先祖はからくり人形師、そして父は発明家。
小さい頃からものづくりの現場が身近にあった私にとって「良いものを作らなければ生き残れない」という考えは、もはや当たり前のことでした。しかし、作っているだけで「良いもの」は売れない。どれだけ「良いもの」でも、知ってもらえなければ記憶の片隅にさえ置かれない。多くの人に知ってもらい、使われなければ、たとえ「良いもの」であっても陳腐化してしまう。そんな現実も目の当たりにしてきました。
業界の厳しさを知りながらも、自分はものづくりに関わる仕事に就くのだ、クリエイティブの現場で働くのだと信じていたのですが、決して埋めることのできない壁と自身の身体的特性も相まって、「ものづくりを生業にできない」という事実に直面しました。悔しい、諦めたくない。先祖から続くこの道筋を途絶えさせていいのかーー?絶望感に苛まれる中、ある考えが閃きました。
「自分が作り手になれなくても、作り手を支えることはできるはずだ。作り手の気持ちを理解し、作り手の気持ちを多くの人々に届けることなら誰にも負けない。その志を持った仲間を集めれば、大局的な視点から使命を全うできるのではないか」。そのために必要なことに、私は以下の4つを掲げました。
1. テクノロジーを徹底的に駆使し、ブランドと人々の接点を圧倒的に拡張すること
2. 主役である作り手・ブランドを支えるチームと、幅広いケーパビリティを実現すること
3. 長期的な支援で、最終的にはブランドの自走を促せる組織を作ること
4. 絶対的な経験値と、ブランド支援に特化した他にはないビジネスデザイン・クリエイティブ・マーケティング能力を体現すること
これらを実現するため、10年もの間、能力を磨き上げてきました。
代表取締役 河野 貴伸