鉄製コアも銅巻線も使わない電気モーター 36
ストーリー by nagazou
次世代 部門より
次世代 部門より
米Infinitumは同社の開発した次世代モーター「Aircore Mobility」が、CES 2023 Innovation Awardを受賞したと発表したそうだ。このモーターは、銅エッチングされたプリント基板(PCB)をステーター(固定子)とする「PCBステーター」という形式を採用しているという(CES 2023イノベーションアワード製品、fabcross for エンジニア)。
通常のモーターに使われている重い鋼板と銅線の代わりとして、PCBに銅のパターンをエッチングすることにより、従来型のモーターより50%小型化・軽量化され、効率が10〜15%向上しているのだそうだ。また高速かつ優れたトルクをもち、モジュール設計にも適しているという。小型から大型までの商用車や航空宇宙、船舶向けなどに設計されているとしている。
通常のモーターに使われている重い鋼板と銅線の代わりとして、PCBに銅のパターンをエッチングすることにより、従来型のモーターより50%小型化・軽量化され、効率が10〜15%向上しているのだそうだ。また高速かつ優れたトルクをもち、モジュール設計にも適しているという。小型から大型までの商用車や航空宇宙、船舶向けなどに設計されているとしている。
従来型モータとの比較 (スコア:1)
従来型モーターは、磁場が回転軸に垂直方向
次世代モーターは、磁場が回転軸に平行方向
従来型モーターの損失の1/3はコア内の渦電流
次世代モーターはコアなし (だけど、FAQに乗っている図によると、磁石を保持している回転子は透磁率高そうなので、そこはそれ)
信頼性は従来型の9倍
ステッピングモーターに近いかな?
Re: (スコア:0)
磁場の向きについては鉄心使ったやつでもあります。アキシャルモーターで検索してください。
鉄心が不要なのは、コイルと磁石が近いから?コイルがほぼ平面だから?
Re:従来型モータとの比較 (スコア:3, 興味深い)
アキシャルギャップモータの構造とほぼ一緒ですね
違いはコイル巻いてある部分をプリント基板上のコイルに置き換えたかどうか
合せてコアの圧紛磁心(鉄心芯に相当する部分)の有無
鉄心の役割磁束を束ねる役目なので吸着では鉄心を入れることで飛躍的に吸着力が上がります。
今回の空芯コイルでは、同じようにやっても強くなりません。
ではどうやっているのかといえば反発で利用する方法で回してるため空芯コイルでも効率性が上がるのです。
Re: (スコア:0)
>鉄心が不要なのは、コイルと磁石が近いから?コイルがほぼ平面だから?
電気には電気回路ってのがあって通常銅とかで配線して
電流は通常その配線以外には流れないが、
磁気の場合にも磁気回路ってのがあって鉄とかで配線すると
そこの磁気抵抗が低いので磁束が集中するが電気の場合と
違うのは配線のない空間でも磁気抵抗は高いが磁束が流れてしまうところ。
(従来モーターでもローターとステーターの間は空間エアギャップだ)
(ただ磁気回路ぐるっと一周の磁気抵抗は低いに越したことはない)
なので「コイル部が薄いからそこギャップでもいいか」って感じなのかな。
>反発で利用する方法で回してるため
作用反作用があるとしてそんなにうまく片側だけ使えるのか
効率悪くないのかよくわからんが、双方向だとどちらかで
基板から銅箔が剥がれてしまいそうな気はする。
(まあベース材でサンドイッチすればいいのか・・・)
PCBの方が効率的で低コストなら (スコア:0)
PCBってのは数年前に産まれたなんてもんじゃないし、PCBを使ったモーターの方が低コストで効率的なとっくの昔にありそうな話だけど。欠点は何?
