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秘黙のフェアラート、通過の感想

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2023-12-30 15:49:43

秘黙のフェアラート、通過の感想
主にシナリオ周りの感想になります。
ネタバレ注意。
率直に感じたのは他人に対するリスペクトがないシナリオと言う印象です。
個人的にはお勧めしたくないです。

Posted by @TRPG_TOXMX

【はじめに】
当たり前ですがネタバレ注意です。
今回は顔見知りの人達とやったので「まあ仮にシナリオが面白くなくてもこのメンツなら行けるやろ」と思っていたのですがそれだけではどうにもならない物もあると言うのが身にしみて分かりました。
まあなんとか丸く納める事は出来ましたが。
まず断っておきますがGMが悪いとは一切思っていません。むしろよくこのシナリオを回し切れたなとすら思ってます。本当にお疲れ様です。絶対普通のシナリオより回し辛そう

【自分のPCナンバー】
今回はPC3でした。HO内で「PC4にUGN脱退を進められて揺らぐ可能性」を示唆されていたので、手間を掛けるのも悪いな、と思いかなり手堅いUGNチルドレンキャラを作っていきました。
その中で「他人に関わるのなら最後まで責任を持つ」と言う理念で動いていたのですがまあこれが致命的にこのシナリオで相性悪かった。
それ故に支部長の記憶処理の件だったり切札の立ち回りが腑に落ちない点に他のPC以上に敏感になっていた可能性は正直ありますね。
まあ他のPCでも多分目についていたとは思いますが。

【シナリオ】
まずシーン数が膨らみ過ぎです。
普通のシナリオは大体10シーン前後ですがこのシナリオ、なんと倍の22シーンです。多すぎ。
そしてぶっちゃけると半分位カット出来ると思いました。その辺は後ほど。
で、シーン数が多くなるとどうなるんだ?
知らんのか、純粋にダレる。
そして手持ち無沙汰になる時間が増える。そうなるとPLとしては大半はシナリオラインを見て、自分や他のキャラを見てシナリオにおける自分のキャラの落とし所を見定めようとします(しますよね?)。
つまりはシナリオをじっくり見る時間が増えるので「……あれ、これっておかしくね?」と冷静になる時間が多くなります。
このシナリオ、そもそもの問題NPCの理論は穴だらけ、矛盾する行動や一貫性が無い行動が多く振り回される点が目立ちます。
NPCの喋るシーンが多く、必然的にPC同士でシナリオを回す為に必要な会話が減る→PC達の必要性がない、と言う状態になりかねません。
TRPGはよくも悪くもPCがシナリオに関与して行動する点がキモだと思っています。
しかし、今回のシナリオは言ってしまえば「PC達はそこにいるだけでいい」みたいな状態に陥っている時があります。
加えて、シナリオの終着点がクライマックス直前まで見えない状態が続き、個人的には後述する点も相まって非常にストレスでした。
クライマックスまでラスボスの正体が掴めないと言うのは恐らくサプライズを意図したとは思うのですが、ゲームにおけるサプライズと言うのは電源系ゲームならまだしもTRPG等では基本悪手です。
その辺の詳しい話はふぃあ通TRPGチャンネルがやってたと思うのでyoutubeを見てください。
そんな状態でようやく出てきたシナリオボスがまたしてもUGNの裏切り者であり、PC達にはボスの動く動機がほぼ見えていない状態でこちらを頭ごなしに否定する。
少なくとも自分はそんな風に感じました。
と言うか失礼を百も承知で言うのですがミドルフェイズがまるっと必要ない印象です。起承転結で言えば
起:過去の事件で切札と言う少年が事件を解決した事があり、それにPC達が関わっていた描写
承:そんな切札が失踪、捜索を開始
転:月華が犯人と発覚、クライマックスへ
結:月華を倒して切札を回収、エンディングへ
ざっくりですがこんな感じでやれる話だと思います。
今回のミドルボスである岡崎は自分から見ていてシナリオ内に全く必要ない存在と言う印象です。
後でも語りますが正直ストレスの塊でしかなかったです。

