なぜ日本人はSNSで他者をバッシングし続けるのか...「日本人が世界一イジワルな理由」“強い不安遺伝子”と“正義中毒に弱い”という特徴がヤバすぎる

ネット上の誹謗中傷が異常なまでに盛り上がり、他者を自殺に追い込む国は日本の他に類を見ない。日本社会はなぜ悪意に満ちているのか。その根源を探ると日本人のもう一つの素顔が浮かび上がった。

前編記事『日本人は「世界一礼儀正しい」が「世界一イジワル」だった...「自分の利益より他人の不幸を優先する度合い」を測る実験で「日本人ダントツ」の衝撃結果がヤバすぎた』より続く。

悪意は理性を超越する

人類史における悪意の起源はギリシア神話にまで遡るとされる。トロイア戦争の英雄アキレスは、ギリシア軍総大将アガメムノーンに自分の奴隷を奪われた腹いせに、同じギリシア軍でありながら、アガメムノーンへの協力を拒んだ。しかしその結果、戦況が傾き、アキレスは戦争に参加していた親友のパトロクロスを失う。

ユダヤ人に古くから伝わる民間伝承にも悪意の起源を見ることができる。魔法使いがある男に「願いごとを一つ叶える」と持ちかける。ただし、条件として「あなたの大嫌いな隣人にはその倍の願いごとを叶える」と言う。そこで彼は「片方の目を盲目にしてほしい」と願った。

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2つの物語に共通しているのは、悪意は相手に害を与えると同時に、その過程で自分にも害が及ぶリスクがある行動であるということ。かのアリストテレスが定義したように、悪意とは「自分が得するためではなく、相手が得しないように邪魔すること」なのだ。

 

人間の悪意を理解するために、もう一つゲームを紹介しよう。それは「最後通牒ゲーム」だ。別々の部屋にいる相手とペアでプレイし、10ドルを与えられ、まず片方が2人の分け前を決める。もう片方は提案を受け入れるかどうかを選ぶ。提案を受け入れれば2人とも決めた額のおカネがもらえ、受け入れなければ2人とも何ももらえない。

多くの経済学者は、何もせずにカネをもらえるから、どんな提案でも受け入れるのが合理的であると思っていたが、結果は違った。最後通牒ゲームは世界各地で行われたが、2ドル以下の提案を拒否する人が、約半数にのぼることが実証された。

自分が2ドルしかもらえないのに、相手が8ドルをもらうのは不公平であると感じ、相手への報復として、損を承知で双方とも1ドルも受け取れないようにしたわけだ。

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