前田晃平

こども家庭庁専門官。前職 : 認定NPO法人フローレンス代表室長、株式会社リクルートホ…

前田晃平

こども家庭庁専門官。前職 : 認定NPO法人フローレンス代表室長、株式会社リクルートホールディングス新規事業開発室PM。政府「こども政策の推進に係る有識者会議」臨時委員。著書『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ』▶︎http://amzn.to/2QTNtCn

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Best 12 / よく読まれている私の記事

こんにちは!前田晃平です。 現在、内閣官房こども家庭庁設立準備室(2023年4月にこども家庭庁になる予定の組織)で働いています。仕事の中で見えてきた社会問題に関する気付きや、アイデアを日々noteにまとめています。 (自己紹介noteもあるので、ぜひご笑覧ください ↓ ) 今回のエントリでは、これまでアップしていった記事の中で特に皆さまから多く反響をいただいた記事 Best 12をまとめてみました。 ランキングは、皆さまからいただいた「スキ」の数を基調としつつ、ビュー

    • スウェーデンが、先進国で最悪の「強姦大国」である理由

      現在、行政官として性暴力と対峙しています。どうすれば性暴力を社会から一掃できるのか、考える毎日です。そして私はものを考えるとき、まず他の事例を調べにいきます。ビジネスパーソンをやっていたときの習慣です。 性暴力対策の先進的な事例としてしばしば引き合いに出されるのは、欧米諸国のものです。そこで、公開されている情報から、その実態を調査していました。 そこで、意外なデータに直面します。国連等による調査(※1)よれば、概して、欧米は強姦事件(Rape)の発生率が相対的に高いのです

      • 男性育休は「カーブカット効果」で考えるのだ。運も実力のうち、で片付けてはいけないこと

        カーブカット効果、という概念をご存じでしょうか。ちなみに、私はつい最近まで知りませんでした (キリッ 名著『これからの「社会の変え方」を、探しにいこう』で、この言葉に出会いました。 もし本稿で興味を持ってくださった方は、詳細はぜひ本書で学んでいただくとして、誤解を恐れずに簡潔に「カーブカット効果」を説明すると、「特定の問題で困っている人のための支援が、結果的に、社会のより広い人々にとって良い効果をもたらすこと」という感じです。 ことの発端は、1970年代の米国での出来事

        • 若者が選挙に行く理由がない件について

          参議院選挙が、終わりました。 結果について、思うところは山ほどあります。しかし、公務員という立場上、そこに言及するわけにいかないので、それは傍におき、今回はタイトルの件について語らせてください。 選挙になると、毎回毎回、必ず、あらゆる手段と表現で発信されることがありますよね。「若者よ、選挙に行け」です。 逆張りで、こんな動画も出たりして。 なんでこんなに、世間が若者を選挙にいかせようと躍起になっているかというと、実際に、若者の投票率が低いからです。他の世代と比べても一

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          霞ヶ関の「よそ者、若者、ばか者」へ

          7月1日から、認定NPO法人フローレンスを退職し、内閣官房こども家庭庁設立準備室に国家公務員として勤務することになりました。来年4月には、こども家庭庁になる組織です。 ミッションは2つです。これまでフローレンスが政策提言してきた、保育・教育現場での性暴力を根絶するための「日本版DBS」法案をつくること。そしてもう一つは、働き方改革です。 これを2年間でやりきって、フローレンスに戻り、再び民間の立場から親子の笑顔をさまたげる社会問題の解決に全力を注ぐ予定です(ミッションベー

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          【動画・講演資料あり】 「無犯罪証明書」制度(日本版DBS)について、日本記者クラブで講演しました

          こども家庭庁が、注目を集めています。 この新組織の根拠法となる「こども家庭庁設置法案」は、今国会の重要広範議案(今国会における最重要法案のひとつに位置付けられている議案のこと)です。 そんなこども家庭庁は、来年4月に発足予定。そして、この組織からまず提出されるであろう注目の政策が、 「無犯罪証明書」制度(日本版DBS)です。今国会の岸田総理の施政方針演説でも言及されており、政府の本気度がうかがえます。 そして、大変光栄なことに、日本記者クラブにて、この「無犯罪証明書」制

