特徴/操作性
レンズ交換式カメラの中ではトップクラスのコンパクトさ
OZO Audio搭載で臨場感のある音声が記録できる
S&Qモードや動画記録中の赤枠表示などユーザーフレンドリーな操作性
実写レビュー
レンズ交換できる事で幅広い被写体に対応
明るいレンズを使って大きく自然なボケ味を再現
コンパクトな超望遠レンズ
大型センサー採用で暗い場所でもノイズの少ない滑らかな映像が撮れる
画質
高感度性能
ボケの大きさ
動画画質
旧モデル・ライバル機種との比較
旧モデルG100との違い
SONY VLOGCAM ZV-E10との比較
製品のメリット・デメリットとおすすめユーザー
コンパクトで多彩なレンズが使えるのは大きなメリット
被写体認識が無いのは少し時代遅れか
スマホでは物足りないと感じる写真表現を楽しみたいユーザー
作例に使用したカメラ
作例に使用したレンズ
まとめ
Panasonic DC-G100Dを手に取ってまず目につくのはその小ささです。
マイクロフォーサーズのメリットを最大限活かしたサイズは、スマホとまではいかなくとも気軽に、アクティブに写真や動画を楽しみたいユーザーにピッタリです。
それでいてスマホよりは圧倒的に大きなセンサーや多彩なレンズ群を利用した本格的な撮影もできるので、初めてのミラーレスカメラとしては勿論、ベテランのサブ機としても活躍しそうなモデルとなっています。
Panasonic DC-G100Dは写真だけでなく動画撮影も重視したモデルで、それを体現する機能のひとつが外付けマイクを使わなくても明瞭な音声を記録できる内蔵マイク「OZO Audio」が搭載されている事ではないでしょうか。
特定の方向の音を録るには通常指向性マイクが使われますが、DC-G100Dに搭載されているOZO Audioはこれを内蔵マイクで実現するのです。
外付けマイクは見た目も大袈裟で少々ハードルが高いと感じるユーザーにはとてもありがたい機能となっています。
動画と写真のハイブリッド機として開発されたDC-G100Dには動画撮影をサポートする機能がいくつも搭載されています。
すばやくスローモーションに切り替えられるS&Qモードや、録画中の赤枠表示、モニターを回転させるだけで自撮りモードに切り替わる機能などがそれで、より気軽に動画撮影ができるカメラです。
写真と動画のハイブリッドカメラとしての性格が操作性の面でも色濃く出ているのはPanasonic DC-G100Dの大きな特徴と言えるでしょう。
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写真はスマホで撮るのが普通の時代になって、わざわざミラーレスカメラを使う意味は何でしょうか?
そのひとつは、多彩な交換レンズにある気がします。超望遠や明るいF値のレンズの存在はレンズ交換式カメラならではですし、レンズの特性を理解して撮るというのも、カメラを趣味として楽しめばスマホが実に無機質で素っ気ない事に気づきます。
デメリットはカメラが大きくなる事ですが、Panasonic DC-G100Dなら非常にコンパクトなので、大きな負担とはならないでしょう。
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DC-G100Dが採用するマイクロフォーサーズは、PanasonicだけでなくOM SYSTEMも採用する規格なので、レンズラインナップが幅広いのも特徴です。
作例はマニュアルフォーカスの個性的でクラシックなスタイルのレンズをつくるフォクトレンダーのレンズで撮影していますが、利便性だけでなく趣味性の高いレンズが多数選べるのもDC-G100Dをセレクトする大きなメリットとなります。
又、フルサイズと比べてセンサーが小さい事にはデメリット(高感度性能がフルサイズよりも悪い、同じ画角ならボケが小さいなど)もありますが、一部は幅広いレンズラインナップで相殺する事も出来るのです。
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DC-G100Dには、オートフォーカスで使いやすい純正品だけでなく、オールドレンズのような個性派のサードパーティー製まで多くの単焦点レンズがラインナップされています。
一般的にズームレンズより明るい開放F値を持つ単焦点レンズはボケを大きくできるので、写真らしい表現をするのに是非利用してみましょう。
最近ではスマホでもソフトを使って大きなボケを再現できるようになりましたが、やはりレンズ由来の本物のボケの自然さにはかなわないように思います。
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少し写真に慣れたらボケの表現として手前側をボカす前ボケを是非使ってみましょう。
DC-G100Dにはピントの合う場所を画面上をタッチする事で変更する機能が付いているので、ボケを活かした表現を使う際にも便利です。
マイクロフォーサーズは同じ画角ならフルサイズよりボケが小さいので、明るい中望遠レンズなどを使うのが良いでしょう。
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望遠レンズを使った撮影はいまだレンズ交換式カメラの得意とするジャンルでしょう。
高速で高精度なオートフォーカスがある事、スマホでは搭載が難しい超望遠レンズがある事がその理由です。
特にマイクロフォーサーズはスマホと比べれば圧倒的に大きく高画質、フルサイズと比べると半分の面積で画角が狭くなる望遠撮影にメリットの大きいセンサーサイズなので、是非超望遠レンズを使った撮影にもチャレンジしてみましょう。
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少し残念なのはDC-G100Dには一般的になりつつある被写体認識オートフォーカスが搭載されていない事です。
望遠レンズを使った撮影には特に有効な機能なので、せっかくモデルチェンジをするという事であれば像面位相差とセットで搭載されれば、なかなかセンセーショナルだったと思います。
上位モデルのG9PROIIが非常に良いカメラなので、同じとまではいかなかったとしても近しいオートフォーカス性能であればDC-G100Dのコンパクトさはより大きな価値を持ったのではないでしょうか。
