SNSが加速させた「岸田離れ」

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 しかし、参院選で自民党が大勝した直後の22年7~8月調査で状況は一変する。全体の内閣支持率が61%に上昇したのに対し、SNS1位層(全体の6%)では、57%あった支持率は37%まで急落した。他のメディアを1位に挙げた人の62%とは対照的な結果になった。ただ、SNS1~5位層(全体の38%)の支持率は56%で、前年からほぼ横ばいを保っていた。

 その後、マイナンバーカードに関するトラブルや首相の長男をめぐる問題が発覚した後の23年7~8月の調査では、全体の内閣支持率もSNS1位層の後を追うように37%まで下落する。SNS1位層(全体の8%)の支持率は14%まで低下し、他のメディアを1位に挙げた人の支持率の3分の1ほどにとどまった。SNS1~5位層(全体の37%)でも支持率は27%へと落ち込んだ。5位以内にSNSを挙げなかった人の支持率が42%だったことを踏まえると、SNSを多く利用する層が全体の内閣支持率を5ポイント押し下げた計算になる。

ファンを作れない岸田首相

 SNSは岸田政権の支持率低迷にどう影響したのだろうか。

 武蔵野大の山崎 (あらた) 講師(早稲田大 招聘(しょうへい) 研究員、政治心理学)は「偏った情報をもつ少数の熱心なユーザーが意見をぶつけ合うネット空間では、政治家にとっても、熱烈なファンがいるかどうかが重要になる。SNS利用層にファンもアンチも多かった安倍元首相とは対照的に、政策のターゲットを明確に打ち出せなかった岸田首相はファンを作れないまま、アンチだけが増えたのではないか」と分析する。

 その背景として、山崎さんは、自分の考えに合った情報を選びとり、偏った考えが増幅されるといったSNSの特性が影響した可能性を指摘している。

 SNS利用層の「岸田離れ」がみられた22年調査の期間中は、7月に安倍元首相が銃撃されて死亡し、国葬実施の是非や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への対応を巡り、SNSでも論争が巻き起こっていた。論争の中心は安倍元首相のファンとアンチだった可能性がある。

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4875582 0 「世論」を見る 2023/12/27 11:00:00 2023/12/28 10:39:34 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/12/20231225-OYT8I50074-T.jpg?type=thumbnail
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