「全国学力テスト」は何のため? その目的とは?
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子どもよりも学校側の問題を探る
来年4月から始まる「全国的な学力調査」(全国学力テスト)は、いったい何を目的に行われるのでしょうか。
その具体的方法を提言した文部科学省の専門家検討会議の報告書をみると、(1)義務教育の機会均等や一定以上の教育水準が確保されているかを把握し、教育の成果と課題などの結果を検証する (2)教育委員会及び学校が広い視野で教育指導等の改善を図る機会を提供することなどにより、一定以上の教育水準を確保する!)!)となっています。面倒な言い回しですが、どうやら子どもの問題ではなく、学校側の教育を問題にしているようです。
私たちはテストというと、どうしても良い点をとらなければならないと思いますし、点数がとれないのは子どものせいだと考えてしまいがちです。しかし、この全国学力テストはそうではありません。義務教育である小・中学校で、効果的な授業が行われているのか。不十分だったとしたら、その原因は何か。そのうえで、学力を上げるためにはどこを直す必要があるのか。そうした問題点を探るのが、テストの第一目的のようです。
ところで、全国学力テストは出題にも特色があるようです。先の報告書によると、「知識」に関する問題と、「活用」に関する問題を出題するとしています。「活用」というのは、覚えた知識を実生活に応用したり、新しい問題を解決したりするための力をみようというものです。実は経済協力開発機構(OECD)などで、これから国際的にも重要になってくると言われているのも、この「活用」能力なのです。
授業をどうするか、話し合うきっかけに
また調査では、ペーパーテストとともに「質問紙調査」というアンケートも行うことにしています。子どもに対しては勉強の好き嫌いや意欲、一日の勉強時間やテレビゲームの時間などの生活状況を、学校に対しては授業の工夫状況はもとより、図書やコンピューターの整備状況、地域の人との連携の状況なども聞くとしています。子どもや学校の現状が、学力にどう影響しているかを詳しく調べようというものです。
それでは、新しく始まる全国学力テストをどう活用すればいいのでしょうか。テストの後には、各学校に「学級単位及び児童生徒ごとの状況が把握できる調査結果を返却する」(専門家検討会議報告書)としています。つまり、その学校やクラスの問題点とその要因が明らかになる、というわけです。
テスト結果をもとに、今までの授業がよかったのか悪かったのか、客観的に検証し、次の授業を工夫することができるようになります。もちろん学校に努力を求めるだけでなく、教育委員会の役割を問う必要も出てくるでしょう。場合によっては、家庭での子どもの生活を見直さなければならなくなるかもしれません。
学校や授業をよくし、子どもの学力を向上するためには、誰が、何を、どうすればいいのか。保護者と先生が率直に話し合うきっかけにしたいものです。
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