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2023年開催レポート

公益社団法人計測自動制御学会 システムインテグレーション部門と ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は Sensing Solution アイデアソン・ハッカソン 2023 を開催しました。

日本国内の大学生などからアイデアソン、ハッカソン両部門において 独創性あふれる作品がエントリーされました。 12 月 17 日(日)には、 審査を通過した16提案のプレゼンテーションがオンラインで行われ、 アイデアソン、ハッカソン各部門の入賞作品が選ばれました。 審査員を驚かせるようなアイデアやデモがいくつもみられ、わくわくする大会となりました。

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ハッカソン部門 受賞チーム

IoT 向けスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE™」1台以上を用いて、アイデアの実装からデモンストレーション動画の制作までを行っていただきました。

最優秀賞
作品名
add-on scale
チーム名
Tラボ
メンバー
藤森啓司(山形大学)/淺田麟太郎(山形大学)/山之下海里(山形大学)/渡邉壮史(山形大学)
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概要

世界は数字であふれています。現在、この数字を管理・活用するツールとしてIoT機器の開発が盛んに行われています。しかし、これらの機器は便利である反面、コストが高い上に既存の製品を淘汰してしまい大量消費の問題がつきまといます。そこで、私たちは体重計を対象として既存の製品にadd onするだけでIoT機能を搭載した最新の体重計と同程度の性能になる製品を開発しました。また、音楽やアニメーションといった楽しませる要素も取り入れました。

審査コメント

単に体重計にIoTの機能をアドオンするだけではなく、このデバイスをエンタテインメントを含んだものへ昇華させた点が、審査員からも高く評価されました。プレゼンテーションもここに至るまで、自分たちの作品をアピールするために何度も練習していたと想像しています。デバイスそのものの価値、アピールするところも含めて総合的に評価し今回の最優秀賞とさせていただきました。

受賞者コメント

今回はこのような賞をいただき、誠にありがとうございます。ゆくゆくの日本、そして世界を引っ張っていくエンジニアたちの中でこのような賞をいただいたこと、すごく光栄に感じます。この経験を生かして、今後の私たちのエンジニア生活、どんどんアドオンしていきたいと思います。

優秀賞
作品名
Spresenseの画像認識機能を用いた瞬きによるコミュニケーションシステム
チーム名
ぺいんたーず
メンバー
浅野慧樹(青山学院大学)/高城栄紘(青山学院大学)/広司和将(青山学院大学)
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概要

国の指定難病である ALS (筋萎縮性側索硬化症)などの全身不随患者が、介護者とコミュニケーションをとるための機器を提案します。このシステムは、声を出したり手指を動かしたりすることができない患者を対象としており、瞬きの種類を判別することで意思疎通を可能にするシステムです。開発を行う上では、SpresenseのWi-Fi Add-onボードを用いた通信機能やLCDによる画面表示、さらにSpresenseカメラを用いた画像認識機能を利用することでシステムを実現しました。

審査コメント

ALS患者のための支援ツールとして、有用な提案であったと思います。また、エッジデバイスとしてSpresenseの制約がある中でバランス良く組み上げたところが、審査員の方からも高く評価された点かと思います。これからもSpresenseを使って、患者さんに寄り添うような開発に取り組んでください。

受賞者コメント

Spresenseのどのような機能を使えるのかというのを考えて、最大限強みを活かせることを考えてやってきたのでうまく作れて良かったと思います。まだまだ課題があると思うのでこれからもその課題に向けて開発を進めていきたいと思っています。

アイデアソン部門 受賞チーム

実在する IoT デバイスを想定し、実現する方針まで含めたアイデアを提案していただきました。

最優秀賞
作品名
ゴミ収集者
チーム名
ROBOTTA
メンバー
三浦龍一(名城大学)/徳田孝介(名城大学)/山本有輝也(名城大学)
Placeholder
概要

テロ対策など防犯の観点から、街のゴミ箱が減少傾向にあります。しかし、身の回りにゴミ箱が無いことを理由に、ポイ捨てをする人がいます。路上に捨てられたゴミを見て、自分も捨てて良いと考える人もおり、悪循環が生まれています。ゴミのポイ捨ては、街の景観を損なうだけでなく、環境への影響も考えられます。そこで、ポイ捨て防止を目的とした「自律走行ゴミ箱」を提案します

