羽生先生の発言は何が開発者の反発を招いたのか?

2つ前の投稿で羽生先生のインタビュー記事の発言を取り上げたらプチ炎上しました。私は特に炎上を狙ってやっているわけではなく、羽生先生の発言が将棋AI界隈に悪い影響が残り兼ねないので書いたのですが、開発関係者からは一定の同意が得られたものの、将棋ファンからは殺害予告やら、こんなツイートやらが届く始末です。

まあ、一線を越えているものに関しては関係各所と連携しつつ、粛々と対応させていただく次第です。(念のために言っておきますと、将棋ファンのすべてがこういう人たちばかりだとは私は思っていません。極一部にちょっとややこしい人がいらっしゃるという認識です。)

この記事は大変長くなるので、「最新版のやねうら王が(お金を出してでも)欲しい!」と言う方や、「やねうら王の開発に支援してやる!」と言う方は、とりあえず、この記事の末尾のリンクから御支援くださいませ。

今回は、前回の羽生先生の発言を再度取り上げ、何がおかしいのか、どういう視点が足りていないのか、何故今回の羽生先生の発言が開発者からの反発を食らうのかについて詳しく説明します。

しかし、予め書いておきますが、私は羽生先生の大ファンです。『羽生の頭脳』1~10巻をすべて初版で発売日に購入しています。羽生先生が奨励会時代からその棋譜を追いかけています。羽生先生は私の世代にとってスーパースターです。私がど田舎で悶々とした大学生活を送っていた時に七冠を達成され、オールラウンダーで、特定の戦法に固執しないその戦い方に痺れました。これこそが将棋なんだなと思いました。私の鬱蒼とした当時の大学生活は羽生先生のお陰で豊かな色彩を持つようになりました。そのことに本当に感謝しております。

そんな羽生先生に物申すのは、大変心苦しいのですが、このタイミングでしか書けないので書いておきます。

まず、将棋AIの歴史的をおさらいしておきます。

将棋AIにとって大きな転換期となったのは2005年6月にBonanza1.0が公開されたことです。公開したのは、(当時)化学の研究者であった保木邦仁先生です。保木先生は、当時トロント大学で研究生活をしながら趣味でBonanzaを開発されました。

Bonanzaは機械学習を用いており、この将棋AIを当時のハイスペックなPCで動かすと奨励会3段が負かされるぐらいの強さがありました。(渡辺明九段が自身のブログで「プロが平手で餌食になった」「奨励会有段者クラスがコロコロ負けているらしい」などと書かれていました。)

Bonanza公開以降、商用の将棋ソフトというのは販売数が激減し、従来のような商用版パッケージとして発売して開発費を回収する将棋ソフトの開発スキームは成立しなくなりました。実際はそのあと『東大将棋』や『激指』、『将棋神やねうら王』みたいなソフトがマイナビから発売されましたが、いずれのケースもすでに将棋AIの思考部分を趣味や大学での研究で開発していた人たちが、GUIをくっつけて発売したに過ぎません。

ついでに言うと、この最後の『将棋神やねうら王』は、私の会社で開発したのですが、これを開発した年の私の会社の売り上げは3,000万円ぐらい前年度比で落ち込みました。私の会社にとって、社長(私)がのめり込めばのめり込むほど赤字を垂れ流す不採算部門です。間違いなく、歴史上将棋AIの開発によって最も損をした人間が私なのです。(これは、将棋カルトクイズに出題されてもおかしくないですね。)

さて、そのようにBonanzaと言う将棋ソフトを無償で公開された保木先生は大変優れた人格者であった(と思う)のですが、Bonanzaを無償で公開してその後の将棋AI界をビジネスが成立しないような焼け野原にしてしまった意味もあります。この点においては、アニメを普及させるために安い単価で仕事を引き受け続けてその後の何十年もアニメ界をブラックな労働環境にしてしまった手塚治虫先生を彷彿とさせます。このような「無償公開」は、ダンピング(不当廉売)にも似て、正常な市場を完膚なきまでに破壊してしまいます。

そしてBonanzaは、その後、2009年1月にソースコードが公開されます。これにより、他の開発者がBonanzaがどういう仕組みで動いているのかを理解することができるようになり、ソースコードを改良してさらに強い将棋AIを開発できる土壌ができました。