基板上にアンテナがあるみたいな話を最初に聞いた時は驚いたけど、やろうと思えばモーターまでできるんだなぁ。
Re:PCBの方が効率的で低コストなら (スコア:1)
プリント基板モーターは昔からあったようだけど
https://www.yaskawa.co.jp/technology/history/servomotor [yaskawa.co.jp]
> また当時製造を計画していた「プリントモータ」は、1961年他社から技術導入したものであったが、その技術はまだアイデアの段階で、多くの困難が立ちふさがっていた。モータの配線を、プリント基板上に腐食を用いて一挙に仕上げるという着想は素晴らしかったが、産業用として提供するには量産性・耐久性という点で問題があった。
温故知新というか忘れるの早すぎ (スコア:2)
もう絶滅したけど、カセットテープを使ったウォークマンとか、ビデオカセットムービーにはふつうに使われてましたよ。
Re:温故知新というか忘れるの早すぎ (スコア:1)
プリント基板モータと構造が違う。
プリント基板上に巻いたコイルをはんだ付けで固定したのがウォークマンの方
こちらは既存のモータを平面化したもので、吸着で回す仕組み。
構造はコイルと磁石が1対。
Aircore Mobilityは反発で回すため1対だと反発で軸が浮き上がってしまいます。
なので反発しないように複数のレイヤー構造でしかもケース内にネジ止めして軸がぶれないようにする必要がある。
コイルは薄くてもモータ自体は薄く作ることはできません。
図や動画を見るとネジの固定方法が多いのは磁力の反発で軸が浮き上がらない対策なのです。
車輪の再発明はよくある? (スコア:0)
個人がPCBモーターを「発明した」っていうのもある。
「PCB Motor [hackaday.io]」(日本語の概説はコチラ [gigazine.net])
Re:PCBの方が効率的で低コストなら (スコア:1)
デメリットは大型大容量化では?
pcb上のパターンだけだと排熱難しそう。
これまで作られてたpcbモータモジュールは
ほとんど小型小容量向けっぽくて
実際ビデオデッキとかウォークマンとかに
採用されてたみたいですし。
Re:PCBの方が効率的で低コストなら (スコア:2)
従来型だと「芯の周りに銅線の束」だったのが「円盤状に広がる銅線」になるので巻線数あたりの表面積はかなり広くなってるはずで、冷却面は有利かも
うじゃうじゃ
Re: (スコア:0)
その代わり平面状に広がる距離の分だけ抵抗損失は増えますね。
鉄損は減るけど銅損が増える。
あとは、PCBがあること自体がデメリットかな。
今のモーターはどれだけ銅線を空間に詰め込めるか競ってる状態なので、PCB分だけ体積をロスする。
普通はPCBの基材よりも銅箔の方がずっと薄いので、かなりのロスになるはず。
Re:PCBの方が効率的で低コストなら (スコア:1)
> 今のモーターはどれだけ銅線を空間に詰め込めるか競ってる状態
となる理由は「磁束密度の高いエリアにできるだけたくさんの銅線を通過させる」としているからで、このモーターの場合は軸と平行に磁力線が伸びているらしいので磁束密度の偏りは少ないと思われ、銅線密度の低さをある程度はカバーできるんじゃないでしょうかね。従来型と同等ってことはないでしょうけど
うじゃうじゃ
Re: (スコア:0)
違います。銅損を減らすために、導体の体積充填率を上げる競争をしてます。
Re:PCBの方が効率的で低コストなら (スコア:1)
なるほど。たしかに抵抗損失の大きさは無視できない要素でしょうね
うじゃうじゃ
Re: (スコア:0)
ソース見るとEVの動力に使える程度には問題なさそうだが。
プリント基板上の配線で?ほんとに?
Re: (スコア:0)
ヘアピン角線でも全く問題ないのにわざわざプリント基板上に銅箔を塗って溶かすのはただの無駄
技術的な意義があるというよりこれ以外に新規参入の方法を思いつかなかったと言われた方がまだ分かる
Re: (スコア:0)
銅線にはローレンツ力が加わるのでしっかり固定する必要がある。
従来のモーターなら芯などに巻き付けることで固定されているけど、円盤に固定するならプリント基板方式にする方が楽だと思うぞ。
Re: (スコア:0)
普通のプリント基盤技術は配線に力がかかることなど考慮していないので、銅箔なんて機械的には弱いもんだし、
基板に張り付いている力も弱く、ペリペリと簡単にはがれる。
モーターのコイルとして基板を作る場合は何か特別な工夫がしてあるのだろうか。
Re: (スコア:0)
デメリットは大型大容量化では?