          【動画・講演資料あり】 「無犯罪証明書」制度(日本版DBS)について、日本記者クラブで講演しました

          子どもたちが勇気を振り絞って、性暴力の被害を証言しても、加害者が起訴すらされない件について

          タイトルだけで目眩がしている方も多いと思うのですが(私もです)、しかし、重要な話なので、ぜひ、ひとりでも多くの方に読んでいただきたいです。超、拡散希望です。 子どもたちへの性暴力事件の中には、たとえ発覚しても、親たちが声をあげても、被害当事者の幼い子どもたちが勇気を振り絞り、法律で定められた手続きに則って被害を証言したとしても、加害者を起訴すらできないものがある、という話です。 ◆ 私の友人の小学生の娘さん(Aちゃん)は、小学校3年生の時に担任教師から性暴力を受けていま

          子どもたちが勇気を振り絞って、性暴力の被害を証言しても、加害者が起訴すらされない件について

          人類史上、最も孤独な母親たち

          まただ。正視に耐えない事件が起こってしまった。 当時の母親の状況を想像するだけで、息が詰まる。でも、不可解じゃない。赤ちゃんによってかなり個人差はあるけれど、例えばうちの娘は、産後しばらく全然眠ってくれなかった。毎晩、何度も、金切り声で叩き起こされていた時期は、夫婦揃って精神不安定になってしまった。もし自分がワンオペで、しかも、あと二人小さな子どもを抱えていたらと想像すると、自分が同じ過ちを犯してしまう可能性は、正直、ゼロだとはいい切れない。 こんな極限状態を指して「自分

          人類史上、最も孤独な母親たち

          当事者の役割と、当事者でない人の役割

          先日、大変光栄なことに、ツムラの #OneMoreChoice プロジェクトに関わらせていただく機会がありました。 女性の不調に、我慢に代わる選択肢を。女性が、心身の不調を無理に我慢することなく、いつでも心地よく生きられるように。100年以上、女性の不調に寄り添ってきたツムラが、健やかな社会のあり方を考えます。 基本的に、女性の「我慢」にスポットライトを当てた素敵な企画ですが、男性だって日常的に(めっちゃ)我慢しているわけで、ぜひその視点も、ということで、お声がけいただい

          当事者の役割と、当事者でない人の役割

          勉強ができなくて「俺、バカだからさ」と笑っていた、あの頃の僕へ

          僕は、学校が好きじゃかった。小学校から高校まで、ずっとだ。なぜかって、勉強が嫌いだったからだ。体育や部活動など、楽しみな時間はあったけれど、教室で先生の話を聞いている時間が圧倒的に長いのが学校だ。ずっとお経を聞いている気分だった。でも、それだけならまだマシだ。ぼんやり外を眺めていれば、時間は過ぎていく。本当に嫌だったのは、自分が友達と比べて、勉強ができないことを否応なく自覚させられることだ。授業中、先生からふいに質問されることがあっても、大抵、答えられない。そうすると、他の友

          勉強ができなくて「俺、バカだからさ」と笑っていた、あの頃の僕へ

          妻と娘が交通事故にあいまして

          本当に、一瞬の出来事でした。なんの変哲もない、近所にある交差点。別に見晴らしが悪いとか、そんなことは何ひとつない場所。青信号の横断歩道を、妻が娘をのせた自転車で渡っていました。私も自転車で、二人に続いていました。向かいから車が右折してくるのは目に入っていました。しかし、様子がおかしい。減速しない。止まらない。「ヤバイ」と思った時には手遅れで、車は、妻と娘を乗せた自転車と衝突。二人は自転車ごと横転しました。 変な形にひしゃげた自転車と、顔を歪めてうずくまる妻。悲鳴のような鳴き

