「存命中の最も身長差がある二卵性双生児」としてギネスに認定 双子に密着
岡山市内に住んでいる双子、姉・菊池淑恵さんと妹・教恵さん。教恵さんは1分差で生まれたそう。しかし身長差は75cmと大きい。
1989年、菊地家の3番目、4番目の子どもとして生まれた2人。母・千代子さんは「生まれた時、身長が教恵は40cm、淑恵は48cmだったんです。8cm違いで。見るからにやっぱり小さい子で」と振り返る。
のちに分かった教恵さんの病名は先天性脊椎骨端異形成症。関節を動かす際に衝撃の負担を減らすなど、スムーズに動かす役割を持つ軟骨。その成分であるⅡ型コラーゲンの異常により発症する先天性疾患で、胴体や手足が短いなど、低身長となることが特徴。
「側弯(背骨のねじれ)があったり下肢変形があったり、骨が弱かったり、関節の節々が痛くなったりすることがよくあって」と教恵さん。それでも、学校側の協力を得て双子は同じ保育園、小学校へ。
教恵さんは運動会で走り、ダンスも出来たが、その一方で「好奇の目で見られるんだったら出ない方がいいとか、隠した方がいいのかなとか思ったり。出かけるのが怖いっていうのもありましたね」と振り返る。
こうして家で過ごすことが多くなった教恵さんだが、あるとき、身長54.6cm、2012年に世界一背が低いことでギネス世界記録に認定された男性 ネパール人のチャンドラ・バハドゥール・ダンギさんの映像に衝撃を受ける。ありのままの自分で明るく暮らす彼にショックを受け、勇気ももらったという。そして外出も増えた。
さらに、最も背の低い女性 インドに暮らすジョティーさんもギネス世界記録認定を受けた。
自分よりも20cmも小さい人たちが明るく元気に暮らしていることに衝撃を受けた教恵さんには、ギネス・ワールド・レコーズに載りたいという思いが。
「私たちは双子だというのをひらめきまして、それだったら身長差でいけるんじゃないかって思いました」と、身長差75cmの淑恵さん・教恵さんは、「存命中の最も身長差がある二卵性双生児」としてギネス世界記録認定を受けた。
今回はそんな2人の日常にも密着。2人の実家はお寺で、父と長男は僧侶。教恵さんは両親、長男一家と共に7人で暮らしている。
教恵さんはお寺の事務を手伝い、週2回「公文」で、生徒たちの宿題の採点をしたり英語や国語の音読をチェックするなどの仕事をしている。
そして教恵さんには、ヘナタトゥーと呼ばれ約1週間で消えるボディーアートの才能も。手先が器用な彼女は、石やランプ、アクセサリー作りも。
教恵さんと仲良しなのが、近所に住む淑恵さんの娘・中一のほのかちゃん。家の中の移動もほのかちゃんが付き添うことが多く、食事のときも仲良しのほのかちゃんと一緒。
教恵さんは実はとても筋肉質。そしてピンクが大好きで月に一度、髪の毛もピンクに染めるほど。
出かける際は関節の負担を減らすため補装具をつけている。出かける際に密着すると教恵さんは「1日、2000歩までって言われて、2000歩以上歩くと次の日、足とか痛くなるって医者に言われています。首の神経が細いので、ブレーキとか急ブレーキでガクンとなると下半身不随か最悪死に至ると言われてるので、それに気をつけないといけないんです」と明かした。
2021年には東京オリンピックの聖火ランナーも双子で務めた。「意外と身近な所でもこういう人がいるんだよというのを知ってもらいたいです」という教恵さん。夢は「自分の体にあったマイホーム。家を建てたい」「全部ピンクで」と語る。
現在の自宅では、低い箇所にある電源スイッチや小さいトイレがある。「お風呂も今一人では入れないので一人で入れる小さいお風呂にしたり、キッチンも自分で何もかもできるように、こじんまりとしたものを作りたい」と教えてくれた。