能登半島地震と同じ“最大震度7”の揺れを観測した熊本地震では震災関連死のほとんどが「高齢」で「持病」があったことが分かっていて、石川県でも災害時要配慮者への対応が求められています。
能登半島地震の被災地では避難の長期化に伴い、水やトイレの不足による衛生環境の悪化などから、石川県では希望する要配慮者から優先的に移動してもらうことにしています。
能登半島地震と同じ最大震度7の揺れを観測した2016年の熊本地震では熊本県内で273人が亡くなっていて、震災関連死と認定されたのは218人です。そのうち70代以上が169人と約8割を占めました。(※直接死50人、関連死218人、2か月後の豪雨被災で関連認定5人)
特徴としては病気をした、あるいは治療中だった人、要介護認定を受けていた人があわせて約9割と高くなっています。(※既往症・薬服用・要介護 計190人 87.2%)
主な死因では肺炎や気管支炎など「呼吸器系の疾患」や心不全、くも膜下出血などの「循環器系の疾患」がそれぞれ3割近くに上りました。(※呼吸器系疾患63人28.928%、循環器系疾患60人27.5%)
また、被災から3か月以内に亡くなった人が177人と全体の8割を占めています。
熊本県はこの結果について、「持病のある人などが慣れない避難所やストレスで体調を悪化させたのではないか」とみていて、「体調に不安がある人は速やかに福祉避難所などを利用して身を守ることが重要」としています。