重い障害を持つ子の母として

　息子は889ｇの極小未熟児で出生時のトラブルにより脳に重い障害をおってしまいました。当時は入退院を繰り返す息子を抱え、心休まる時間もない生活の中、障害を受け止めきれず悩む日々を過ごしていました。その後医療、福祉に係わるたくさんの方々に支えていただき、重症心身障害児者の息子とともに心穏やかに笑顔で暮らしています。

　息子を育てる中で、長年、障害当事者及び家族が活動する会に参加し役員として会の運営に係わり、会員同士や支援者、行政の方々とも障害福祉に関わる問題を解決するために協議する機会を得ました。

　また、障害児者の育児介護を担う保護者の「子どもの成長に寄り添いたいが少しでも働きたい」「社会に出て誰かの役に立ちたい」という切実な願いを聞き、その思いを叶えたいと思いました。

誰もが輝いて笑顔で生きていける社会を目指して

　バリアフリーが整い、福祉サービスも多様化し充実して来たように見えますが、実際はどれも《ちょっとおしい》と感じることばかりです。

　何をどうすれば解決するのか、私達障害児者の親は知っています。

　ミコクラースではフルタイムで働く事の難しい重い障害を持つ子の保護者の視点を活かして、医療、福祉のみならず地域社会のバリアフリーを進める事業を行い社会を変えていきます。

　当事者が日頃課題に思う事に向き合い解決するために自ら動き出す事で、社会が変わる可能性秘めていると感じており、今後どのように広がっていくのかワクワクしています。

　医療、福祉、地域社会の課題を改善し、顧客満足度の高いサービスの提供、誰にでも喜ばれるユニバーサルデザイン、バリアフリーの整備が整い、最も重い障害を持つ子達が暮らしやすい社会となることで、乳幼児や高齢者はもちろん誰でも暮らしやすい社会とします。

　また、働く事を諦めていた家族が子育て、介護で得た知識やスキルを活用して働く事は障害がある子を授かった事を肯定し共に生きていく事を応援し、医療的ケア児支援法に明記された家族の離職を防ぐなどの社会課題解決にも寄与します。

　どのような環境でも輝いて笑顔で生きていける社会を、私達だからこその力で作って行きます。