          妻と娘が交通事故にあいまして

          子ども達を、性暴力から守りたい。今、私たち大人にできること。 『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ』 第五章、全文公開

          こんにちは。認定NPO法人フローレンスの前田晃平と申します。 11月20日(土)、TBSの『報道特集』で、保育・教育現場での性暴力に関する特集が組まれ、その対策としての「日本版DBS」が紹介されています。私たちフローレンスは、政治・行政に対し、昨年よりこの政策提言を続けてきました。その様子を、当番組に密着取材してもらっていたのです。ついに放映され、感無量です。 ただ、放映された通り、子どもたちを性暴力から守るための「日本版DBS」が実現するかどうかは、現在、瀬戸際にあると

          子ども達を、性暴力から守りたい。今、私たち大人にできること。 『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ』 第五章、全文公開

          妻よりお給料が少ない僕は、恥ずかしい夫だろうか

          妻が、管理職に昇進した。 これは、私たち夫婦にとって、とても嬉しいことだった。娘が生まれて以来、夫婦で試行錯誤しながら、喧嘩と議論を繰り返しながら、どうにか家事育児と仕事を両立してきた。正社員とはいえ、同僚たちより遥かに早く業務を終えなければならない妻は、悩んでいた。どうすれば、より短い時間で価値発揮できるか、ずっと考えていたのだ。娘を寝かしつけた後に、お互いに仕事の相談をするのが日課になっていた。 そんなわけなので、別に昇進が目的ではないのだけれど、その仕事ぶりが会社か

          妻よりお給料が少ない僕は、恥ずかしい夫だろうか

          「男女差別がなくなると、少子化も改善するよ」というデータを示すと、なぜ反論(クソリプ含む)が押し寄せるのか?

          先日「ジェンダーギャップが縮まるほど出生率が上がるよ」と、ツイートをしたところ、たくさん「いいね」をもらいました。でも、「いいね」だけじゃなくて、反論( クソリプ含む😇 )も押し寄せてきました。 「せめて、文字を読んでから反論してください😢」というようなレスも多い中、確かに、これは丁寧に説明すべきだなと思うものもありました。 例えば「女性の社会進出が進んでいない明治とか大正の方が、女性はたくさん子どもを産んでいただろ」とか「現代の日本でも、現役世代の女性の社会進出が進むと

          「男女差別がなくなると、少子化も改善するよ」というデータを示すと、なぜ反論(クソリプ含む)が押し寄せるのか?

          少子化対策、どうすりゃいいの。現金 VS 現物! 親子の生活に貢献できるのはどっち?

          少子化の加速が、止まりません。2020年の出生数は84.1万人と、戦後最少を更新。21年は、いよいよ80万人を割るかもしれません。 そんな日本の、これからの人口推移の予測はこんな感じ。富士急ハイランドのジェットコースターも真っ青🎢 画像参照元:拙著『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ』 ただ、私は「少子化」が悪いとは、これっぽっちも思っていません。社会にとって大切なのは、子どもが多いことじゃなくて、子どもが幸せなことだからです。 だから、少子化の議論をする時は、「な

          少子化対策、どうすりゃいいの。現金 VS 現物! 親子の生活に貢献できるのはどっち?

          父の日の物語

          母が亡くなったのは、私が16歳の時だった。 あの日のことは、きっと、一生忘れられない。5人目の弟の出産は大変な難産で、弟は無事に生まれたものの、母はその後、息を引き取った。 南北戦争を機に流行し始めたエンバーミング(遺体衛生保全)が施された母の遺体を前にして、生まれたばかりの弟は、わけもわからず、おっぱいを求めて、私の腕の中で泣いている。目の前では、冷たくなった母にすがりついて泣く4人の弟たち。5人の弟たちのそれぞれ個性ある泣き声に囲まれながら、私は、気丈であろうとしてい

          父の日の物語

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