今から6年前、山梨県の団地で火災が発生。
建物の中には、多くの住民達が取り残されていた。
その時、居合わせたのは幼い頃から特撮ヒーローに憧れていた一人の高校生だった!
時は、彼が小学生の頃に遡る。
日本人の父とタイ人の母の間に生まれた拓哉。
母は拓哉が幼い頃に離婚した後、工場などで働きながら女手一つで拓哉たち兄妹を育てていた。
拓哉には夢があった。
それは…ヒーローになること。
拓哉が憧れたのは、災害救助をテーマにした戦隊ヒーロー「レスキューフォース」。
怪人とのバトルよりも、人命救助がメインのちょっと変わった特撮ものだった。
そのため、ハマっているのは拓哉くらい。
それでも、流行りの漫画には目もくれず、毎日人命救助に関する本を熟読。
拓哉の夢は消防士になり、本物のヒーローになること。
だが…
先生「消防士目指すなら、もうちょっと頑張らないとな」
拓哉は…勉強が大の苦手。
学校の成績は、いつも最悪だった。
そんなある日、「オレ バカだから 消防士にはなれないって」と言って落ち込む拓哉に、母はこう言って励ました。
「消防士じゃなくてもいいんじゃない。困った人がいたら見て見ぬふりをしない。そうすれば いつかきっと本物のヒーローになれる。大丈夫、勉強より大切なものは沢山あるから。」
そして、およそ10年後…拓哉は困っている人がいたらいつでも助ける、そんな高校生となっていた。 サッカー部に所属し、体を鍛える一方…兄弟と共に地域の清掃やボランティア活動を毎週の様に行い、市が開催する救命講習や、防災訓練などにも参加。 人助けに役立つことを積極的に学んだ。
そんなある日、拓哉は交通事故の犠牲者に…右膝の靭帯を損傷し、全治3ヶ月の大怪我だった。
そんな時、2階にある拓哉たちの部屋の真下に住む男性の部屋から出火。
火が瞬く間に燃え広がっていた。
男性が部屋に取り残されていると聞き、拓哉は助けに向かった。
拓哉にとって一階に住む男性は、ただの知り合いではなかった。
拓哉が幼かった頃…自転車が壊れてしまった事があった。
そんな時、男性が自転車を修理してくれたのだ。
それからも何か壊れる度に修理してくれた「おじちゃん」。
だがその後、おじちゃんは足を怪我してしまい…火事が起こった時、自宅のトイレに行くのも数分かかるような状態だった。
部屋に取り残されたおじちゃんを助けに向かった。
だが…既におじちゃんの部屋は、猛烈な炎に包まれていた。
拓哉は、何故か火のない空間に消火器を噴射し始めた。
火災現場で危険なのは炎で焼かれることよりも、煙を吸ったことで起こる一酸化炭素中毒。
そのため、消化器の噴射で煙を吹き飛ばそうと考えたのだ。
炎よりも煙が危険…ヒーローに憧れた子どもの頃から、ずっと蓄えてきた消防の知識だった。
そして…倒れているおじちゃんを発見!
炎の勢いはさらに激しさを増していた。
拓哉は、火が燃え盛る室内から、おじちゃんを助け出した。
その直後…部屋から大きな炎が噴き出した。
まさに、間一髪の救出劇だった。
だが!逃げ遅れた住人がまだいたのだ。
この時、おじちゃんの部屋から噴き出す炎によって、階段が通れない状態になっていた。
逃げ遅れ、取り残された人は7人。
住人たちは、1階と2階の間にある踊り場から助けを求めていた。
その半数以上は幼い子供と80歳以上の高齢者。
飛び降りる事は出来ない。
既に消防署へ通報はされていたが、まだサイレンの音すら聞こえて来ない。
拓哉は、炎が上の階へ燃え広がるのに一刻の猶予もないと判断。
怪我で右足が使えない中、腕と左足だけでよじ登った。
だが、さすがに担いで降りる事はできない。
そのとき!兄弟や住民たちが駆けつけた。
拓哉と兄弟、住民たちの連携プレーで、取り残された人たちを次々に救助。
消防隊が到着した時には、取り残された7人の救助はすでに完了していた。
消防隊が逃げ遅れた人がいないか確認に向かおうとしたが…
拓哉は「その必要はありません。住民は全員、避難しました。」と伝えた。
実は、いざという時のため、拓哉は近隣住民の家族構成や生活スタイルを把握していたのだ。
拓哉のおかげで、消防隊は燃え盛る炎の中へ危険な突入をする必要もなくなり、消火活動に専念することができた。
この火事で怪我人は一人も出なかった。
拓哉が救助に要した時間は、わずか10分だった。
その後、火は消し止められたが家は全焼。
家族は持ち出せた貴重品以外、全てを失った。
だが状況を知った、拓哉の同級生の保護者や、先生らが一家のためにお金を集めてくれた。
その金額は100万円以上にも上り、一家は無事、新たな生活を始めることができた。
拓哉さんはこう話してくれた。
「本当にあったかいなと思いました。『これからの生活どうしていこう』と家族で話していた。こんなに本当にいろんな方々に助けてもらえると思っていなかったので、今でも感謝しています。」
拓哉さんの命がけの救助活動は警察や消防などから表彰され、多くのメディアがその活躍を取り上げた。
しかし、皆が手放しに賞賛したわけではない。
危険すぎた行動について、母親からめちゃめちゃに怒られたのだ。
「母に一つしかない命を大切に使って欲しい。結果が良かっただけと言われた。そんなにうまくいくわけじゃないと母は言っていました。」
現在、24歳になった拓哉さんは、地元・山梨県で美容師として働いている。
「(客として)美容院に行った時に凄く良い笑顔でみんな帰っているのに感銘を受けて、美容師を目指すようになった。」
あの火災で、火の恐怖を改めて思い知ったという拓哉さん。
今はもう、同じことは出来ないだろうというが…
スタッフ「もしまた助けを呼ぶ声が聞こえたらどうすると思いますか?」
拓哉さん「そうですね。きっとまた”体が勝手に動いてしまう”と思います。」
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