審査コメント

アイデアとしてはゴミ箱自体が移動ロボットとなって必要とするときに寄ってきてくれる、というものでした。捨てたいときに近くにゴミ箱がないとついついポイ捨てするという課題感を持ちながら、このアイデアはSDGsにもつながる良いものだと思います。IoTとしては移動機能まで付いているデバイス、というのは新しく、社会実装についても、ゴミ箱に廃棄するプラン、皆に使ってもらうようなインセンティブのプランなどよく考えられていました。そして実装したビデオクリップでアピール頂いたことろも高く評価しました。​

受賞者コメント

今回はこのような光栄な賞をいただき、誠にありがとうございます。夏ごろから3人という少ない人数のチームでいろいろな案を出しながら実装してきました。その成果が報われたと思ってとてもうれしく思っています。

優秀賞
作品名
コミュニケーションをもっと楽しく!Emotion-Glasses
チーム名
KBK
メンバー
久保木優太(東京大学)/堀祐大朗(東京大学)/廣瀬貞雄(東京大学)/橋本宏熙(東京大学)/禾丈一郎(東京大学)
Placeholder
概要

マスクなしでのコミュニケーション機会の少ない子どもたちや、表情による感情認知が苦手な自閉スペクトラム症当事者の方、さらに自分の感情に気づくことが苦手な方向けに、表情と声のトーンから感情を読み取るメガネ型デバイスを開発しました。相手の表情、声のトーンをカメラとマイクでとらえ、AI で感情を推定し、メガネに取り付けられたディスプレイ上に感情の言葉(うれしい、怒っている、悲しいなど)を表示します。自分でメガネをかけると、相手の感情をわかった上でコミュニケーションできるようになります。また、相手にメガネをかけてもらうと自分の感情についてヒントをもらいコミュニケーションのきっかけとできます。本サービスを通じてコミュニケーションをもっと楽しいものだと感じられる社会を作っていきたいです。

審査コメント

自閉スペクトラム症の方を対象に、相手の感情を読み取って、それを踏まえたコミュニケーションを取ることを支援するデバイスということで、提案自体が非常に素晴らしいものであったということ、また、今抱えている実現に向けた課題もクリアに説明いただいたので、審査員の皆さまからも高く評価されてこの度の受賞となりました。

受賞者コメント

このような貴重な賞をいただきありがとうございます。自分たちは情報科学を専攻していて、情報技術やテクノロジーを生活に落とし込むことで、多くの人の生活を豊かにしていけたらいいなと考えています。

特別賞 受賞チーム

ベスト・フィールドセンシング賞
作品名
火災報知器とIoTで人とまちを守る
チーム名
おれんじ
メンバー
都築美結(電気通信大学)
Placeholder
概要

大規模火災で火が燃え広がる原因として風向・風速や火災旋風が挙げられます。被害を最小限に抑えるには、燃え広がる原因を考慮してすばやく適切な場所へ避難することが必要です。火災報知器を IoT 化したものでデータ収集し、それらに風向・風速データと位置情報を組み合わせて、火が燃え広がる速度と範囲を解析して、結果を近くにいる人に送信し避難誘導することで、人々のすばやい適切な場所への避難をサポートするシステムを提案します。

審査コメント

大規模火災という社会課題に着目し、100年も前から続くこの課題を解決することにチャレンジされました。ELTRESを使って社会を豊かにするアイデアは、とても素晴らしい内容だったと思いました。ELTRESを使うことによって、風向や火事の具合をセンシングできるという内容でとても素晴らしいと思いました。

受賞者コメント

評価頂きありがとうございます。このようなコンテストに挑戦するのは初めてで、発表よりも受賞コメントの方が緊張しています。今回の提案は、火災報知機をIoT化するという形で街のいたるところにセンサーを置いてデータを収集して、ELTRESを用いてネットワーク化することで、大規模火災の課題の解決策を提案する、という点で評価頂けたのかなと考えております。この提案で、一人でも多くの方が大規模火災から安全に避難できる未来への第一歩になったらいいなと考えております。

