INTERVIEW

竹内 理佐子

RISAKO TAKEUCHI

資金証券部 外貨資金操作Gr兼MUFG 財務企画部CFO室

2003年入行

竹内 理佐子
  1. 2003
    神保町支店・支社
  2. 2005
    市場企画室 企画・人事Gr(現:市場企画部 企画Gr)
  3. 2005
    市場企画室 戦略投資Gr(現:資金証券部 株クレジット運用Gr)
  4. 2009
    円貨資金証券部 中長期ALM Gr(現:資金証券部 円貨ALM操作Gr)
  5. 2014
    外貨資金証券部 外貨バンキングGr(現:資金証券部 BS運営Gr)
  6. 2018
    経営企画部 予算・資源運営Gr(現:経営企画部 財務・資源運営Gr)
  7. 2020
    資金証券部 BS運営Gr
  8. 2022
    資金証券部 外貨資金操作Gr兼MUFG 財務企画部CFO室

※ALM:Asset Liability Managementの略。資産・負債のリスクとリターンを総合的に勘案して管理しながら収益の極大化を図っていく経営管理手法。
※BS:Balance Sheetの略。貸借対照表のこと。

MY JOB

資金証券部外貨資金操作グループにおいて、6,000億ドル(約80兆円)に上る当行の外貨バランスシート運営に携わり、マーケットを通じた外貨資金の調達や運用、預金や貸出も含めた資金流動性リスクのコントロールを行っています。また、MUFG 財務企画部CFO室を兼務し、MUFGによる社債発行にも携わっています。絶えず変化するマーケット環境だけでなく、当行の預金・貸出の特性や動向などを幅広く分析し、資金調達手段の分散、調達の量や期間などのコントロールにより収益性と安定性の両立をめざします。

竹内 理佐子

経営視点で、MUFGのビジネス全体を支える最適解を追求。

あらゆる観点から未来を予測し、収益性と安定性の二兎を追う

私は、当行外貨バランスシートの安定的で健全な運営をめざし、マーケットを通じた外貨資金の調達や運用、預金や貸出も含めた資金流動性リスクのコントロールを行っています。バランスシート運営において重要なのは、収益性と安定性、双方の追求です。当行がお預かりしている円預金は158兆円、外貨預金は2,620億ドル(約35兆円)に上りますが、外貨の場合は貸出が預金を上回っているため、お客さまが資金を必要とされるタイミングで当行が迅速に貸出できるよう、マーケットからの調達で資金を確保しておくことが必要です。普段はスムーズに資金を調達できますが、ひとたびリーマンショックなどのような金融危機が起こると途端に調達コストが上がり、場合によっては調達そのものができなくなることもあります。だからといって、あらかじめ必要以上に資金を調達・保管すると余分なコストを払うことになります。すなわち、最適なコストと、危機時にもしっかりと資金をお客さまに提供できる安定性の両立をめざすことが求められます。そのため、マーケット動向、海外の金融政策や経済環境を予測するだけでなく、当行のお客さまのビジネスや貸出・預金の特性を分析し、金融危機下でのお客さまのご利用変化など、あらゆる観点を予測して、バランスシートを組み立てます。多様な調達手段を駆使して、コスト、量、期間、タイミングなどのバランスを考え、コストとリスクをコントロールします。私たちの資金調達がお客さまのビジネスやMUFG全体の運営にも影響を及ぼすため、経営層や顧客部門、海外拠点などとも意見を交わし、最適解を追求します。責任は非常に重く、難しさもありますが、だからこそ大きなやりがいを感じています。

国内初の中国人民元建て社債を発行し、日本の市場競争力向上にも寄与

外貨バランスシート運営は、MUFGのビジネス基盤を支える仕事であり、常に経営層に近い視点が求められます。日々膨大な情報を分析することで世界情勢や金融市場の変化を先取りし、お客さまのビジネスを迅速にサポートするとともに、MUFGの経営をしっかり支えることも意識しています。これまでにも当行によるタイやインドネシアの銀行買収プロジェクトなどに深く関与したほか、世界経済や日本の国際情勢に影響を及ぼすような仕事も経験しました。
印象的なのは、2015年に国内初となる中国人民元建て社債を発行したことです。日本市場での人民元債の発行は2011年末の日中首脳会談以来の課題でしたが、2015年、3年ぶりに日中財務当局間の対話再開があったタイミングを捉え、外貨調達の多様化をめざして人民元建て社債発行プロジェクトを完遂しました。私はプロジェクトマネージャーとして、行内外のさまざまな専門家や、主幹事である三菱UFJモルガン・スタンレー証券の協力を仰ぎ、社債発行に関わる契約書作成、決済や利払いフローの構築、システム対応などを進め、短い準備期間で約70億円の調達を実現しました。お客さまに対して、グローバル経済の中で欠かせない中国人民元の調達・運用手段を提供する機会となっただけでなく、日本の市場競争力の向上にも資するプロジェクトになりました。

マーケットはさまざまな人の想いの集合体

マーケットは投資家や企業、金融機関などさまざまな参加者の想いの集合体であり、人々の行動によって刻々と変化していきます。マーケットは、経済動向、金融・財政政策をはじめとする環境変化に応じて動きますが、人々の行動が一方向に集まるとバブルが発生し、その対処の過程によってショックが生じます。リーマンショックやコロナショックなどの金融危機は、カタチを変えて必ずやってきます。そうした変化をどう予見し、どう備え、どう対処するか。日々考え、局面に応じてつくった計画を柔軟に変えることも必要となりますし、収益性と安定性の両立を図りつつも、時には収益性を犠牲にして安定性を追求することも求められます。経済環境や金融規制が急速に変化していく中、お客さまのビジネスを安定的にサポートしていくためには、当行自身が変化の先頭に立って自らけん引していく強い意志と、常に知識をブラッシュアップして新たな取り組みにチャレンジしていく行動力が必要です。今後も一層専門性を高めながら、バランスシート運営を通して、お客さまのビジネスとMUFGの発展に貢献していきたいと思います。

竹内 理佐子