も半ばではありませんか。
もう今年が終わってしまいます。年の瀬って気持ちが妙に焦りますよね。


さて、寄稿記事が公開されておりますので、まだお読みいただいてない方はどうぞ。

こちらから→優しさは時に、重荷になるのではないか。心身を壊し退職した、仕事仲間の思い出


今の時代に、発達障害やグレーゾーンが疑われる人と、接客を伴うサービス業の分野で一緒に働くのは「難しい」の一言です。


そうした人を受け入れたく無いわけではありません。
むしろ、多少のサポートをする事で問題なく働けるのであれば、ぜひ一緒に働きたいと考えていました。
現場は慢性的に人手不足で、みんながちょっとずつ無理をして過剰な働き方をすることで、なんとかシフトを回していたのですから。



けれど、「どうにか一緒に働いていこう」と考えるあまり、私たちは小野田さんに気を使い過ぎていたかもしれません。
今は難しい時代ですから、「小野田さんはレセプショニストの仕事に適性がない」と分かりつつ、それを本人に向かって指摘することはできませんでした。
パワハラやいじめのように受け取られると困るからです。


あくまで本人が「レセプショニストとして働きたい」と強く希望している以上は、本人の意向を無視した配置換えはできません。

なので、「小野田さんにとって難しい仕事は、私たちがカバーしていこう」と考えて行動していたのですけど、適切なサポートやその匙加減が分からず、今にして思えば、頭から「できない子扱い」とでも言いましょうか。小野田さんを赤ちゃん扱いしていたようにも思います。
それに苛立ちを覚えたからこそ、「なんで私ばっかり!」と、大きな声の独り言で怒っていたのかもしれませんね。


「じゃあ、こちらとしてはどうすれば良いのかな?」

と聞きたくても、今後に向けて話し合いをしたくても、いざ私たちを前にすると、彼女は上手く自分を表現できないから押し黙ってしまうんですよね。


すると、周りはますます勝手に気を回してしまう。
契約を更新せずに辞めることは小野田さん本人が申し出たことでしたが、腫れ物に触るような扱いに、いたたまれなくなっていたのではないかしら。

小野田さんは、子供っぽく見えても子供ではなかったし、周りと同じように仕事ができなくても、決して知能が低いというわけでもなかったのですから。


どうすれば良かったのかは分からないし、正解は無いのかもしれません。
今ふりかえっても「難しい」としか言いようがない。

小野田さんがその後どうされているのか分かりませんが、状態が安定していればいいなと思います。