日本から帰ったコロンビア人父が
重症的な逆カルチャーショックを
受けていた【日本に移住?】
この植物学者のお父さんはイン
テリだからそうした感受がある
し、冷静な識別ができるのだろ
う。
良くないものは良くない。
それは自分の国だとか出生地だ
とかは関係ない。
自分の生まれた所だから最高だ、
などと公言するのは大たわけだ。
愚の愚。バカの極み。
そんな性根の人間ばかりが棲息
する場所は、将来的にも何も良く
ならない。この先もずっと永遠に。
だが、日本にもいろいろあるぜい、
先生。
無垢の状態でどんな土地だろうと
希望に胸膨らませて移住したら、
もうどうしようもない悪意しか存
在せず、救われない土地もある。
だが、外に出たことが無いから、
自分たちの悪弊、異物のような
悪行や思考や心根や人間性に気づ
かず、自分たちの土地と自分ら
こそが日本で最高と思い込んで
いる土地もある。
また、良い面もあるのに、それを
伸ばそうとはしない。
動かないのだ。人の心が。習性が。
何も変わらない。変えようとさえ
しようとする人もいない。
しかし、現実の事実は、その土地
から出て外を見た人は帰っては来
ない。
日本に来る前のこの先生と見た世
界が同じだった訳だ。
その土地を離れて、移住できるな
らば、良いと思った土地に移り
住むのがいいと思う。可能ならば。
私の場合は、今すぐではないが、
それが可能だ。
同国内にあって常に異邦人扱い
を受ける。大歓迎だ。
悪い事は悪いと指摘して、何か物
事を良くしようと発言すると、あ
んたここから出て行きんさいや、
だ。
スポーツ団体でさえそうだ。
それが、この土地の「常識」な
のだろう。
この土地に社会正義は無いのだろ
うか。
河合夫妻事件は、単に政治汚職だ
けでなく、それが「常識」の土地
だからあれだけ汚れた金をばらま
いたのだろう。
自分の生まれ育った国(都県)に
帰るのが良いし、近い将来には
そうする。
ただ、従業員の定年までは会社を
続けないと、いきなり土地を離れ
て失業させては私としても不本意
だ。その責任を果たしたら、私は
自国に帰る。家系は400数十年こ
の土地にあったが、もうそれも
おしまいにする。
この四半世紀はとても勉強になっ
た。
日本にもこんな土地と人たちがい
るのか、と。仰天驚きの20数年
だった。
長い出張滞在だった。
「定住」という実体は私の中には
生まれなかった。
異国の土地に長期出張している
感覚だ。
最初は骨をうずめるつもりで、
住んだ事も無い初めての土地に
やって来たが。
だが、それもやがて幕を閉じる。
生まれ育った場所に帰るが、それ
は生まれ育った場所だから良い場
所なのではなく、客観的にまるで
「異国のよそのこの土地」とは何
もかもがとことん別物なのだ。
それはこの学者のお父さんがコロ
ンビアに帰国して失望したように。
たぶん、この先生ご夫婦は日本に
移住する計画を立てている事だろ
う。
それがきっと死ぬ時までの残り短
い時間の幸せになるだろう。
私もそうする。
私はたまたま生まれた土地と育っ
た地方が楽園だった。これは偶然
だ。自分で望んで選んでそこに
生まれた訳ではないから。
ゆえに、その楽園と呼ぶのは、こ
れは出生地という属性関係なく客
観的に見て。
建築物やその他諸々の都会度など
はどうでもいい。インフラの発達
度合いなどは一切関係ない。
人が違うのだ。根本的に根っこが
まるで違う。
それが決定打だ。
計画は地道に作っている。
四半世紀以上、歯をくいしばって
頑張ってはみたが、もう限界だ。
残された道は、私が土地に馴染ん
で同化して人を差別排外するのを
日常的な「常識」とする種族と
なるか、それを拒否してその土地
を離れるかだ。
力及ばずして倒れる事を拒否した
いが、力尽くして倒れる事を経験
し続けて、決意は固まった。
そう、シンプルだ。
この土地に我慢し続けて、私
が精神崩壊したら、家族が崩
壊してしまう。
家族を守るためにも、選択肢
は一つしかない。
二つのどちらかではない。
一つだ。
シンプルである。
短い残された私と家族の時間の
将来設計は決まっている。
ちなみに首都圏に生まれた時か
ら多くの首都圏内の場所に私は
移り住んだが、首都圏では「こ
こは最低だ」と思った場所は
ただの一ヶ所さえも無い。
それは、私が東京生まれだから
ではなく、実際にそういう土地
だからだ。