TBSのバラエティ番組『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』に「CGで消された」として、捏造による被害を訴えた顔相鑑定士の池袋絵意知氏が、改めてブログを更新。同局を代表して頭を下げた江藤愛アナウンサーに対し、同情的な思いを綴った。



 先月19日放送のクイズ企画に回答者として出演した池袋氏は、放送後に自身のブログでヤラセを告発。池袋氏が不正解し、途中で“脱落”したように見せるため、編集段階で姿をCGで消されるなどの捏造があったと訴えた。

 これを受け、17日の放送の終盤、江藤アナが1人で登場。カメラに向かって「6月19日放送の『双子見極めダービー』の中で、出演者の方からご指摘いただいた収録の順番やルール変更のいきさつは、演出の一環のつもりでしたが、事前の説明や了解を得ることなく画像を加工し、行き過ぎた編集がありました。池袋絵意知氏および視聴者の皆様に深くお詫びいたします」と頭を下げた。

 この放送を見ていた池袋氏は、18日のブログで「江藤愛さんが謝罪する形で、自分のせいでこうなって自分が悪いことをしているかのような錯覚に」と明かし、江藤に謝らせたTBSの意図を「女子アナに謝らせて同情を買う意味もあるのだと思います」と分析。
さらに、「この番組は被害者が多いですが、江藤愛さんも被害者です。レギュラー出演者のバナナマン(設楽統さん、日村勇紀さん)、ウエンツ瑛士さんも被害者です。こんなものを見せられる視聴者も被害者です。番組スポンサー各社も被害者です」と綴った。

「そもそも、事前の説明や了解を得れば、事実を改ざんしてもいいという理屈は、倫理上通らない。江藤アナが読んだ謝罪原稿をうかがう限り、番組サイドが反省している様子は感じられず、むしろテレビ業界の傲慢体質が露呈した印象」(テレビ誌記者)

 さらに19日のブログで、池袋氏は「バラエティの編集ごときで大げさに」という内容の誹謗中傷メールが届いていることを明かし、「後からいくらお詫びや訂正があっても、それを見ない人はその報道・放送されたものをずっと事実だと認識したままです」「テレビ業界の浄化のために番組制作関係者には本当のことを話してほしいです」と綴っており、謝罪をもってこの問題が終わったわけではないとしている。


 なお、BPO(放送倫理・番組向上機構)は8日、同件について審議入りを決定したとホームページ上で報告。今後、TBSや制作会社などにヒアリングを行うという。

「2013年に『ほこ×たて』(フジテレビ系)のヤラセ事件が社会問題化したが、『ピラミッド・ダービー』と『ほこ×たて』の総合演出は同一人物。ここまでの事件を起こした前科者にゴールデンの番組を任せ、案の定、同様の事件を起こしたTBSの責任が問われている。しかし、17日の放送のスタッフクレジットの筆頭には、相変わらずその人物の名前が表示されており、TBSが体制を見直す気は当面の間なさそう」(同)

 この番組に限らず、今や「ヤラセのTBS」と呼ばれるほど、疑惑の尽きない同局。この汚名は、この先も拭えなさそうだ。