居酒屋の注文、最初はツマミ的なものから頼もうみたいな暗黙のルールがあるけど、あれは何?初動からタコライスいこうとしたら「タコライスは締めで頼もう」という奇想天外なロジックで止められたんですが。
私は、締めという謎のしきたりにより居酒屋飯のラストばかりを担わされているタコライスを、ソース焼きそばを、お茶漬けを、ラーメンを、うどんを、焼きおにぎりを、序盤から思い切り食べたい。
腹ペコの胃袋に、のっけから容赦なき炭水化物をぶち込みたい。
なんなら序盤のみならず中盤も食べたいし、無論、終盤も食べたい。ひっきりなしに炭水化物を食べ続けたい。そのような考えが許される多様性に富んだ世の中であって欲しい。決めた。
今後、タコライスは締めで頼もうなどとぬかしてくる友人に対しては、「うん、締めでも頼もう」と微笑みながら問答無用で初手からタコライス。その後も生ビールを頼むかの如きペースでタコライス。タコライスに次ぐタコライス。サブリミナルなタコライス。お手拭きをもらうついでにタコライス。鑑賞用のタコライス。身体に塗る用のタコライス。けたたましいペースでタコライス。店内に溢れ返るタコライス。収拾がつかなくなるタコライス。高く積み上げられたタコライス。天井を突き破るタコライス。雲間を射抜くタコライス。しかし増え過ぎたタコライス。大気圏を覆い尽くすタコライス。二度と来ないサンライズ。滅びたヒューマンビーイングス。滅ぼしたのはタコライス。そこに現れたタコの奥さんタコワイフ。首はあるけどアゴ皆無。これはさすがにサプライズ
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