そのあと、Stockfishというチェスのソフトを参考にする開発者が増えてきます。これは、株式会社ドワンゴが主催した「将棋電王トーナメント」(2013年~2017年)を契機として、将棋AI開発者間の交流が進み、「Bonanzaを改良してその探索部をStockfishに差し替えるとめっちゃ強くなる」(これは当時Bonafishなどと呼ばれた)という情報が広く行き渡ったからです。

「差し替える」と言ってもBonanza自体のソースコード上にはコメントがろくになく、パズルのような技法(Bitboardや一見意味不明の定数値など)を多用してあったので、差し替えるのは容易ではないのですが、そのあと、Aperyという将棋ソフトがGitHub上でOSS(オープンソースソフトウェア)として公開され、それに対抗するように、その直後にやねうら王も同じくGitHubでOSSとして公開されたので、それらを参考に開発する開発者が一気に増えました。

私がやねうら王をOSSとして公開したのは、公開したくて公開したのではなく、Aperyが公開した以上、公開しないと開発競争に負けるという判断からです。そして、その判断は実際、正しかったのです。

なぜなら、将棋AIは小さな改良を積み上げていく世界なので、多くの開発者にコミットメント(参加)してもらうことが強い将棋AIを開発する上では必須でしたから。OSSの理念は、多くの人々がプロジェクトに貢献することで、よりよいソフトウェアを作り上げるという願いに基づいています。これが、将棋AIの開発と非常にマッチしたわけです。

そのようにして、GitHubで公開されたやねうら王には多くの開発者が貢献してくれました。お陰様で、2019年に開催された世界コンピュータ将棋選手権(WCSC29)では、私のチーム『やねうら王 with お多福ラボ2019』が優勝し、また、その決勝の上位8チームすべてがやねうら王の思考エンジンを採用していました。

結局、BonafishのようにStockfishを参考にした将棋AIは当時数多く生み出されはしましたが、2019年にはやねうら王とそのfork(ソースコードを分岐して改良すること)以外はすべてWCSCの決勝の場からは淘汰されたのです。「Stockfishを参考にすると誰でも強い将棋AIが作れる」は正しい(正しかった)のですが、同じようにStockfishを参考にしても、その仕組みを完全に理解していないとそこからさらに強くすることはできないので、「Stockfishを参考にしても、(やねうらお以外の)誰も最強の将棋AIは作れない」という状況になったのです。

もうお分かりかと思いますが、私は、将棋ファンに向けて「将棋ソフトを無料で公開するから是非将棋ファンの皆さん、遊んでください」と考えているような篤志家などではなく、どちらかと言えばOSSの開発にコミットメントしてくれない人たちは、「やねうらおがインスコロールができません」とか「ZIPってなんですか?レンジでチンするやつですか?」とか、「どれをダウソロードしたらいいんですか?」とか「実行したらウイルスだとでました」とか「YaneuraOu.exeってのをダブルクリックしたら黒いメモ帳(コマンドプロンプトのこと)が出てきました」とか、ツイッターのDMでそういうことを言ってくる面倒な人たちです。場合によっては冒頭のツイートのように「キ◯ガイ」呼ばわりされたり、言われもない中傷をされたり、殺害予告を受けたりします。有償ならともかく無償ではそういう人たちのサポートをしたくありません。

しかし、OSSの世界では、コミットメントしない人たちに対しても包容的であることが求められます。

例えば開発にソースコードレベルで関与してくれない人であっても、やねうら王を使用した上でバグ報告をしてくれるだとか、将来的に貢献してくれる可能性があるだとか。また、OSSには教育的役割もあり、興味を持つ人々に対して、将棋AI開発の学習の機会を提供する意味合いがあるだとか、コードレベルでだけでなく、アイデアや文化の共有も必要なのでそういう場を提供する役割もあります。私としても、このことは重々承知はしているのですが、そういう人たちを広く受け入れるレベルまで私の人間性が成熟していません。どこまでできるかは私の心の余裕次第で、私にとってそれらは努力目標です。もう少し私が心が広くかつ人格者だったら良かったのでしょうけども。

