卒業研究・制作

作品系/デザイン

「本川藤由商店のブランディング」

五十嵐 悠(デザインコース)

ブランディングデザイン/ミクストメディア

第1会場:高岡市美術館

本川藤由商店は、富山県氷見市で明治3年から醤油の製造販売を営んでいる老舗です。
本川さんの課題は、「氷見に来た観光客・近隣を訪れる人々にお店として認知してもらえない」こと。 そこで「明治3年から続く氷見の網元が作った寒ブリに合う醤油」をコンセプトにのれん・日よけ幕・看板をデザイン・設置しました。3つのアイテムを設置し、お店と一瞬でわかる仕組みを作ることでお店として認知してもらうことができ、入ってもらうきっかけを創出できると考えています。

「鏡の無限反射。」

石田 鈴奈(デザインコース)

デザイン、アート/鏡、生花

第2会場:富山大学高岡キャンパス

こんなにも綺麗なお花が、こんなにも大量に捨てられてもいいのだろうか。 店頭で正規価格で売れない廃棄直前のお花100本を使用して作品を作りました。商業的に生産された全国で年間合計約12億本のお花が、鑑賞されることなく廃棄されています。この社会問題の深刻さに気づき、ことの大きさを体感していただけるようにと、鏡の無限反射を利用して空間を作りました。まずは現状を知っていただき、考えるきっかけになればと思っています。

「杉の座具―杉材を用いた家具の制作―」

今川 栞里(デザインコース)

家具デザイン/杉

第1会場:高岡市美術館

強度があり、傷がつきにくい広葉樹に比べて針葉樹は家具に不向きとされている。傷がついたって良いじゃないか。それ以上に杉には魅力的な特性がある。この作品は、欠点を補いつつ私が杉材を実際に加工して発見した魅力を「魅せる」ことに主眼を置いた。座面はほとんど手加工で削り出し、磨いた際に現れるつやのある美しい表情を活かした形状にした。台座は、強度面の弱さを解消するため部材に厚みを持たせ、接合部は強度のある組継ぎ加工を施した。

「手作りを楽しむ柳ヶ瀬−ハンドメイドを通じて柳ヶ瀬商店街の魅力を伝える冊子としおり−」

太田 未優(デザインコース)

グラフィックデザイン/上質紙、ケント紙

第2会場:富山大学高岡キャンパス

私の出身地、岐阜県岐阜市にある柳ヶ瀬商店街は、ハンドメイド作家が集まるイベントやお店が多くある、手作りを楽しむ商店街である。しかし、若者が柳ヶ瀬に来ないという問題を抱えている。そこで、柳ヶ瀬に行くだけで材料を集めて作る・売る・買うことができる、という一環した柳ヶ瀬スタイルに着目し、ハンドメイドを始めたい若者に向けて、柳ヶ瀬で作る魅力を伝える冊子とユーザーの手で完成させるしおりを制作した。

「天使と悪魔 -性犯罪を抑止するための啓発動画-」

加藤 彩乃(デザインコース)

アニメーション/5min

第2会場:富山大学高岡キャンパス

この作品は、人間が持つ二面性を「天使」と「悪魔」として表現した映像作品です。
社会に対する疑心暗鬼が被害者の泣き寝入りを当たり前にし得るこの時代に、想いを伝えることの大切さをもう一度考え直して欲しいと思い制作しました。 誰かが困っている時、「見て見ぬふり」を正解とする世の中になってはいけないと思います。
YouTube:https://youtu.be/dHwqZYxT73c

「最強の和食」

笹木 梨花(デザインコース)

ブックデザイン/紙、書籍

第2会場:富山大学高岡キャンパス

本作品は若年層の栄養改善を目的とした和食料理本です。
若年層を中心に特定の栄養素が不足して起こる現代型栄養失調を課題とし、課題解決のために和食料理の、特に現在の和食が成立した江戸時代の料理本からレシピを引用して料理本の制作を行いました。
本書では「手間がかかる」という和食の固定概念を崩すべく、電子レンジやサランラップなどを駆使しながら決して「簡単」だけが目的ではない、「おいしい」に繋がる「簡単」を紹介しています。

「「COSMOS」~物語のある家具~」

鈴木 景子(デザインコース)

