兄への色々な思いを断ち切るために書く。身バレあるかも。
兄のことが大好きだった。
2つ年上の兄は優しくて面白く、私はいつも兄の真似をしていた。兄が好きな漫画を真似して読んだり、中学で兄が生徒会をやっていたので私も生徒会に入った。
兄にはコンプレックスがあり、周りからけっこう舐められることも多かったと思う。何より兄は何者かになりたいという思いからか、色々なものに影響を受けていた。
柔道、ダンス、野球、バスケ、いろんなスポーツをやっては続かなかったり、消防士や銀行員、研究者など将来の夢もコロコロ変わった。今思えば、あの人にはアイデンティティというか、軸がなかった。親は兄の習い事の送り迎えもしたし、コロコロ変わる夢のためにいろんなアドバイスをしていた。
余談だが、一方で私は兄の影響で少年漫画にハマりオタクになった。
ピアスを開け髪を赤毛に染め、制服を着崩したりして生徒指導の先生に怒られたことを鼻高々に語っていた。高1の冬にはとうとう金髪になった。イキって飲酒もしていた。
少し話は変わるが、うちの父親は癖が強い。今は丸くなったが昔はかなりやばかった。
ギャンブラーで近所のパチ屋に一日中篭っていたし、モラハラ発言するし、家事もやらない。母が兄を妊娠中は浮気もしていて浮気相手を孕ませ、子供をおろさせたらしい。趣味のとあるスポーツをテレビで観戦をしているときは熱中するあまりものすごくうるさくて、家族みんなが他の番組を見たいと訴えた際はテレビを破壊した。
なので今も私はスポーツ観戦そのものとそのスポーツに苦手意識がある。年の離れた妹も同じだと言っていた。
父と母はよく喧嘩していた。今でも、私と兄がレゴで遊んでいる時に母と父の怒号が聞こえてきたあの瞬間を鮮明に思い出すことができる。
話を戻すが、そんな父への失望もあってか兄の反抗は主に父に向かった。父はビビっており何も言わない。我関せずを貫く。
高2になり、大学生になり、兄はどんどんおかしくなっていった。
母に借金をして自動車学校に通ったりパソコンを買ったりしたが金を返さない。私も飲み会があるとかで貸した1万は2年経っても戻ってこなかった。
私が高2の頃、兄は金を返してほしいと訴える母を殴るようになった。
忘れもしない。修学旅行のホテルで友達とお喋りしている時、ふと見たLINEに母から「殴られて2メートルくらい吹っ飛んだ」のメッセージがあり、背筋が凍ったことを。
彼女ができた兄は深夜ずっと彼女と電話をしていた。隣の部屋の私はその声がうるさくて寝られず、高3の夏に受験のストレスも重なり固形物が食べられなくなり、とうとう学校で過呼吸を起こした。その後スクールカウンセラーと面談したりもした。
深夜に爆音でギターを弾いたり、下ネタで申し訳ないがシコッた後のティッシュをリビングに放置していく(これはシンプルにエチケット的に最悪)。TENGAなどのそういうアイテムもリビングに放置(普通ではないよね?)。家族での食卓でスマホで爆音でかなりグロい戦争映画を見る。自室にカップラーメンの汁をこぼし放置しGが大量に発生。
最終的に当時小学生の妹が普通にテレビを見てくつろいでいる時、妹を思いきり腹パンした。
私が過呼吸を起こした直後その事件があり、夏の終わりにとうとうキレた。もう我慢の限界だった。兄の機嫌を損ねることのないようビクビクするのも、勉強したいのにできないのも、寝たいのに寝れないのも、兄を家に一人残すのは不安だからと母に出かけるのを咎められたりするのも、妹の安全を守るために気を張るのも、もう無理だった。
私も兄に殴られた。胸元に大きな傷やアザができた。暴言をたくさん吐かれた。もちろん私も暴言を吐いたし、兄を罵った。
それから何度も何度も心の中で唱えた。大好きな兄は死んだ。優しくて面白かった兄は死んだ。今目の前にいる人間は他人。何故か居候してるヤバいモラハラ男。