さて、そのような経緯でやねうら王はOSSとして公開してきました。やねうら王は、「無償でいいからどうか使ってくれ」ではないのです。まして、「俺はプロ棋士のファンだからプロの先生に使ってもらえたらとても嬉しい」でもないのです。(そういう考えの開発者の方も確かにいらっしゃいます。私はそうではないというだけです。)

繰り返しになりますが、OSSとは、単なる無料のソフトウェア以上の意味を持ちます。OSSは、コラボレーションと共有の文化に根ざしています。ユーザーは、ソフトウェアの使用だけでなく、コードの改善や新機能の提案に参加することが奨励されます。OSSコミュニティは、開発者とユーザー間の対話を重視し、互いに学び合う環境を提供します。利用者は、バグの報告やドキュメントの改善に貢献することで、プロジェクトの発展に寄与できます。OSSを利用する際には、この開かれた精神を理解し、可能な限りコミュニティに貢献することが望まれます。これにより、ソフトウェアはより良く、より使いやすく進化し続けます。最終的に、OSSはただのプロダクトではなく、知識と経験を共有する動的なコミュニティです。

羽生先生の発言を再掲します。

「将棋をこよなく愛する開発者のみなさんは、将棋ソフトの開発で稼ごうと思っている人たちが少ないのです。(中略) 私たちが将棋AIを使うためのアプリも無償で公開してくれています。(中略) 開発者のみなさんが自主的につくってくれているのです。本当にありがたいですよね。」

羽生先生の発言が、保木先生のことを指しているなら、正しいかも知れません。(保木先生が将棋をこよなく愛しているのかは私は知りませんが) ですので、羽生先生が(歴史的事実と照らし合わせると)それほど間違ったことを言っているとは私は思っていません。まあ、将棋AIの開発者すべてが将棋が好きでそれをモチベーションとして将棋AIの開発をしているわけではないですが…少なくともAIの開発は好きなのでしょうけども。

あと、開発で稼ぎたくとも、保木先生が将棋ソフト市場を焼け野原にしてしまったので商用パッケージとして販売するのはほぼ不可能という状況なので稼ごうと思っていないわけではないです。電竜戦では上位入賞者に賞金が出ましたが、誰一人として賞金を辞退はしていないと思います。開発にはお金がかかるので、もらえるものならば欲しいです。

羽生先生に悪気がないことは重々承知していますが、今回のこのあたりの発言が「将棋が好きなんだから将棋AIの開発を無償でやって当然」と考えているように見えかねないというのと(羽生先生がそういう意図で発言されていないことはもちろん理解しています)、また、上で書いたようなOSSの理念を理解せず、ただの無料のソフトウェアと矮小化し、コミュニティに還元する意志を持たないように見えるので、開発者から反発を受けるのです。

羽生先生のような莫大な影響力を持つ方が、OSSの精神性を丸っと無視して(無視しているように見える)、「無料」の部分だけを切り取られて発言されると、将棋AIやOSSの発展の妨げになりかねないのです。

OSSの開発者にとっては、羽生先生の今回の言葉が、デパートの試食コーナーでたらふく食べて「ここに来れば料理を作るのをこよなく愛する人たちが無償で料理を提供してくれているんです。本当にありがたいですね。」と言う人に聞こえたんです。

羽生先生の今回のインタビュー記事が、子供向けの記事で、そのなかで「OSSの理念とは」みたいなことを言っても子供は理解できないでしょうから、今回のインタビューのなかでOSSの話が出ていないのは至極当然であり、このインタビューの発言が間違っていたとは私は思ってはいません。

しかし、将棋AIの開発は、ここ近年、非常に資金がかかるようになってきているので、「将棋ソフトは無料で提供されている」というイメージを羽生先生によって広められてしまうと、将棋AI開発コミュニティ自体が立ち行かなくなりかねないのです。そのことを私は強く懸念しています。我々のスーパースターにこのようなことを申し上げるのは大変心苦しいのですが、何卒ご理解いただけますと幸いです。

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羽生先生の発言は何が開発者の反発を招いたのか?」への16件のフィードバック

  1. OSSの理念とかは知らなかったので勉強になりました
    やねうらさんは変わり者で炎上もよくする人間なので
    開発者が、と主語がデカいのがどこまで本当なのかわかりません
    コメントとかでやねさんに同意する方、居ましたら意思表明をしてほしいなと思いました