家具/シカモア、カバ、アガチス

第2会場:富山大学高岡キャンパス

ある人が命を絶ちました。きちんと整理され、物がほとんどなくなったその部屋で、存在感を増して残っていたのは家具でした。
 この作品は、その人の近くにあったらと思う物語を、家具にのせて造形表現したものです。芸術は人間のなんのためにあるのか、この問いを突き詰めた結果、この作品になりました。
 抽斗(ひきだし)を使うことで上部のプロペラが回転します。また、箱の底には形の元になった物語が本になって入っています。日常の中、家具を使う動作をきっかけに、物語を思い巡らせたり、プロペラの回転をぼんやり眺めたりすることで、ひと呼吸おく「 間 」をつくれたらと考えました。「 間 」が明けたとき、生活する人の心に現実を前向きに捉えるためのゆとりが生まれていればと思います。

「「キモチ」ピクト -感情ラベリングに活用できる心理状態の可視化-」

釣本 咲彩(デザインコース)

ピクトグラム/カード

第2会場:富山大学高岡キャンパス

自己否定に悩む人への心理療法に「感情ラベリング」という方法があります。
これは自分の感情を客観的かつ積極的に自覚することによって、自己受容を自己肯定へと繋げていくために必要な一過程です。私はこの療法を補助するために有効な、様々な心理状態を可視化したピクトグラムを制作しました。
「今の私はこんなキモチなのだろうか?」と自らの感情と向き合い、ありのままの自分を把握するための手助けとなることを目的としています。

「思い出とめぐる はままつ」

徳田 真奈美(デザインコース)

コミュニケーションデザイン/インタビュー、冊子、A5版(52ページ)

第2会場:富山大学高岡キャンパス

大学で、友人とお互いの地元についてよく話した。友人の思い出話を聞くことが、自分の地元”はままつ”について考える機会になっていた。
この経験をもとに、思い出話をまとめた冊子をつくることで、読む人に自分の地元への郷愁を感じてもらおうと考えた。誰もが持っている、地元愛に訴えかけるものとして。
16人の方にインタビューを行った。それぞれのはままつでの思い出を語ってもらい、それを話し言葉でまとめ、本の中から語りかけてくるようにした。

「日本の民謡と演歌を比較するデザインの研究」 

八野 日香(デザインコース)

比較デザイン/模型、パネル他8点

第1会場:高岡市美術

民謡は古くから伝わる日本の伝統音楽だが、現代において広くは知られていない。後継者不足の問題を抱えている民謡の特徴を知ってもらうために、近い存在の演歌と比較することを研究対象とした。それぞれの個性や特徴をわかりやすく伝えるべく、歴史から将来まで10のテーマで作品を制作した。時に印象が重なる民謡と演歌の違いを具体的に明確化することで民謡を理解し、興味を抱いて頂くことを目指した。それぞれの世界観を楽しんでもらいたい。

「和歌を纏う」

林 優佳(デザインコース)

服飾デザイン/ 染色、水引細工、刺繍、縫製

第2会場:富山大学高岡キャンパス

和歌には、淡々と日々移ろいゆく季節の様子が、 繊細に、美しく、いとおしく、人の心と共に描かれています。
今を生きる私たちの季節にも、和歌が詠まれたころときっと変わらない移ろいがあります。 それに触れて、感じて、いとおしく思えるように。 そのために和歌を纏(まと)います。

「五感を刺激する超小型モビリティ - EVE -」

林原 穂高/山田 香菜/吉田 陽菜/山上 桃(デザイン工芸コース、デザインコース)

製品デザイン/ポリエステル布特殊加工、本革、アルミニウム(A5052)ガラスビーズブラスト加工・アルマイト処理、PETG、イタウバ、レッドシダー等

第1会場:高岡市美術館

外装は、アルミ削り出しのフレームに3Dプリントのボディ。次世代の車づくりに挑戦し、制作できることを実証しました。これからはユーザー自ら愛車を自宅で制作する時代になることでしょう。この車でドライブし、富山の自然を五感で感じてほしいです。(林原穂高)

インテリアは椅子とダッシュボードを浮遊しているかのように見せることを意識して制作しました。この車の提供するドライブ体験は時間や場面によって変化します。それは時に力強く時に穏やかなものです。その体験をよりリアルに五感で感じていただけるよう環境に溶け込んでいるような空間を目指し二つの要素を浮遊させました。
また、ダッシュボードに装着できるフックには花瓶やカバン、額縁などをつけられることができます。自分の好きなものをこの車に取り入れることで、ライフスタイルにより色どりを与えることができれば嬉しいです。(山田香菜)

