JALの記者会見、国内メディア(特に新聞社)はひたすらアラ探し、犯人探しに執着していた。そのあまりの意地悪さと居丈高さに気分が悪くなり、途中で見るのをやめてしまった。
乗客は全員脱出できたのに、「アナウンスに不備があったらしいですね?(どう責任取るつもり?)」などと詰め寄る。
この、「何ごとも100%(以上)であるべきで、些細なミスの責任者を血祭りにあげたい」というメンタリティが、今の日本の問題を象徴していると思う。
この一方で英Sky Newsは "We have just witnessed a miracle" (我々は奇跡を見た)との識者の言葉を引用し、JAL乗務員の迅速な対応を極めて高く評価。自分もこちらの意見に賛成で、この困難な状況における対応は本当にすばらしかったと思う。
記者会見で、執拗に機長の個人情報を聞き出そうする国内メディアの姿からは、「とにかく言質を引き出し、一刻も早く責任者を糾弾する記事を書きたい」という姿しか見て取れなかった。とても残念なことに。
そういう "スクープ記事" を書くことが社内でも評価されるのだろうし、そういう環境や文化に順応した人だけがずっと会社に居残っているのだろうと思う。僕の知人は、すでに業界から足を洗った人が多いけど。
何かあったとき、勇気を持って挑戦・実行した人にスポットライトを当てるのではなく、ひたすらに重箱の隅をつついてあらゆるミスを糾弾しようとする文化。
こんな土壌からは新しいものは生まれなくなるし、チャレンジしようとする人の意志を弱めてしまう。そしてどんどん息が詰まり、暮らしにくい社会になってしまう。
本当に、それを象徴するような昨日の記者会見だった。
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