ダンマパダ(仏教の経典の一つ)63節
「自分が愚か者であることを知っている愚か者は、だからこそ賢い人になれるのです。しかし、自分が賢いと思っている愚か者は、確かに愚か者と呼ばれます。」
「私は正しい」という思いに包まれている人は、違う考えには耳を貸しません
自己の振る舞いを直そうともしません
逆に「私は正しくないかもしれない」(自分は愚かだ)と気づいている人は日々学びます
その人は決して愚かではありません
世間一般の「常識」とされることを「絶対に正しい」と信じ込む人は愚か者です
愚か者の特徴は、自分が賢者に見られたいということです
そういう人に限って「権威」を有難がります
「自分は正しいんだぞ」と思い込む為に、いつも権威を笠に着ます
逆に「わかりたい、学びたい」という人は、違和感を覚えたことに対しては、権威や数の論理に押されることなく、納得がいくまで徹底的に自分で調べます
それを繰り返していくうち、真理に触れる感覚が研ぎ澄まされていきます
今世間で騒がれている「陰謀論」と呼ばれるような話も、愚か者は「根拠がない」「荒唐無稽だ」「デマだ」と言って聞く耳を持ちません
また、そういう人は「自分が絶対に正しい」と信じ込んでいるので、他人に対して攻撃的な物言いになります
逆に賢い人は「そういうこともあるかも知れない」「自分が信じていたことは間違っているかもしれない」と考え、可能性の一つとして捉え、納得のいくまで調べます
決して信じ込むのではなく
愚か者は信じ込むことしかできませんし、自分の価値観でしか物事を測れませんから、賢い者が「陰謀論」を語っているのを見れば、自分達と同じように「信じている」と思い込み、自分達と違う考えには敵意と憎悪を燃やすのです
世の中は数少ない賢者と、その他大勢の愚か者で構成されています
賢者は自分達は決して賢くないことを知り、(だから学ぶことをやめない)愚か者は自分達だけが賢いと思い込みます
多数派がいわゆる「陰謀論者」を執拗に攻撃する図式になる理由はそこにあるのです
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