ベスト・ミュージックエンタテインメント賞
作品名
ノースプーン
チーム名
岩田快道
メンバー
岩田快道(京都産業大学)
Placeholder
概要

音の振動でコップの中身をかき混ぜる装置です。飲食店で使われる「オーダーコールシステム」に搭載すれば、お茶として使用しながら、商品ができあがった際はコールするということもできます。音の振動でかき混ぜるため、流す音楽によって中身をかき混ぜるので流す音楽によってかき混ぜ具合が変化します。

審査コメント

選んだ理由は、ちょっとした不便の解決が障がい者の人たちにとっては非常に大事で、そのような視点が入っていたことです。今回のアイデアを実現できれば、片手しか動かせない人でも混ぜることができる、そういった不便さを解決するという点が良かったです。また、今回、あえてデジタルというよりもアナログ的発想で提案を持ってきたという頭の柔らかさ、実際にコストも安くなるというメリットもありますのでこういった点を高く評価しました。

受賞者コメント

このような賞をいただき、本当に光栄に思います。実験をしていく中で課題や改善していくところが見えたことと、今日は他の方の作品を見て刺激を受けたので、もっともっと改善してよりよい製品に仕上げていけたらいいなと思います。

ベスト・アクセシビリティ賞
作品名
Spresenseの画像認識機能を用いた瞬きによるコミュニケーションシステム
チーム名
ぺいんたーず
メンバー
浅野慧樹(青山学院大学)/高城栄紘(青山学院大学)/広司和将(青山学院大学)
Placeholder
概要

国の指定難病である ALS (筋萎縮性側索硬化症)などの全身不随患者が、介護者とコミュニケーションをとるための機器を提案します。このシステムは、声を出したり手指を動かしたりすることができない患者を対象としており、瞬きの種類を判別することで意思疎通を可能にするシステムです。開発を行う上では、Spresense の Wi-Fi Add-on ボードを用いた通信機能やLCDによる画面表示、さらにSpresenseカメラを用いた画像認識機能を利用することでシステムを実現しました。

審査コメント

ALSの患者さんや介護士さんの不便や負担を解消するための、瞬きを使った新しいユーザーインターフェースの提案が非常に良かったです。アクセシビリティ賞で実用的な作品を作るのはなかなか難しいかなと思っていたのですが、今回の作品は画像認識・AI・ネットワーク機能といったSpresenseの機能を最大限に生かして、しかもシステムのバランスも良く、すぐにでも現場で使えそうな商品性が高いものでした。また、システムとしての完成度も非常に高いと思いました。今後は今回の作品をさらにブラッシュアップして人々の幸せのために実用化をめざしていただけたらなと思います。

受賞者コメント

このような光栄な賞をいただき本当にありがとうございます。夏からチーム3人でALSの方々が自発的なコミュニケーションを取るにはどうしたらいいか、というのをずっと考え、開発を行ってきたので本当に賞が取れてうれしく思います。

実行委員長コメント
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中内実行委員長

本日はご参加いただきありがとうございました。また、受賞者の皆さま、改めておめでとうございます。 アイデアソンにおきましては、IoTの利活用により、近い将来にはこのような社会が訪れるという、 若い皆さまからのニーズを見据えた斬新なアイデアを拝見させていただいたと思います。 ハッカソンにおきましては、皆さまの実装能力の高さに驚きました。 IoTとはあらゆるものがインターネットにつながるというものではありますが、 それ以上の価値があります。それは、ヒト・モノ・コトを対象としてさまざまなサービスの展開が図れるということです。 本日の発表もこれらIoTの特徴をうまくとらえたものが多くあったと思います。Tラボさんのような元気な発表はわれわれ審査員も楽しかったです。