  2. エンジニアの端くれですが記事の内容に賛同します。
    OSS へのいわゆる「タダのり」が増加することは、そのコミュニティをビジネス的にもモチベーション的にも破壊することは間違いありません。
    影響力が強く、将棋AI にも理解があるはずの羽生先生の発言だからこそ、「稼ごうと思っている人が少ない」≒今後も無料で使わせてくれるよね、という誤解を招きかねないコメントになったのは残念に思います。
    羽生先生をはじめとした偉大なプロ棋士の皆様の理解が増し、開発者の皆様への支援が少しでも増えることを願ってやみません。

  3. 羽生さんを含む一般ユーザーは「便利なソフトなら使う。無料ならなお嬉しい」以上の考えは普通はありません。これはOSSだから頑張ってバグ報告しなきゃとか思いません。
    開発者が自分の考えでソフトを無償にしたり、自分の都合(Aperyへの対抗)でOSSにしたりしているのに、一般ユーザーの意識が低いと言って怒るのは違うんじゃないですか?

    • やねうら王はGPLv3というライセンスで配布されています。単なる無料のソフトではありません。このライセンスのもとに利用できるのです。GPLは、ソフトウェアの自由と共有を重視するOSSの理念に深く根ざしており、この理念を守らずに利用するのはライセンス違反となります。(利用できません) ライセンス違反をしているユーザーに警告したり怒るのは当然のことじゃないですか?

      • GPLに「理念を守ること」という項目は無いように思います。
        どの項目を元にライセンス違反とおっしゃられているのでしょうか?

        開発者に色々な思いがあることは理解しますが、それとは別にライセンスは正しく運用されるべきだと考えます。

      • GPLv3に「OSSの理念を守らずに利用してはならない」という、実にOSSの理念から外れている条文があるというのは聞いたことがないのですが、具体的にどの条項として記載がありますでしょうか?
        今回の件において、少なくとも羽生先生をはじめとした一般的な非開発者の利用方法にGPLv3へのライセンス違反があるとは思えません。

        • 元の投稿者のレベルに合わせて私が雑な書き方したのでツッコミが速攻で2つきました。(ツッコミ、ありがとうございます)

          仰る通り、「理念を守れ」という条項はありません。ゆえに一般的な非開発者の利用方法はGPLv3のライセンス違反にはなりません。

          しかし、GPL自体が全体として(具体的には「ソースコードの提供」「派生作品のライセンス条件」「改良と再配布の自由」)からわかるように、ソフトウェアの改良とフィードバックのプロセスを促進するために設計されており、これによりコードの品質向上、イノベーションの促進、そしてオープンソースコミュニティの発展が期待されます。そのようなGPLの精神性と条項の意味を踏まえた上でご利用くださいと言うことです。

          • やはり理解できません。

            GPLはソフトウェアをクローズドにさせないためのライセンスであって、それ以上の部分(後半に書かれている所)は主観的な解釈にすぎません。

            ユーザーに、その主観的な部分までくみ取って利用しろというのは無理があるように思います。

          • > その主観的な部分までくみ取って利用しろ

            この場でこの解釈について議論するつもりはありません。また、私はそう解釈することを法的要件として強制していません。(しません)

          • GPLv3をはじめとしたフリーソフトウェアの理念は、コードの実行・確認・改造・再配布の自由だと考えられます。これは公式的な団体の定義もあり、ライセンスの記述からも読み取ることができます。
            https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.ja.html
            https://opensource.jp/osd/osd19/
            一方で、やねうらおさんが言う「OSSの理念」は定義・ライセンスにも一切記載がなく、その理解が一般的であるとも思えません。
            言うとすれば「OSS開発コミュニティの参加者が持っていることが多い理念」といった感じでしょうか。
            将棋AIの開発は全員が好きでやってるから無料でいいよねという誤解が広まると困るとやねうらおさんが感じるのと同様に、コントリビューションが「OSSの理念」でありその利用にはその理念を理解するべきという誤解が広まると困るというのが自分の考えです。

          • > コントリビューションが「OSSの理念」であり

            ここまでは正しいと思ってます。OSIのオープンソースの定義も、FSFのフリーソフトウェアの定義も、いずれもコントリビューションを促進するために定められていると私は考えています。
            これについてこの場で議論するつもりはありません。