やがて兄は秋に1年間留学に行き、私たち家族はつかの間だが解放された。この1年間は本当に楽しかった。おかげで受験も受かった。ただ兄が留学先に提出するうんたらで機械に疎い母に手伝って欲しいと言われた時、兄が電話口で「俺たち家族だろ!?」と言った時はすさまじく腹が立った。
しかし楽しい日々にも終わりは来る。兄が帰ってきた。また元の暮らしに戻った。兄という爆弾を抱えた家族が着火しないようビクビクしながら過ごす毎日。
私は兄を嫌い、兄は私と目を合わせる度に大きな声で「死ね!」と言った。私は成人している人間が何故そんな幼稚で人権意識のない発言をするのか理解できず嫌悪した。
私はこの間さまざまなことを考えた。兄の時代遅れな「お前は女なんだから将来は働かなくても云々」の言葉に反抗し資格の取れる学部に進んだ。一人でも生きていける人間になろうと思った。暴力を正当化してはいけないと人権意識が育まれた。16で飲酒をしていたイキった兄を見て法律や社会的秩序を守ろうとする意識が生まれた。
兄が大好きでいつも兄の真似をしていた幼少期とうって変わって、兄が大嫌いで兄を否定するために逆の生き方をした。兄が好きなものは私は大嫌いだったし、兄が嫌うものを私は好むようになった。兄と縁を切りたくて仕方なくて縁切り神社を毎日調べ、観光地で必ず神社に寄り兄の死を祈り、兄がなるべく苦しんで死ぬように願い、兄が死んだらどれだけ嬉しいことかと妄想した。
週に3〜4回くらい兄の夢を見た。兄に首を絞められる夢、仲直りしている夢、兄を殴る夢、仲直りしようと言われて断る夢。当時の日記帳はほぼ兄の悪口で埋まっている。
私と兄がお互いに無視をし合いまさに一触即発の家庭。母や父、妹には申し訳ないが私は妹を腹パンした兄を許せなかった。
兄は今、家を出て一人暮らししている。
2年ほど前はDV彼女と同棲しDV勝負に負け、よく怪我をして実家に戻ってきた。その度に母が気を使って金を渡していたが、母いわく「俺は母親から何もしてもらっていない。放置されていた。虐待だ。」と周りに話しているらしい。
色々あったが大学院に進学し、しかし卒論が出せず大学院2年生の春休みに中退した。今フリーターらしい。
私は今社会人で、兄のことなんて考える余裕もなく暮らしている。
だが、最近兄のことをよく思い出す。もう顔もうっすらしか覚えてないし声も思い出せないが、多分同僚の親が亡くなって兄弟で話し合いをしているという話を聞いて、うちはこれからどうなるんだろうという不安からだと思う。
兄に死んでほしい。いなくなってほしい。最初からいなかったことになってほしい。
私の中で縁を切った人間だけど、血の繋がりはなくせない。だからきっといつか会わなければならない時が来る。憂鬱だ。
もしこれを兄が読んでいるとしたらこれだけ言わせてくれ。兄よ、私はお前を心の底から嫌っている。暴力をふるったお前を許さない。家庭をぐちゃぐちゃにしたお前を許さない。だから消えてほしい。この世からも、私の中からも消えてくれ。私はそれを望んでいる。
半分くらいで読むの挫折したけど俺みたいなチー牛で童貞よりもお前の兄の方がよっぽど良い人生送ってるじゃん。現に俺は彼女居たこと無いけどお前の兄は彼女居たんだしそれだけ魅...
大変だろうとは思うけど、「殴られて2メートルくらい吹っ飛んだ」はなんか面白くて笑ってしまった 衝撃を殺すために自分で飛んでないか
ひどいなそりゃ、同情するわ。 でも一点だけ。TENGA はおしゃれデザインだから置物としても使えるよ。よく雑誌にもそう書いてある。 だから TENGA のことだけは悪く言わないでくれ。
その一点が気になった(TENGAだけに) みたいな
もっとエッチな話かと思ったのに。