「パパがなぜ死んだのか、それをたくさんの人に教えたい」
私が取材を終えた頃から、須田さんは自分の身の上に起きたことを人前で社会に訴えるようになった。
接種後に死亡した遺族の集会などで「なぜ夫は死ななければならなかったのか」という抑えきれない感情を、努めて冷静に語った。
時には長男と一緒に。
小学生の彼が書いた手紙を見せてもらった。
そこには、大好きなパパへの愛と、ワクチンへの思いが綴られていた。
「パパがなぜ死んだのか、それをたくさんの人に教えたい」…彼の言葉が頭から離れない。
この取材から半年後の2023年春、国の予防接種救済制度で救済が認定され、死亡一時金が出ることになった。
しかし、国はあくまでも、正太郎さんの死因は「ワクチンだ」と認めた訳ではなかった。
これは死亡との厳密な因果関係とは別にお金で救済する制度だからだ。
彼女の闘いは今も続いている。
マイクの前に立ち、慣れない人前で訴える。
「夫はなぜ死亡したのか」…自分と同じようなつらい経験をしてほしくない、それがいま、彼女の原動力となっている。
(取材:CBCテレビ報道部 大石邦彦)
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