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久里浜の使っている弾薬ですが、今までM955と言ってましたが間違いです。

正確には『M855A1』です、訂正してお伝えします。

第81話・日露戦争時から何も変わってないな

 

「なんだ今のは!? セルゲイがやられたぞ!」


「バカ! 動きを止めるな!!」


 次いで響く銃声。

 またも壁を跳ね回った銃弾が、敵を正確に撃ち抜いた。


 ––––犯人は、彼らからすればまだ子供の自衛官。


「ウチの新海隊長に、なに銃向けてんのよっ!!」


 車を蹴って外から勢いよく飛び込んで来たのは、私服姿の久里浜だった。

 その手にはアサルトライフルが握られている。


 彼女は結界発生から僅か13秒で『HK416A5』を組み立て、透たちの立て籠ったファミレスへ全力で走って来たのだ。


 この銃は上部(アッパー)下部(ロアー)がピン2本で結合できるので、カバンから出してすぐ戦闘準備が整うテイクダウン方式を採用している。


 また肩出しの半袖にショートパンツ、スニーカーという軽装なのは、この時に全力で動くためだった。


「チッ! 新手か!」


 すぐさま拳銃を発砲するも、机だらけの店内という場所は、CQB大好きっ娘の久里浜にとってホームグラウンドも同然。


 小さな身体を最大限活かして、まずレジ付近にいたロシア人へ肉薄。

 ストックで顎を強打し、生じた隙を狙って足払い。


「よっ」


 仰向けに倒れた男の脳天を撃ち抜き、あっという間に射殺。

 さらに床を蹴って転がり込みながら発砲し、こちらもすぐに1人始末した。


「このガキ!!」


 既に4人を失ったロシア人部隊だが、一瞬だけ隙を見せた久里浜に銃を向けて––––


「はい、注意力散漫」


 背後からゆっくり迫っていた坂本の、『P220』自動拳銃によって肩を撃たれた。


 そこからは早いもので、背中を向けていた2人を順番に撃っていく。

 飛び込んだ久里浜に注意が行き、無防備になった瞬間を狙ったのでただの的当てだ。


「はいはーい、皆さん順にあの世へご案内しますよ。……人様の国で発砲するってのはこういうことだからさ」


 一切の慈悲も躊躇もなく、坂本は躊躇わずに引き金をひいた。

 この際、1人だけは四肢を撃ち抜いての無力化に留めた。


 普段マークスマンとしてダンジョンで活躍する彼の、高い射撃能力が活かされる。

 倒れ込んだロシア人を踏みつけ、上から銃口を突き付けた。


「やっぱロシア人か、人の物を欲しがるふてぶてしさは、日露戦争時代からどこも変わってないんだね」


「ぐっ……! 抜かったか。護衛をあえて離して配置していたとは……ぐおぉ!?」


 銃弾で空いた傷口を、坂本はスニーカーで容赦なく踏んだ。


「お前ら自由過ぎるんだよ、北方領土といいウクライナといい……少しは世間に対して自重しろよな。挙句に異世界人の子供を拉致とか……自称大国がクソダセぇ」


「ッ……!! 我々は、偉大なる大ソヴィエト復興のために働いている! 極東のヤポンスキーごときが知った口を聞くな!」


 ––––ダァンッ––––!!


 肩に1発撃ち込む。

 流れるように、拳銃を顔面へ向けた。


「日露戦争の慢心を忘れたか? 最後のチャンス––––今すぐ帰れば見逃すよ?」


「黄色い猿が……!! 大ソヴィエトを侮辱するか! 貴様らアジア人に遅れを取るほど我々は––––」


「もう一度歴史を勉強してこい、ソ連はもう崩壊してんだよ」


 トドメの発砲が行われた。


 後に残ったのは、荒んだレストランとロシア人スパイの死体のみ。

 死亡確認をした久里浜が、声を出した。


「新海隊長、四条先輩。もう出て来て良いですよ」


 掃討がひとまず完了し、透たちは遮蔽物から出てくる。


「思ったより早かったな、おかげで助かったよ」


「まっ、そのための護衛だしね。3人に怪我させたら……あの恐ろしい1佐に何言われるかわっかんないから」


 2人共に、人を殺したのはこれが初めてだった。

 しかし––––


「あっ、隊長––––PTSDとかは特に大丈夫なんで気にしないでください」


 坂本が拳銃のマガジンを交換しながら、なんの気なしに呟く。


「本当か?」


「こいつらが隊長に銃口を向けた時点で、とっくに吹っ切れてます。そもそも……ここでひよってたら自衛官やってませんし」


「そりゃそうか、俺たちはあのイカれた超人に選ばれた護衛部隊。今さら引き金が重いわけねぇか」


 戦闘を見ていたテオドールが、ポツリと呟く。


「やっぱり……、透の部隊は強いですね。わたしが負けただけあります」


「銃撃戦……怖くなかったか?」


「大丈夫です、透と四条がそばにいたので……安心して隠れられました」


「なら良かった。まぁそんなわけで、政治的な目的のためにテオを連れ去ろうとする輩が新宿にいっぱい来てる」


「ほえっ!? わ、わたしを連れ去る!? なんでそんな意味不明なこと。こ、これからどうするのですか……?」


 キョロキョロと慌てるテオドール。

 だが、透と四条、坂本と久里浜はいたって冷静だった。


「俺たちは2時間ほど……このレストランに籠城する、来た敵は無制限で排除だ」


「に、逃げなくて良いんですか?」


「下手に外に出て、狙撃手(スナイパー)にやられるのは避けたい。俺たちは武装が最低限だしな」


「でも、それだとジリ貧になるんじゃ……」


 不安そうにする少女に、透は微笑んだ。


「大丈夫だぞテオ、結界内は確かに敵だらけだけど––––」


 自身の上官が脳裏に浮かぶ。


「俺たちの誇る、“最強”の狂人がもう動いてる。日本が準備してきた––––中露キラーだ」


81話を読んでくださりありがとうございます!


「少しでも続きが読みたい」

「面白かった!」

「こういうダンジョン×自衛隊流行れ!」


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