pcb上のパターンだけだと排熱難しそう。
これまで作られてたpcbモータモジュールは
リンク先の動画で解決しています。
回転しない側の軸の中心から液体を注入し、軸の中心付近から冷却材が流れ
モーターの外側の方から排出する構造になってます。
これによりPCB上を液体で直接冷却する構造です。
つまりモーターを回転しながら液体で冷やすことで焼き切れたしないようになってます。
通常のモーターにはないデメリット部分かと思います。
ただこの方式で高速回転に耐えられるかは不明ですが
Re: (スコア:0)
高速になると効率が落ちるので変速機が付きます。ってなったりして。
Re: (スコア:0)
書き忘れたからここに書くけど()内のリンクがミスって同じになってます。
Re: (スコア:0)
製造工程の複雑さが段違いだから低コストだなんてあり得ん。図を見ればわかるでしょ。どこで誤解した?
Re: (スコア:0)
デメリットは全て
メリットは「この座組なら俺が参入できる」
Re: (スコア:0)
FDDのスピンドルモーターに使われてたよ。
Re: (スコア:0)
PCB基板って温度サイクルに対する耐久性が、ある一定温度以上で悪くなるんじゃなかったけ?
反りが生じて表面実装部品がはがれるとか、層が剥離していくとか聞いた気が。
数十K程度の変動ならよいけど、鉄道とか船舶とかは200K近くまで温度変動が生じるような使い方をしてたはず。
電磁石とかトランスとか扱った人には分かるだろうけど、
電流がちょっと増えるだけで、巻き線部の発熱がえげつない感じで増していく。
密閉型だと猶更だろうな…。
ごめん分からん (スコア:0)
すまん。原理が良く分からん。
誰か解説お願いします。
Re:ごめん分からん (スコア:1)
銅線グルグル巻いてかさばってたステータ/固定子をプリント基板で薄く軽量にしてるんじゃないすか。
1-2 モータの構成要素
https://www.nidec.com/jp/technology/motor/basic/00002/ [nidec.com]
#中国語の「定子」と「転子」が良いな
Re:ごめん分からん (スコア:2)
回転子
定子
転子
日本脳で考えると、二文字にした瞬間、人名に見えてくるね
#日本だと転子は股関節とかの一部ですね
Re: (スコア:0)
元記事は読んでないが、だいたい感覚はつかめたよ。
プリント基板の配線をコイルの代わりにして、重ね合わせた磁石の円盤を回転させるらしいね。
プリント版にナスカの地上絵みたいにぐるぐる巻きの線を描くんだろう。
大電流流したら焼けそう (スコア:0)
プリント基板の銅箔ってうっすいですけど、どのくらいまで電流流せるのかな
え、EVの駆動にも使えるくらいできる?
ホントカナー
って感想。
Re: (スコア:0)
PCBに大電流が流せない分、枚数で稼ぐのかな?
#その分構造が複雑になりそうだけど
車だね (スコア:0)
一般のガソリン車はエンジンを冷却するためにラジエータが必要です。
そのため車のデザインでフロントグリルが存在します。
いままので電気自動車ではモータで駆動するためフロントグリルは必要ありませんが
Aircore Mobilityはモータのコイルを冷却するためのラジエータが別途必要になります。
そのためデザインはいままでの車のデザインを変えずに電動化できるでしょう。
<分解図>
https://goinfinitum.com/wp-content/uploads/2022/08/IEm_Exploded-White_... [goinfinitum.com]
<動画>
https://194vod-adaptive.akamaized.net/exp=1676428965~acl=%2Fbc83ca29-f... [akamaized.net]
<冷却装置一体型>
https://46vod-adaptive.akamaized.net/exp=1676429336~acl=%2Fd5c678bc-08... [akamaized.net]
こちらはトルクがなさそうですね。
Re: (スコア:0)
どのくらい持つかわからないが過走行のモーターは冷却水漏れによるトラブルがあるわけか。
Re: (スコア:0)
適当言い過ぎ。
BEVも普通にラジエーターが必要だが。
インバータやバッテリーの存在忘れてない?
名前が悪い (スコア:0)
http://pcb-soukishori.env.go.jp/about/pcb.html [env.go.jp]