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この作品「step by step #2」は「プリティーリズム」「プリティーリズム・レインボーライブ」等のタグがつけられた作品です。
step by step #2/たむねこの小説

step by step #2

1,531文字3分

9月の中旬。大学生へ進学したいとさんはコウジ君とのデートの帰りに二人で書店へ立ち寄りました。コウジ君が会計を済ませる間に、いとさんが手にしたのは北海道の風景が納められた写真集。
「綺麗な空だね… 行ってみたいなぁ」
写真集を覗き込んだコウジ君のその一言から始まる数日間の物語。

step by stepシリーズ novel/series/396978
全体が結構長くなりそうでしたので分割掲載です。

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コウジと二人っきりの北海道旅行。

デート帰りに二人で書店へ立ち寄った時に手に取った風景写真集に、北海道の綺麗な風景が掲載されていた。 それをコウジと二人で見ているうちに「綺麗な空だね… 行ってみたいなぁ」「じゃぁ行ってみる?」「そうだね。行こうか、いとちゃん」という流れであっという間に決まった旅行だけど、それですぐに北海道へ行ける訳でもなく。

スケジュールやお金は大丈夫だけど、問題が幾つかあった。 旅行へ行く事は、ママへ相談すると許可が出た。 もちろんパパにも話さなければならないけど「パパが上に上がってきたら先にママから話すから、いとは部屋で待ってなさい」と言われている。 今は、パパが仕事を終えて地下から上がってくるのを待ちながら、旅行についてお互いの現状を確認するために電話をしている所。

「…うん、判った。それじゃ今日話した内容を明日メールするから確認して」
「了解。飛行機もホテルも予約を任せる事になってしまってゴメンね、いとちゃん」
「気にしないで。コウジはスケジュール調整で大変なんだし」
「ありがとう。じゃお休み、いとちゃん」
「うん、お休みコウジ」

スマショを置いて、走り書きしたメモを見た。

《うちは2泊の許可が出た》
《コウジのママ、OK出た》
《お金は大丈夫》
《観光名所を巡りたい訳では無い。あたしが見た牧場や草原などを見たい》
《平日の方が人が少なくていい》
《コウジ、スケジュール確認は明日。日程はその後に決める。だけど今月中に行きたい》
《ツアーパックは使わない。コウジ免許持ってない。電車とバスを使う》
《飛行機とホテルはあたしが予約する》

重要なポイントは押さえた。押さえたけど、
(ホテルの部屋の事を聞かれなかった…)
コウジはどういうつもりなんだろう?
あたし達はその…恋人同士なんだし、一緒の部屋に泊まるのが自然だとコウジは考えて居るかもしれないけど、でも初めてなんだよ? それとも別部屋だと考えてる? コウジから何か気の利いた事を言って欲しい訳じゃないけど、何も気にする様子が無い事が気になってしまう。 

気付いたら、ペン先でメモ用紙をコツコツと突いていた。
(あたし、苛立っているのかもしれない)
ペンを置いて、意識して深呼吸をする。
「何を一人で焦っているんだろう、あたし」
深く息を吐きながら天井を見上げていると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「いと、まだ起きてる?」
「あ、起きてる。起きてるよ」
「リビングへいらっしゃい。パパ、帰ってきてるから」
そうだ。パパへ旅行の事を話さないと。

慌ててリビングへ向かうと、パパがテーブルに付いて座っていて、そばにママが立っていた。パパはライブハウスのドアの鍵を手の中でカチャカチャと転がしながら、少し苦い顔をしていた。 あたしと眼を合わせてくれない。
「パパ…相談したい事があるんだけど」
「…」
「あの、旅行へ行きたいんだ。それで、そ」
「いと」
「…はい」
「話はママから聞いてる。ママとの約束、守れるな?」
「うん」
少しだけ間が開いて、それからパパがため息を付いた。
「気をつけて行くんだぞ。俺はシャワー浴びてくるわ」
そう言ってからパパは席を立ってリビングを出ていった。
「大丈夫よ、いと。パパも判ってくれる。パパ、今は少し寂しいだけだから」
もしかしてパパは怒っている?と不安に思った時、ママがそう言った。
パパが出て行ったドアを少しの間、見つめて、
(…ありがとう、パパ)
そう、そっと呟いた。


- 続く -

コメント

  • なつめ

    次も楽しみです! よろしくお願いします~

    2014年6月3日
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