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SNS利用層の心をつかんでいる政党は?
では、SNS利用層の心をつかんでいるのは、どの政党なのか。23年調査で「次の衆院選後に政権を担ってほしい政党」を複数回答で尋ねた結果、全体では自民党51%、日本維新の会34%、立憲民主党19%などの順だったのに対し、SNS1位層では自民27%、維新22%、立民、れいわ新選組が各18%、国民民主党14%、参政党10%の順だった。SNS1位層では他の層に比べ、自民、維新への期待度が低い一方、れいわ、国民民主、参政の各党に対する評価が高いことがわかる。
利用メディア1位が「ユーチューブなどの動画サイト」の人にも似た傾向がみられたが、1位が「ヤフーニュースなどのニュースサイト」の人にはこの傾向はみられない。れいわ、国民民主、参政の各党は、SNSや動画サイトの利用層を中心に熱心なファンをつくることで、現実の党勢を上回る存在感を示すことに成功している可能性がある。
SNS上の意見が社会の多数派とは限らない
23年調査で、岸田内閣のこれまでの仕事ぶりへの評価を0(最も悪い)~10(最も良い)の11段階で尋ねた結果、SNS1位層では、最低評価の「0点」を選んだ人が最多の27%、「3点」18%、「5点」16%がこれに続いた。全体の平均は4.1点、多くのメディアの利用層では「5点」の回答が最多だったのとは対照的な結果になった。
「岸田首相にどのくらい首相を続けてほしいと思うか」という質問に対しては、全体が「自民党総裁の任期が切れる24年9月まで」が最多の53%で、「すぐに交代してほしい」は29%。これに対し、SNS1位層では「すぐに交代してほしい」が61%に達した。
山崎さんは、「SNSは匿名で政治的な内容でも自由に発言しやすい反面、自分の『正しさ』に基づき、極端な意見に偏りがちになる」と指摘。「SNSで岸田首相はもはや『坊主憎けりゃ
SNSで醸成された政権や政党の評価が、社会全体にどれほどの影響を与えるかは定かでない。山崎さんは「SNSでは、強い動機をもった少数の人が大量に投稿する。SNS上で影響力があるからといって、それが社会の多数派の意見とは限らないことに気をつける必要がある。特にネットに不慣れな中高年ほど注意が必要だ」と指摘。その上で「政治家や政党には、わかりやすい情報発信を心がけてSNSでもファンを増やすことが求められるが、政党の評価の土台となるのはあくまで着実な政策上の成果だ」と話す。
この年末には、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る政治資金規正法違反事件が浮上し、岸田内閣は危機的な状況に陥っている。SNS上の評価が芳しくない岸田首相だが、その評価が社会全体に浸透して固定化する前に、逆転の一手を打てるのか。残された時間は少ない。