大大将棋の基本ルール
大大将棋は現代に伝わっている部分が少ないため、あまり確かなことは言えません。盤面が大きくなってきたことに伴って、中将棋や大将棋とも異なる部分があるようなのですが確実性に欠けるようなので、ここではそういう部分に関しては両論併記とさせていただきます。
①配置の仕方
駒の配置は配置図を参照してください。左右非対称の配置となる部分が多いので、気をつけなければなりません。
②自陣と敵陣
説-1
盤面手前から6段目(歩兵の列)までが自陣であり、敵方の歩兵から向こう側が敵陣となります。従って犬は陣外に配置されていることになります。
説-2
配置について何ら変わるわけではありませんが、どこからが自陣でどこからが敵陣かという考え方はありません。
③駒の動かし方
先手・後手交互に一手ずつ動かしていきます。ほとんどの駒は一手で一回しか動かせません。ちなみに一歩進むのも遠くまで走るのも、駒を飛び越すのも一回は一回です。
例外として獅子や狛犬のように一手で二回以上動かすことが可能な駒が存在します。またこれらの駒に共通して可能な「じっと」も、動かしてはいませんが一手と勘定します。
④駒が動かせる場所
一つのマスには一つの駒しか存在できません。従って自分の駒が動かせるのは、何もないマスか、敵の駒があるマスです。何もないマスは何事もなく進めます。敵の駒があるマスに進む場合は、その駒を取る形になります。味方の駒があるマスには進めません。
⑤勝ち負け
王将を取れば(詰ませれば)勝ちです。大大将棋では酔象(及びその成り駒である太子)が存在しませんので、王将が取られると負けとなります。
なお中将棋では、相手が王手に気づかずに一手進めてしまった場合、次の自分の手番で相手の王将を立て、「失礼しました」と言えば勝ちになります。おそらく大大将棋にも同様のことが言えると考えられます。
⑥取った駒について
現代将棋では取った敵の駒は持ち駒になり、いつでも自分の手番で盤面に打ち込むことが可能ですが、大大将棋では取った駒は使えません。取り捨てと言います。
⑦成りについて
説-1(自陣・敵陣の概念がある場合)
敵陣に達した駒は成ることができます。強制ではありませんので、不成りでいることも可能です。但し不成りを選択した駒が成りたい場合は、次の条件のいずれかが必要となります。
1.敵陣から出て、もう一度入り直す。
2.敵陣内、あるいは敵陣から出つつ敵の駒を取る。
従って、現代将棋で認められている「引き成り」(敵陣内にいる駒が、何も取らず敵陣外に出つつ成ること)は認められません。
また後方へ引けない駒が敵陣の最上段まで達してしまった場合、その駒はそこに放置されることになります。これを不行駒(いかずごま)と言い、自分ではもはやどうしようもなくなります。敵方はその駒を取ることができるので、敵に取られるまでは盤の上に居続けることになります。なお現代将棋では強制的に成りますが、大大将棋ではそれはありません。
なお、一度成った駒が元に戻ることはありません。
説-2(自陣・敵陣の概念がない場合)
敵の駒を取ることにより、成ります。この時、成りは強制であり、不成りを選ぶことはできません。また一度成った駒が元に戻ることもありません。
⑧「待った」の禁止
現代将棋でも同じことですが、相手が指した一手を元に戻してもらう「待った」はできません。
⑨お手つき
一度触れた駒は必ず動かさなければなりません。従って手を考えている時は、駒に触れないようにすることが大切です。
⑩千日手について
同じ局面が繰り返される(3回以上)ことを千日手と言います。4回目からは、その局面を仕掛けた側が手を変えなければなりません。
⑪持将棋について
大大将棋では取った駒が取り捨てとなるため、盤上から駒がなくなりすぎて勝負がつかなくなることがあります。これを持将棋といい、引き分けとなります。