【「ストレスって?」「ああ!」】
シナリオ中、話の流れでUGNの批判だったり各組織の不満点が出てくる事は往々にしてあると思います。そういう時もあります。
しかし、このシナリオUGNへやたらヘイトの高いNPCが二人もいます。岡崎と月華です。ミドルボスとシナリオボスですね。
UGNの一側面だけを切り取って「UGNがチルドレンを切り捨てている!」「UGNが悪い!」と言われる回数が多く、その傘下のUGNチルドレンとして対面していてかなり辟易としました。
別にUGNの思想を誰がどう感じようと構いはしないですし個々の勝手だとは思います。
ですが、シナリオ中に何回もかつシナリオの大筋で関係がないのにも関わらず自分の所属組織についての悪態を付かれて楽しい人はいないと思います。
意図的か否かはわかりませんが岡崎は行動自体に矛盾があり、月華に至っては「何故何があってどうしてUGNが嫌いなのか」がPC達には鮮明に見えない、分からない状態でぶつけられても何も返せません。
遊戯王でソリティアをするタイプのデッキによく言われる「そんなん壁とやってろ」と言いたい状態でした。
説得力の無い罵詈雑言はPL、PCには多大なストレスです。特にシナリオの筋やキャラクターに取って一ミリも関係のない罵倒は。
ところで皆さんムービー銃ってご存知ですか。ゲームにおけるスラングの一つなのですが。
言ってしまえば「ゲームの戦闘中はどうやっても死なないがムービーに入った途端死ぬ」と言う奴ですね。
ここは個々人の感覚だとも思うんですが自分はムービー銃って「自分で倒した!」と言う感覚にならないんですよね。
何故ならムービー銃の大半は突然現れた第三者による物だからです。
さてなんでこんな話をしたかと言うとこの二人、基本第三者の手、もしくは自爆での退場するので振り上げた拳を降ろし切れなかった感が半端では無かったからです。
今回の様に純粋なヘイトの高いキャラを出すのであればその分PCやPLに対して気持ちよく殴らせてあげる立ち振舞はとても大事です。言うなればプロレスですね。
こちらの言う事に一切耳も貸さず、好き勝手にある事無い事言うだけ言って第三者の手や自滅され、殴りきれた感覚がないまま退場されては制作者がやりたい事やって満足して終わり、過ぎます。
先程から言ってますが一番問題なのはこのストレス、シナリオ展開上全く必要無いからです。
ただただ不快でした。

【NPCについて】
・切札陽翔
うまく言語化出来ないのですが「ま、王道派主人公なんてこんなもんでしょ?w」って明らかに舐めた空気で作られてるな、と言う感触です。
このキャラの発言一つ一つがとても軽く、雑です。本当にお人好し系王道主人公の外枠だけなぞられて作ったキャラ。
仮面ライダーで例えると「こいつはクウガの五代雄介です」と言って出されたキャラクターが実際は仮面ライダーオーズの火野映司だった、がわかりやすいかもしれません。
知らない人向けに言うと欲望と願いの履き違えがすごく気になります。
PC1は「切札君の要望で記憶を封じられた」、PC2は「切札を一度殺害している」と言うHOなのですがそれが「自分の日常が壊れるのが嫌」と言う理由で全てを無かった事にしましたが、自分は少なくともその行動は「欲望」に写ります。
PC1、PC2が今まで通りに過ごして欲しい、までは分かるのですが「だからそれをPC1の意志に関係なく記憶を封じる」と言うのはシナリオの都合とは言え「正義感が強く曲がった事が許せない性格」がやることでは無いと思います。
自分のPC3は「他人に関わるのなら最後まで責任を持つ」と言う理念で動いていたキャラクターですがまーこれが相性最悪でしたね。
PC3から見た切札は「口先だけで自身の行動に責任を持たない男」と言う認識が最後まで抜けませんでした。
実際PC1の記憶処理を支部長に頼み込んでいる時点で自分のやった行動に対して責任を持ってないと見えるのはある種必然ではないかと。
四の五の中身の無い事を言わせる前にOP位でとっとと攫われるべき役回りだと思います。それが嫌ならもう少し王道系の主人公の動きや作り方を学んできてから作って欲しかったところです。

・白雪 月華
シナリオの方でも少し書きましたが「なんでこの子が切札君を狙っていたのか」「なぜUGNを裏切ったのか」に視点を絞ってシナリオを作っていたら面白くなっていた気がします。
シナリオボスなのに最後まで自身の目的を明かさなかった事でシーン数が嵩んだ原因になっていた挙げ句、「自身の支部の戦闘員を別支部に出動させる」「その癖、事態の収束を同期のPC3や支部長でなく、UGN外の人間に助けを求める」等、よく分からない挙動でPL達を困惑させる事は無かったかと。
クライマックスまでサプライズ目的で引っ張ると言うのは裏を返せばそのボスキャラに対する掘り下げをあまり出来なくなる、と言う事になります。
もう少しきちんと掘り下げがあれば悪役として魅力的に表現出来そうな存在だっただけに非常に勿体ないな、と思います。
後岡崎もそうなのですがUGNに対するヘイトの高さ、いらないです。
そうまでしてUGN叩きをする必要は全く感じないです。
純粋に切札と言う恋した男の子の為だけに世界を敵に回す女の子、ってだけで十分キャラが立ちます。