ファイナリスト作品公開リンク一覧
ハッカソン部門ファイナリスト
発表番号
I-6/H-1
作品名
手話っと翻訳・練習機
チーム名
MASK
メンバー
菊地慧(名城大学)/髙木彪仁(名城大学)/井上将知(名城大学)/矢橋和也(名城大学)
発表番号
I-7/H-2
作品名
ランニングイヤホンによる次世代マラソン大会
チーム名
あきつは
メンバー
浅井一樹(東京大学)
発表番号
I-8/H-3
作品名
ゴミ収集者
チーム名
ROBOTTA
メンバー
三浦龍一(名城大学)/徳田孝介(名城大学)/山本有輝也(名城大学)
発表番号
H-4
作品名
ドレミでケンパ♪
チーム名
ファッションハードウェア以外
メンバー
金子健太郎(神戸情報大学院大学)/村田武洋(神戸情報大学院大学)/坂下武志(神戸情報大学院大学)
発表番号
H-5
作品名
次世代ゲーミングクレーンゲーム
チーム名
ドラえもんのしっぽ
メンバー
佐藤千陽(東京理科大学)/矢田優翔(東京理科大学)/三宅青司(東京理科大学)/池田尋紀(東京理科大学)/熊倉恵理子(東京理科大学)
発表番号
H-6
作品名
トイレのクラウドモニター
チーム名
ぼっちゃん
メンバー
大島義也(東京理科大学)/三宅音緒(東京理科大学)/田口駿(東京理科大学)/齊藤龍輝(東京理科大学)
発表番号
H-7
作品名
鏡よ鏡
チーム名
KBK
メンバー
久保木優太(東京大学)/堀祐大朗(東京大学)/廣瀬貞雄(東京大学)/橋本宏熙(東京大学)/禾丈一郎(東京大学)
発表番号
H-8
作品名
Spresenseの画像認識機能を用いた瞬きによるコミュニケーションシステム
チーム名
ぺいんたーず
メンバー
浅野慧樹(青山学院大学)/高城栄紘(青山学院大学)/広司知将(青山学院大学)
発表番号
H-9
作品名
エッジAIを利用した人検出による座りっぱなし警告デバイス
チーム名
iSU
メンバー
久木田輝瑠(筑波大学)/江畑辰諒(筑波大学)/関公一郎(筑波大学) /洞澤海(筑波大学)
発表番号
H-10
作品名
add-on scale
チーム名
Tラボ
メンバー
藤森啓司(山形大学)/淺田麟太郎(山形大学)/山之下海里(山形大学)/渡邉壮史(山形大学)
発表番号
H-11
作品名
野菜の収穫を予測した自動判別機
チーム名
Book
メンバー
丹羽蓮汰郎(名城大学)/岡本拓己(名城大学)/星野匠海(名城大学)
アイデアソン部門 ファイナリスト
発表番号
I-1
作品名
コミュニケーションをもっと楽しく!Emotion-Glasses
チーム名
KBK
メンバー
久保木優太(東京大学)/堀祐大朗(東京大学)/廣瀬貞雄(東京大学)/橋本宏熙(東京大学)/禾丈一郎(東京大学)
発表番号
I-2
作品名
赤さん見学
チーム名
KK
メンバー
東大二朗(名城大学)/小堀洋明(名城大学)/山田凌大(名城大学)/加藤美沙(名城大学)
発表番号
I-3
作品名
FeelConnect ~感情が織りなす共創体験を~
チーム名
社会を良くし隊
メンバー
長谷川開(東京都市大学)
発表番号
I-4
作品名
火災報知器とIoTで人とまちを守る
チーム名
おれんじ
メンバー
都築美結(電気通信大学)
発表番号
I-5
作品名
ノースプーン
チーム名
岩田快道
メンバー
岩田快道(京都産業大学)
発表番号
I-6/H-1
作品名
手話っと翻訳・練習機
チーム名
MASK
メンバー
菊地慧(名城大学)/髙木彪仁(名城大学)/井上将知(名城大学)/矢橋和也(名城大学)
発表番号
I-7/H-2
作品名
ランニングイヤホンによる次世代マラソン大会
チーム名
あきつは
メンバー
浅井一樹(東京大学)
発表番号
I-8/H-3
作品名
ゴミ収集者
チーム名
ROBOTTA
メンバー
三浦龍一(名城大学)/徳田孝介(名城大学)/山本有輝也(名城大学)