演出

新・タイトルバックによせて

第18回「真・三方ヶ原合戦」からタイトルバックがガラリとチェンジ。
徳川家康の生涯はとても長い。「どうする家康」のタイトルバックは、家康の人生とともに激動の戦国時代「全部」を表現するので、1つのパターンでは描き切れません。
伸びやかな青年期から絢爛けんらんたる「戦国どまんなか」へ。「三方ヶ原合戦」で家康は「死」に直面し、そのことが彼に強く「生きる覚悟」を目覚めさせるのです。
タイトルバックのアップデートもココがターニングポイントでした。
日本史上最高のエンターテインメント「戦国時代」は本気モードで家康に襲いかかります!

演出統括 加藤 拓

第18回から新しいタイトルバックになりました。
なぜこのタイミングだったかといえば「三方ヶ原の戦い」で家康が学んだことは大きく、転機だと言えることが大河の物語として大きな分岐点になるという考えからでした。
実はタイトルバックの制作は監督(演出)や役者の方々と細かく意見を交わすようなことはあえてせず、古沢さんの脚本と、時代背景にのこされた美術(着物の装飾や絵画など)を参考にしてイメージを膨らませています。
唯一のコンセプトとして、昨年の2022年に一度ドラマ演出陣全員とミーティングした時に決めた“抽象的に表現する”というものがあります。
「ドラマをる方々が想像を膨らませることができる表現を目指す」というものです。タイトルバックというものは悲しい話の時も楽しい話の時も同じ映像がオープニングに流れます。同じ映像なのに毎度違うように感じるように抽象表現を用いています。
「石のように見えるものは家臣たちかな」「太陽のような丸いものは家康か、または瀬名かな」など、丸や線で構成したアニメーションにどこか人を投影してしまうような想像を導く映像を心がけてつくっています。

アートディレクター 菱川勢一

【タイトルバック制作】
アートディレクター 菱川勢一 (DRAWING AND MANUAL)
デザイナー 髙橋まりな 髙松彩花 (DRAWING AND MANUAL)

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