            いずれにせよ、私の元投稿者への不用意なコメントが誤解を招いたようなのでその点はお詫び致します。
            本記事とは本質的な関係のない議論が長々と展開されるのは本意ではないため、このコメントツリーは丸ごと明日の24時に削除させていただきます。

  4. Xのタイムラインで見かけて、ブログを拝見させていただきました。
    一端くれのソフトウェアエンジニアとして非常に共感できる内容です。

    オープンソースの理念というのはソフトウェアの世界で重要なものであるとともに、常々フリーライダーに対する問題を抱えてきました。

    そういった世界に触れてこられなかった人には、なかなか理解に時間がかかる部分があるかと思います。
    ただ、やねうらさんは敬意を持って羽生先生の発言に懸念を表していることを私には伝わりましたし、多くの方にも伝わると思います。
    なので、やねうらさん独りよがりの意見ではないとかなと考えてます。
    その点がもし不安に思っていたのなら、安心していただければと思いコメントしました。

  5. 多くの将棋AI開発者にとっては、
    ・プロ棋士や一般のユーザーが研究や検討に使うのは上位の一握りである
    ・やねうら王がスポンサーを得ても、自分に直接のメリットはない
    ・やねうら王以外のフルスクラッチ勢が淘汰された後に言われても今更感がある
    ・殺害予告、5ch/X等のSNSでの炎上が怖いため、直接言及したくない
    ため、声を上げること自体ないのではないかと思います。

    以下のような言及もあるため、棋士の方々がライセンスを把握して、再頒布しているとは思いませんが、羽生先生に責任を求めるのは酷かとは思います。
    https://bleu48.hatenablog.com/entry/2021/10/01/165338


    特に棋士間や将棋教室内でUSBメモリに入れたものを巡回されたり,知人に入れてもらったりといったケースが多く,使用している本人もソフト名やバージョン番号を知らないことも珍しくないそうで,プロ棋士でも実際にわからないと答える方も多くいました。意外にネットに繋がっていないPCが多いのですね。

    一方で、中高大学生などの若手や新規参入の開発者にとって、魅力的な界隈であって欲しいと思います。

    無料で公開するのが当たり前であり、ボランティアが当然であると、将棋AI以外の分野であれば、高給を得られる可能性がある優秀な人材に強いるのも、また酷かとは思います。

    スポンサーや寄付を含めたOSSコントリビュートが、一般化すること自体は歓迎するべきかと思います。

    • > 羽生先生に責任を求めるのは

      私は、求めてない(つもり)です。

      「羽生先生は影響力がとても大きいお方だから、その発言によって将棋ソフト無料説が広まると嫌だからこっちはこっちで補足しとくね」程度(のつもり)でした。

      ですので、羽生先生はどうかこのまま健やかにお過ごしいただければと…。

  6. 初めてコメントいたします。いつも楽しく拝見しています。

    少し漠然とした話ですが、先日山口恵梨子先生のチャンネルにてゲスト出演されていた藤井猛先生は、研究会についてこうおっしゃっていました。

    プロ同士の研究会はもらうだけではダメ。お互いにプロなのだから、ギブアンドテイクでなければならない。一方的にもらうだけではダメだ、と。

    本質的にやねうらお様がおっしゃりたいのは、そういうことではないのかと思われました。
    あえて汚い単語を使用いたしますこと、お許しください。将棋ソフト開発業界を、将棋業界の経済奴隷としてしまうのではなく、次のステージで共存するためのエコシステムの提案などがあればよかったのではないかと感じられたということではないでしょうか。

    まして、現在の羽生先生は、棋士集団の代表者であるため、その影響力によって発言内容だけが独り歩きし、両職業者の世間的な役割が固定化され、結果として将棋ソフト開発環境を目指す人間が減ることを危惧されたのではないでしょうか。

    単にライセンスの範囲か否かや、ただだからいいのだという目先の話ではなく、将棋界と将棋開発者の世界が中長期的に、職種は違えど、どうプロ同士として関係構築をし続けていくのかを模索するためのアンチテーゼだったのではないかと思われました。

    長文、失礼いたしました。

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