CMFはスタイリングだけでなく機能性を持たせること、素材そのものの美しさを活かすことを意識して制作しました。EVEの特徴的な外装ファブリックは、撥水・難燃加工、抗菌加工が施された2種類です。その日の気分やアクティビティに合わせて布を付け替えることができます。また、コーヒーかすから作ったレザーや、GBB加工・アルマイト処理をした美しいアルミフレーム、幻想的なダッシュボードの本革など、フェイクではない「本物の素材・質感」にこだわりました。(吉田陽菜)

UXUIは人とクルマとの共感覚(Synesthesia)を意識して制作しました。 EVEの照明はすべてArduino で制御されており、行灯や生き物の呼吸を意識したパターン、人が近づくとクルマが気づいてライトをつけてくれるパターン、弦のタッチで調光ができる3つのパターンに分かれています。 また、クルマのサイドには大きなハープが2つずつついています。前の小さいハープは実際に楽器として演奏できるだけでなく、弦での調光に使います。 クルマを単なる道具としてではなく、自分のパートナーや心を通わせられる生き物として感じてほしいと思います。 (山上桃)

「波佐見焼き”一真窯”の新しいブランドデザイン」 

眞崎 遥加(建築デザインコース)

ブランディングデザイン/磁器

第1会場:高岡市美術館

「ISSIN/2」は、長崎県波佐見町に工房を構える「一真窯」の新しいテーブルウエアです。日々の暮らしを少しでも豊かにするものであってほしいという願いを込めて、日常の特別なひとときを楽しめるアイテムをデザインしました。「一真窯」では、職人がカンナを使って、手作業で表情を与えていますが、「ISSIN/2」については更にカンナという道具と、職人の手技が生み出す表現力を追求いたしました。シャープさや軽やかなイメージを持つ磁器にカンナを使ってさらに繊細さを表現すると共に、テーブルウエアとしての機能性を持たせました。職人がカンナで施した表情は、ひとつひとつ異なり、その二つとないデザインを楽しんで頂けます。パッケージ、ブランドブックについては、繊細さを感じて頂けるよう心がけ、これからのブランドの展開への対応も考えてデザインしました。

「落語の英語の絵本」

守田 淳花(デザイン情報コース)

グラフィックデザイン、プロモーションデザイン、絵本

第1会場:高岡市美術館

大人になって落語に触れる機会があってもその文化をスムーズに受容できるとは限らない。そこで、幼い頃から落語に慣れ親しむことが、その後の落語の興味・関心を引き出す土台になると考えた。そのため、親が子に積極的に与えたくなる英語の教材と落語の噺を組み合わせた。
子供が英語の初歩を学ぶ多読教材として十分に機能しつつも、物語の端々に落語ならではのユーモア、昔の文化や価値観、愛すべき登場人物たちとその生活、芸能としての伝統や特徴をさりげなく散りばめてある。

「”晴々”を仕立てる」

八島 綾香(デザインコース)

服飾デザイン/天竺ニット生地(綿100%)、糸

第1会場:高岡市美術館

服を着て、自分の身体のラインが美しく見えると、気持ちが前向きになる。
そのような想いを”晴々”という言葉で表し、”晴々”を感じるTシャツの在り方を探りました。 従来のTシャツのシームラインや構造を見直し、着用した際に生まれるシワをコントロールすることで、女性の身体を美しく見せる形を目指しました。

「おてんばみぃちゃんとたからさがし とやまわんのたからもの」

和久田 美紅(デザインコース)

絵本/上製本、48p

第1会場:高岡市美術館

若い世代の海に対する興味低下を課題と捉え、解決方法として幼少期から海への興味を育む絵本を提案する。ターゲットエリアを富山地域とし、絵本特有の読み聞かせという行為から親子の会話に繋げ、親世代やこれからの富山地域を担っていく子ども達に向けて富山湾の持つ価値の認知から海への興味に繋げていく。また、幼少期に富山湾の価値を認知することで地元愛を醸成し、持続的な海への興味に繋げることを目指す。

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