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オードリーから気持ちが離れていった2023年

面白いけど、これ、毎週毎週、何を見させられているんだろう。

ふと『あちこちオードリー』を見ながらそんな事を思ってしまった。

芸人やタレントを集めて、若林さんの現在の興味である「芸能界を生き抜く術」「タレント処世術」みたいなトークを毎週のように放送している。もちろん、TVerの1.5倍速再生で視聴する分には嫌ではない。

だけどある日、「私は今一体何を聞かされているんだろう?」って気持ちになってしまったのだ。

タレントや芸人のバラエティ番組での振る舞い方がどうのこうの。

申し訳ないが、心底どうでもいい…!

しかしこれは、自分的には不本意な感情だった。だって、オードリーの事が大好きで、彼らの番組を視聴することは既に生活の一部になっていたから。


第1回放送から欠かさず聴いていたオールナイトニッポン。同じくらいのタイミングでゆっくり聴かなくなっていった。

私はオードリーの成長物語を共に楽しみ、そしていつしか、追いかける目的を見失っていたのだ。


オードリーはM-1グランプリ2008に始まる、若林さんの葛藤と成長を楽しむコンテンツだった。自己投影の対象のような存在でもあった。しかし、ドラマ『だが、情熱はある』をとどめに、その物語は一旦終演した感がある。


最初彼は「人見知り」の「音痴」だった。そして春日さんに隠れた「じゃない方芸人」だった。人と喋りたくないので楽屋で缶コーヒーの裏に書かれた文字を読み込み、芸人をアイドル視する雑誌ではかぶりもののトラのぬいぐるみを頭に乗せるような人だった。クイズに間違えて情緒が崩壊し、号泣したりもした。

いやしかし、周囲がどれほど予想しただろう。テレビタレントとして売れに売れた。三菱電機のメインキャラクターにまでなった。

若林さんの著作も買って読んだ。オールナイトニッポンの武道館も観に行った。大好きだった。いや、嫌いになった自覚はない。でも、急速に気持ちが離れていく自分に気付いてしまったのだ。


あの頃全然オードリーなんて興味なかった人たちが、ドームのチケット抽選に外れたことをツイッターで嘆いている。私のようなファンがひとり離れたところで、痛くも痒くもないだろう。

コロナ禍に行われた『あちこちオードリー』の配信ライブは、テレビ東京に真水で1億円の利益をもたらした。オードリーには、「金を払う」まとまったファンがいる。ラジオでそれを育ててきた。

金の匂いがするから、そこにビジネスが生まれる。Netflix『LIGHT HOUSE』、全部見た。何も覚えていない。『オドオド×ハラハラ』初回だけ見た。

2023年、オードリーと私の間に生じた「ズレ」は、知らぬ間に、だが着実に、広がっていった。

2024年には、ツチヤタカユキの映画まで公開される。当然、原作も読んでいる。さて、映画は見ようかどうするか。

オードリー関連コンテンツは、全てがannkwのスピンオフである。



会社の後輩、20代の女子がドームライブのグッズTシャツを着ていたので、リスナーなの?と声をかけたらそれほど熱心には聞いてないと言うので驚いた。なるほど、annkwはファッションになったのだ。

佐藤栞里さんや髙橋ひかるさんといった有名人が、自らリトルトゥースを名乗るようになって久しい。彼女のフォロワーのような女子たちがまた、オードリーをファッションとして取り入れ始めたのだ。



客は増え、入れ替わっている。

我々オードリーチョイ下世代のおじさんは、もうターゲットではないのだ。




さて、同い年の放送作家と雑談でこの話題を振ったら、意外にもほとんど同じ心境だった。





私は決してオードリーのアンチになったわけでもなく、オードリーを今追いかけているファンの方を否定しているわけでもない。

ただ、「すごい好き」から「ふつう」になっただけ。

松本明子さんが息子さんと一緒に出演された『オドぜひ』はガッツリ見たし、楽しかった!

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Omiso Lucy
「オードリー関連コンテンツは、全てがannkwのスピンオフである。」
これ、納得。
しー
初めましての人の文章なのに、最近自分が何となく感じていたモヤモヤが見事に言語化されていてとても共感しました。某アーティストに寄せて髪型をセンター分けにしたあたりから、あの頃の「若ちゃん」はいなくなってしまったかのような気がしております。そんな現実を少し寂しく感じてしまう今日この頃です。
yonpoke
わかる。現役なのに過去をドラマ化???ってとこでおもっきり離れました。他人がやったらイジる(はずの)ことを自分がやるんかいっていうw
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映像制作会社 プロデューサー・演出
オードリーから気持ちが離れていった2023年|星之助