HISAKOブログHISAKOブログ
2021.08.03

僕はLGBTの「T」、トランスジェンダーです

僕はLGBT当事者です。

体は女性として生まれましたが
心はずっと男性でした。
恋愛対象は女性です。

中学生のとき、
「自分ってなんなんだろう」
「自分の将来はどうなるんだろう」
「自分は頭がおかしいのかな」
と、ずっと悩んでいました。

家族、友人へのカミングアウト、就職・・・
どれも簡単なものではありませんでした。

とくに母の理解を得るのは
とてもたいへんでした。
それでも母と根気強く向き合いました。

ありがたいことに
周囲の人たちにとても恵まれ
最終的には、そのままの僕をみんなが
受け入れてくれました。

性同一性障害と診断され、
タイで性別適合手術を受け、
戸籍を男性に変えました。

現在は心も体も男性として生きています。
会社員(営業マン)として働き、
会社には、社長と上層部のみにカミングアウトし、
それ以外は誰にも言わずにいます。

昨年、
身体的性と自分で認識している性が一致していて
かつ、異性を愛する
LGBTではない女性と結婚しました。

僕には精子を作る能力がないため
父から精子を提供してもらい、
セルフ人工授精(シリンジ法)をして子作りをしました。

そして2021年7月、子どもが生まれました。
今とても幸せです。

LGBT当事者として、
同じように悩んでいる中学生、高校生に
伝えたいです。

今は、自分の将来に対して
自分自身に対してもすごく不安だと思います。

〝普通〟ってなんだろう・・・
って思うこともあると思います。
僕もずーっと悩んでいました。

けど、声を大にして言いたいです!

あなたは何もおかしくない!
あなたも〝普通〟なんです!
あなたも必ず幸せになれます!

僕も性同一性障害ということで、
辛いこと、苦しいこと、今までいっぱいありましたが
今はすごく幸せです。
たまに自分がトランスジェンダーだったことを
忘れるぐらい(笑)

生まれてきてくれた子どもに
どのタイミングでカミングアウトをすべきなのか
さまざまな不安はありますが・・・

あなたは1人じゃない!
あなたの味方はいっぱいいる!

一緒に乗り越えていきましょう!

↑↑↑

L(レズビアン)
女性の同性愛者

G(ゲイ)
男性の同性愛者

B(バイセクシャル)
男性・女性どちらにも魅力を感じる両性愛者

T(トランスジェンダー)
生まれた時の性別と自分で認識している性別が異なる人

LGBTとはいっても、
そのパターンは個人の数だけあり
さまざまです。

性別に対する意識が
男性でも女性でも、どちらでもないと
感じる人たち。

見た目と気持ちの性別は一致しているけど
体の性別は一致しておらず
男装、女装を好む人たち。

見た目と体の性は一致しているけど
気持ちの性は一致しない人たちは
積極的に手術や服装を変えたりしません。

トランスジェンダーで、かつ
恋愛対象が同性愛なのか異性愛なのか
という性的指向のも人それぞれだったりして
一概にくくれません。

従来、『性別』というと、

『男性or女性』

二極で考えられていましたが

近年の研究では
実は性別というのは二極ではなく
グラデーションの世界だと言われています。

男性⇆女性

だんだん女性に近づいていく・・・
女性よりの男性、
典型的男性、
などなど

性別グラデーションの中の
どの位置に自分は存在するのか?

その多様性とは限りなくたくさんのパターン、
たくさんの個性が存在することが
明らかにされています。

また、
『トランスジェンダー=性同一性障害』
と考えられがちですが
これも厳密には違います。

トランスジェンダーには、先述のように
身体の手術(性の適合)を
望まない人もいます。

一方で、性同一性障害では
自分の身体の性別と自分の気持ちの性別が異なる
という点ではトランスジェンダーと同じでも、

性自認と異なる自身の身体に対する
違和感や嫌悪が極端で
性の適合を強く願う状態の人たちに向けての
医学的診断名となります。

以前、web相談で
トランスジェンダーのカップルと
お話したことがあります。

1人は、
見た目はとてもボーイッシュでかなり男性寄り。
自分の認識している性別は男性ですが
生物学的な身体の性別は女性。
そして恋愛対象は、女性でした。
(トランスジェンダー)

もう1人は、
見た目、とてもかわいらしい女性。
自分の認識している性別も女性。
生物学的な身体の性別も女性。
そして恋愛対象は、男性。
(大多数の人がこちらですよね)

2人とも身体的性別は女性なので、
物理的に子どもを授かることはできませんが、
養子縁組、もしくは精子提供などの方法で
2人で力を合わせて
幸せな家庭を築き、子育てがしたいとおっしゃっていました。

もしも妻が妊娠したとき
僕は夫として
彼女に何をあげられるだろうか・・・

という、
世の中の夫たちに聞かせたいような
思いやりに溢れた相談をしてくれた
本当に素敵なカップルでした。

世間の風当たりは
決して穏やかではないけれど、

今、自分たちはとても幸せだと
笑顔いっぱいで話してくださったのが
とても印象的でした。

現在、日本では
LGBTは20人に1人の割合で存在します。

中学校、高校に『いのちの授業』に行くと
どこの学校も例外なく
LGBT当事者からこっそり相談を受けます。

それぞれが葛藤しています。
自分は異常なんだろうか・・・って
誰にも相談できずに苦しんでいる彼らと話していると
LGBTは決して遠い世界の話ではないのを痛感します。
本当に、あなたのすぐそばの人の話かもしれないのです。

LGBTの理解や議論は
少しずつですが進んでいます。

性的マイノリティに対する
周囲の人たちの偏見や思い込み、
間違った理解や決めつけに苦しむ人たちの
多様性が広く受け入れられるようになると
いいなと思います。

どんなセクシャリティであろうとも
みんな一生懸命に生きていることに変わりなく

同性だろうと異性だろうと
誰かを愛し、幸せになりたい
そして幸せにしたいって
思う気持ちは間違いなく素敵です!

一覧に戻る

人気記事

2023.03.06

お菓子のレイ

2021.04.15

あれ?抜けないぞ?

2021.06.04

母乳育児は痩せるのか?

2023.07.08

助産師HISAKOの目指すこと

2023.01.26

インスタグラムに挑戦!