加齢による衰えのひとつと片付けられがちな「頻尿」。しかし、トシのせいにして放っておくと、あなたの健康を脅かすことになるかもしれない。
「取引先におわびに伺ったときに、尿意が我慢できなくなり中座。普通であれば生理現象だからと許されるんでしょうが、場合が場合なだけに不誠実と映ったみたいで上司にも散々怒られてしまいました」
こう語るのは、商社に勤める山田直弥さん(55)=仮名。1年ほど前から仕事中や食事中、酒席でもトイレに立つことが多くなり、ここ1、2カ月は、日中に7、8回、就寝中にも必ずトイレに起きるようなっていた。
どうせトシのせいだからと病院に行くことは考えていなかったが、睡眠不足による疲れや前述のような中座によるストレスを感じるようになり専門医のもとに足を運んだ。
「トイレに行く回数が多いだけなのでわざわざ病院に行くほどでもないと考え、来院しない方が多くいらっしゃいます。ただ、就寝中にトイレに起きれば当然寝不足になりますし、取引相手との商談を中座することが常になると、貴重な時間を無駄にさせてしまって悪いという気持ちが緊張感を増幅させ、さらに頻尿になってしまうこともあります」
こう語るのは、東京都目黒区の学芸大学駅近くにある五本木クリニックの桑満おさむ院長。
「日中ですと2時間が目安で、1日8回以上、就寝中に2回以上トイレに行くようでしたら頻尿といっていいでしょう。ただし、原因が水分の取り過ぎということもありますし、トイレに行くのが癖になってしまっているケースもあります。まずは自分の生活を省みてください」(桑満院長)