(83ガンマ1型)
1980年代前半のある日。
二輪仲間たちと10数台で峠を走っ
た。山中湖までの道だ。
ある峠の途中で休憩した時、ある
主婦ライダーが私のバイクに乗ら
せてくれと言う。
いいよ~ん、気をつけてねと貸し
た。
来た道を下って行ったが、なか
なか帰ってこない。
こりゃ転倒したか事故ったかな、
という話になり、他の人と2ケツ
で引き返して探しに行こうかと
いう事になった時に、ゆっくりと
戻って来た。
どうしたのか訊いたら、転ばなか
ったけど、エンジンが突然止まっ
たという。
そして、「ガンマってパワーない
のねぇ。6速でいくらアクセル回し
てもちっとも前に進まないの」と。
「エンジン止まって、やっとの
ことでかかったから戻って来た」
と言う。
それ、2ストの乗り方以前に根本的
にオートバイの乗り方ではないか
ら(笑
パワーバンドとか全く知らない感じ
だった。
「パワーバンド使わないと走らない
よ」と言うと「パワーバンド?何
それ?」と言う。
あいや~。というかドッシェ~だっ
た。
プラグを見たら、ぼっこし被りかけ
ていた。よくエンジンかかったなぁ
という程に真っ黒け。
すぐに予備新品プラグにその場で交
換した。
普段はヤマハの4スト250に乗ってい
る人だった。
似たような感じの経験を数年前に
した。
あるスポーツオープンの四輪を
運転していて、ヒール&トゥを
使いながら峠を走っていた。
3速でレッド下まで回してシフト
アップし、きついコーナーでは
H&Tでシフトダウンして2速で
旋回して立ち上がりでシフトアッ
プ。
そういう走らせ方をしていたら
助手席の車のオーナーさんが
「トップまで入るよ」と言った。
あ!と思った。
これ1980年代前半に似たような
経験があった、と。
もしかするとオートバイでも
発進してすぐに街中でさえ6速
まで入れる人たちがいるのかも
と思った。
そんな乗り方してると4スト400
でさえ、プラグ被りまっせ。
そして、基本、250の2ストは
6000rpm以下で走行するとプラ
グが被るか被り気味になる。
コースインのピットロードと
同じような超繊細スロットル
操作をしていても被り気味に
なる。
街中渋滞などはとんでもなく
苦手の二輪だ。高速道路や峠
では元気になる。パワーバンド
が使えるから。特に標準指定の
9番プラグなどでは2スト250は
街中は苦手の最たるものだ。
だが、適正回転で走行するという
のは二輪の鉄則だ。オートマ四輪
ではないのだから。
何のためにタコメーターが付いて
いるのか、と。
ゼファーχの事をかみさんに言った
事がある。
「このバイク、6速3000回転でも
なんだかなんとかクルージングの
時には走るよ」と。
そしたら妻は「え~?うっそ~。
信じらんない」という。
私と同じくパワーバンド乗りだっ
たからだ。
そして、6速でトロトロ運転など
二輪はできない(特に中型二輪あ
たりまでは)という事を知ってい
るから。
そういう意味では、大型二輪とか
は低速低回転でもトルクで走る
から楽でしょうね。物理的に。
小排気量車は常に適正出力を出す
回転を維持しないとまともにきび
きび走らないどころか、前述の
ように車が止まってしまったりも
する。
これは400でも被ってエンジンが
停止したりする。上り坂の峠で6速
でアクセル回し続けたりの不適切
運転をすると。
そうした視点で二輪車を俯瞰する
と、50ccの2ストスポーツを運転
するのが一番二輪のアクセリング
が上手くなるのではなかろうか。
適正回転数確保による走行操縦が
絶対に必要なので二輪の中で一番
運転が難しいから。
タコメーターは利用しましょう。
出かける時は忘れずに(笑
タコメーターを家に置き忘れない
ようにね(笑
長嶋監督は幼い一茂を球場に忘れ
て置き去りにして家に帰ったみた
いだけどさ(笑
あと、長嶋さんでは面白い実話の
エピソードがある。
川上監督の車を借りて一日出かけて
帰って来てから監督に言った。
「監督の車、スピードが全然出ない
車ですね」と。
監督が見たら、サイドブレーキを
引きっぱなしで一日走ったようだ。
どうしてそういう人があのような
野球の超ファインプレーができる
のかと思うが、天才は紙一重とい
うやつか(笑