安芸高田市で市長が市議から「どう喝」があったかどうか争われ、一審で市が敗訴した裁判について、石丸市長は「どう喝」発言の存在を認めなかった裁判所の判断に不服があったと控訴理由を明らかにしました。

【石丸市長】
「かなり恣意的に何か落としどころを探ったかのような判断になっている。そのあたりを不服としています」

安芸高田市議会の山根温子市議が自身に「どう喝」されたとする石丸伸二市長の発言などで名誉を傷つけられたとして市長と市に損害賠償を求めた裁判で、市は先月、広島地裁から33万円の賠償を命じられました。
市はこれを不服として広島高裁に控訴しています。

石丸市長は控訴した理由について裁判所が「山根議員が恫喝した証拠が石丸市長のメモしかない」として「どう喝」発言の存在を認めなかった判断を不服としました。

【石丸市長】
「全員協議会の場で、異論反論があるのか、違うなら違うと言って下さいとったのに、山根議員は否定しなかった」

控訴には本来、地方自治法で議会の議決が必要ですが、市長は「時間的余裕がない」として専決処分で控訴しました。

判決を受けて、今月9日、市民グループ「安芸高田市政刷新ネットワーク」のメンバーが市長への辞職要求書を提出しています。
これに対し石丸市長は。

【石丸市長】
「論ずるに値しない事案です。一部の政治活動をしている団体がそうしたことを主張している。それ以上でもそれ以下でもありません」

一方、会見後、石丸市長が向かったのは市議会の議長室です。
議会だよりが一般質問の実態を正しく伝えきれていないなどとして、議長に説明を求めました。

【石丸市長】
「明らかな虚偽の記載があった。うそですよ。それに対して認め、市民に対して誓わなければ次出せないと、そのように考えています」

内容の訂正などがない場合は、発行のための予算を計上しない方針を示しています。

<スタジオ>
こちらが石丸市長が内容を問題視している議会だよりの一つ。
【記者の目】
取材した毛利記者によると、議会だよりは市議会広報特別委員会が編集しているということだが、答弁の一部が省略されるなど的を外したまとめ方になっていると石丸市長が指摘している。また、そのほかの議会だよりでも内容が事実と異なる点があると主張している。

市長が情報発信を重視する中で、議会情報を発信するツールを無くす動きになっているのは、本来目指すべきところとは違うかもしれませんね。

テレビ新広島
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