「歴史の修正」は本当に悪なのか…? 世界の本音に気づき、そろそろ米国の思想統制から抜け出す時なのでは

川口 マーン 惠美 プロフィール

民主主義が侵食されるつつあるドイツ

私の知識は、福井氏の膨大かつ深淵なそれの足元にも及ばないが、同書のテーマとなっている移民・難民問題、機能不全に陥りつつあるEU、そして、異様に膨張する環境グループの実態などは、ここ40年以上、現場でつぶさに見てきた。

また、ドイツにおける日本の情報、日本におけるドイツの情報が、いかに偏向しているかも、身を持って経験しているので、それらをなるべくわかりやすく伝えたつもりだ。

昨今のドイツは、ちょっと不思議なことになっていて、歴史の修正を絶対に許さない勢力が、前にも増して力をつけている。それどころか、歴史以外の様々なテーマにおいても強いバイアスが掛かり始めており、今や、左派以外の意見は次第に発言しにくい状態になっている。

何より深刻なのは、本来なら政府を監督すべきメディアが、左翼NGOとスクラムを組んで、左傾化した政府の応援団と化してしまっていること。彼らはメディアの特典を活かして、日夜、異論封殺、世論誘導に励んでいるように見える。

 

多くのドイツ国民は、それを民主化だと勘違いしているが、実際には、このままでは民主主義は侵食され、いつの間にかソフトな形での全体主義に変わってくのではないか。そんな懸念も、同書では取り上げている。

福井氏の知識と客観性と、私の体験と実況中継がうまく補い合って、良い本になっていることを期待するところだ。恐縮ですが、お手に取っていただければ幸いです。

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