・夜長 暁久
全体的に存在が謎と言うかそもそもこの人が原因なんじゃ?とすら思ったキャラです。切札君の欲望をゴリ押した上で願いを聞き入れてほしい等と言っているがそもそも支部長の行動はUGNの理念に反するのではないでしょうか?
PC1に賢者の石が埋まっていて、それが争いの火種になるのを理解した挙げ句、UGNで保護するわけでもなく日常に返すと言うUGN支部長にあるまじき愚行です。いやまじでUGN支部長として行動が変。
UGN側の人間としては終始「本当にこいつ支部長か?」となっていました。と言うかそもそもこいつが切札君の欲望をゴリ押しする理由があまりにも雑過ぎる上に自分が揉めるのを嫌がったので記憶処理のシーンで自PCがいない事にしてしまったのですがこんな半端な思いをする位なら噛み付いた方がいっそスッキリしたかもしれないとすら考えてしまいました。
言っておきますがこれはポジティブな話じゃなくてネガティブな話です。「こっちばかり一方的に噛みつかれてスッキリしねぇから別のNPC通して作者何考えてんだテメー」って八つ当たりしてるような物です。
知り合いのGMだからこそそんな考えは浮かばなかったけどシナリオ制作者直々にやってたらマジでやってたかもしれない、とか思った。
良い子の皆さんはぜっっったいに真似しないでくださいね。
正直こんな舞台装置でしかない支部長を出す位なら支部長枠を作った方がマシです。
まあそうなると記憶処理の一件なくなるのでPC1はイリーガルになっているかもしれませんがそもそも記憶処理周りの設定が甘いのでそっちのがマシかと。

・岡崎 玄介
この人いる?筆頭NPC。恐らくシナリオ制作者の「UGN嫌い!」だけで登場したんじゃないか?と思う程にひたすらにUGNを卑下してUGNチルドレンの為と大義名分を振り回しながらチルドレンを消費しようとしてる狂人。
一般的にこういった行動をするNPCを自分はジャームと思っているのですがどうもジャームではなさそうです。なんで?
どう考えても必要以上にヘイトを買ってたのに、気持ちよく殴り飛ばせるわけでも口プロレス仕掛けても一点張りで上から目線を崩さずに罵倒、最終的に月華のエネルギーになってしまい、マージで上げた腕を振り下ろせなかったのが一番のストレスだったキャラ。
ヘイト貯めるだけ貯めて殴り飛ばしきれないってのが本当にストレスだから即刻辞めるべきかと。
こいつとの初接触が終わった辺りで「シナリオにこじつけてGMがUGNに対して罵倒したいだけだろ」と思ってました。
何度も言いますがいっそこのキャラを出さないで月華と切札でシナリオ組んだほうがまだストレートにやりやすかったまであると思う。とにかくいらない。

【総評】
改めて今の自分周囲の人間が作るシナリオの精度の高さすごいんだなぁと感じたシナリオでした。
そもそものこのシナリオの始まりは公式シナリオのクランブルデイズの後日談と聞いていましたが、ロストボーイ事件なるものはクランブルデイズとは似て非なるものですらなかったです。
王道だけが道ではない、けれど王道を知らなければ外道を進めるわけがない、と改めて痛感しました。
また、罵詈雑言の件もそうですが全体的にNPCの言葉遣い、選び方が気になります。受け取る相手の想像をしてない、と言うべきですかね。
PLやPC達がそれを受け取ってどう考えるか、が全体的におざなりに感じます。
TRPGと言うゲーム(と言うかコミュニケーション全般に言える事ですが)に最も大事なのは他人に対するリスペクト、だと思っていつもやっています。
正直感覚的なだと思いますし事細かに説明するのは難しいんですが少なくとも自分に取ってこのシナリオはPL、PC達に対するそういった類は感じませんでした。
何度でも何千回でも言いますがこの件に関しては絶対にGMのマスタリング能力とかの問題ではなく制作者側の配慮すべき話だと思います。むしろGMにはこのシナリオを回しきってくださった事には感謝と尊敬の念すら感じる。
色々言いましたが自分の班はPC達に対してきちんと向き合っていて、GMも出来る限り向き合ってくれ、楽しくセッションをしていたと思います。かなりシナリオが不満点多いだけで。
めっちゃ長くなった上に乱雑な部分があったりするかと思いますが大体感じた事は書いたと思うのでこれにて終わりです。
それでは皆様よくTRPGライフと良い年を。


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