職員紹介
声なき声を伝えたい
記者
浅井 優奈
Asai Yuna from 札幌
取材するうえで意識していることは?
取材者はある意味“他人”で、困難な状況にある現場を取材しても、テレビで一回放送するだけで終わってしまう。でもそれでは状況は変わらないことがほとんどで、積み重ねていくことが大事なのだと思います。私たちは取材対象者に一度会うだけですが、その人たちの人生はその一度きりではなく日々続いていくので、新しいことを発信するばかりではなく、継続的に取材することも大切にしたいと思っています。
取材現場で感じることは?
毎回取材現場に行って思うのは、いくら事前に話を聞いたりニュースで見ていても、現場に行ってみないとわからないことがたくさんあるなということです。そういう意味では毎回驚かされますね。そこで感じたことを、現場を見ていない視聴者のみなさんにどうやったら伝わるか、常に考えています。
テレビは放送時間が限られていますが、“映像の力”というのはやはりあるので、見てもらうことで伝わるものもあります。
一方でWEBは文字数の制限がなく形に残るので、それぞれの媒体の強みを生かしながらより深く情報を発信していけたらと思います。
記者になろうと思ったきっかけは?
学生時代、記者になろうと思ったきっかけが二つあって、一つは難民支援のボランティアに参加したこと、もう一つは福島第1原発の事故で母と子だけで避難してきた人たちに話を聞いたことです。
特に避難区域ではない地域から避難してきた人に話を聞く機会が多くあり、どこにも頼れずに孤立してしまっている窮状を知りました。難民の方たちも、実は国としては正式に難民と認められていない人がほとんどだったり、そうした不条理な現実を知る中で「どうしてこんなことになっているのだろう」「どうにかならないのか」と自分の中でもやもやした思いがあって、それが今に繋がっているのだと思います。
記者として大事にしていることは?
声の大きい人は何もしなくても注目されやすいですが、そうではない人たちのことも取材して伝えていきたいという思いが自分の中にはあって。理不尽なこと、辛くても我慢していること、どうしても抜け出せないこと……色々なことがあると思うんですけど、報道を通じてそうした人々が抱えている苦しみが少しでも良い方向に向かったらと思います。