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暗い場所で写真を撮るとノイズが出てザラザラになるか、映像エンジンが強引にノイズを除去してのっぺりとした写真になります。
こういった事を避ける為には、光を受ける面積を大きくする為にセンサーサイズを大きくする必要がありますが、DC-G100Dが採用するマイクロフォーサーズセンサーはスマホより圧倒的に大きなサイズなので、暗い場所でも比較的綺麗な写真が撮れる事がメリットです。
デジタルカメラの普及で星と風景をからめる「星景」写真を撮る方も多くなりましたが、DC-G100Dなら明るいレンズと組み合わせて本格的な星景写真を撮る事も可能です。
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マイクロフォーサーズというとフルサイズなどと比べると暗い場所に弱いという印象をいだく方が多いかもしれません。
しかし、フルサイズよりも明るいレンズをコンパクトに設計しやすいマイクロフォーサーズでは、明るいレンズを使う事でそういったデメリットを相殺する事ができるのです。
特にフォクトレンダーのマニュアルフォーカスレンズにはF1.0よりも明るいレンズがラインナップしているので、星景やキャンプの写真など暗い場所で撮影する際には試して見ると良いでしょう。合わせてボケを大きくする事もできるので、通常でも使いやすいレンズとなります。
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マイクロフォーサーズセンサーという事で、高感度性能は高いレベルにはありません。
作例はISO3200で撮影していますが、映像エンジンが強く介入して写真がややのっぺりとした印象になってしまっています。ノイズの許容範囲は人それぞれですが、フルサイズの画を見慣れたユーザーにはISO1600程度までが許容範囲になるのではないでしょうか。
マイクロフォーサーズにはフルサイズよりも安価に明るいレンズがラインナップされているので、暗所で撮影するならそういったレンズを用意しておく事をおすすめします。
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作例は25mmの焦点距離ながら開放F0.95と極端に明るいF値を持つフォクトレンダーのレンズで撮影しました。
F1.4でも一般的にはかなり明るいレンズと言えると思いますが、マイクロフォーサーズでボケを大きくしたければやはりF1.0よりも明るいレンズを使うのもおすすめです。
明るいレンズはISO感度を低く設定できるというメリットもあるので、Panasonic DC-G100Dを購入するなら明るい単焦点レンズを1本購入しておくのも良いでしょう。
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Panasonicは動画に強いミラーレスカメラとして人気のGHシリーズをラインナップするメーカーなので、動画画質も高いレベルにあります。
DC-G100Dも優れた映像エンジンのおかげで高画質な動画が撮れるカメラとなっていますが、GHシリーズなどと比べると画質やサイズ、フレームレートの自由度などに大きな差があるのがちょっと残念です。
作品づくりレベルは難しいかもしれませんが、優れた内蔵マイクやオートフォーカス、レンズをつかって誰でも気軽に高画質な動画が撮れるモデルとなっています。
G100とそのマイナーチェンジモデルとなるG100Dの主な違いは、電子ビューファインダー(EVF)が約236万ドットの有機EL(OLED)になった事と、USB-Cになった事です。
カメラらしいスタイルのG100DはEVFを使ってしっかりと構えてフレーミングをするケースも大いと思いますので、有機ELとなりEVFの視認性が上がった事は歓迎できる点だと思います。
又、現在普及率を着実に伸ばしているUSB-Cとなった事は、他の機器と同じケーブルでボディ内充電ができるなどメリットが大きそうです。
VLOGなど気軽に高画質な動画が撮りたいユーザーに向けた機種の代表格と言えばSONYのZVシリーズです。
ZV-E10はAPS-Cサイズセンサーを搭載したミドルグレードに位置する機種で、特に像面位相差を利用したオートフォーカスには定評があり、G100Dを凌駕していると言っていいでしょう。
G100Dの優れた点はカメラのみならずレンズも非常にコンパクトで、高性能な内蔵マイクと併せて気軽にコンパクトの撮影したいならG100Dを選択するのが正解かもしれません。
カメラと比較するよりスマホと比較する方が正しいのでは?と感じるくらいのコンパクトさはPanasonic G100Dの大きなメリットです。
このサイズで多彩なレンズを使って本格的な写真や動画撮影が可能なのですから、大きく重い一眼レフを担いでいた身からすると驚きです。特に気軽な動画撮影では外付けマイクがなくても聴きやすい音で録音ができるOZO Audioの存在も大きいでしょう。
サイズが小さい割にカメラらしいスタイルで操作感が良い点もポイントです。
少し残念だったのはG9ProIIに搭載されたオートフォーカスシステムが搭載されなかった事です。
同じでは無いまでも近い性能のAFができるカメラだったら、ミラーレスの入門機としてはかなりおすすめな魅力的な機種になっていたのではないでしょうか。
特に被写体認識オートフォーカスは、初心者にこそ嬉しい機能だと思います。
写真や動画表現をできるだけコンパクトなシステムで楽しむユーザーにおすすめの機種です。
スマホで写真を撮るのが普通になった昨今ですが、レンズを変えて表現として写真を楽しむのはスマホで撮るのとは違った満足や喜びがある気がします。
スマホで写真を撮るだけでは物足りない、そんな気持ちのユーザーにおすすめのカメラです。
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Photo & Text by フジヤカメラ 北原
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