渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『孤狼の血』(2018)

2023年12月29日 | open



ケンコバ一推しの映画。
とにかく良い。
私は観るのは本日が三度目。
暴対法成立以前の昭和63年、
1988年の広島県呉原市(呉
市がモデル)と広島市。
広島県警と暴力団の癒着と、
それを知りつつ、暴力団を
抑えにかかろうとするマル暴
の刑事大上(おおがみ。通称
ガミさん/役所広司)。
その大上刑事の不正を監察する
ために県警本部から極秘に派遣
された新米の日岡刑事(松坂桃李)。
だが、実は広島県警上層部こそ
が丸ごと暴力団とずぶずぶの関
係だったという事実。
広島市内と呉原(呉)市内の
暴力団の抗争の中で、それを
再び70年代と同じ戦争勃発を
阻止しようとしていた大上刑事
は拉致されて豚小屋で刺されて
海に沈められて殺されてしまう。
そして、日岡刑事は、県警の
どす黒い闇に向かって立ち上
がる。

暴力団は悪人だ。
だが、それと癒着してありと
あらゆるもみ消しと利権を得
ていた警察幹部こそが真の極
悪人だ。

この作品は、つとめて「リアル」
である。
広島県人全員に観てほしい。
否、日本人全員が観るべき映画
だ。
これはヤクザ映画ではない。
日本の本当の闇をえぐる映画
作品である。

映像作品としては、誰一人演技
に落ち度は無い。
原作も良いが、これは監督の手
腕だ。
役所広司も松阪桃李もピエール滝
も真木よう子も滅茶苦茶良い。

どんな手を使ってでも、観るべし。
日本人ならば。
この作品で描かれた、ほぼノンフィ
クションの日本の構造と、演出描写
は外国人には理解しがたいだろうが。
R15指定なので、地上波で放送され
る事は無い。
観るべし。
DVDもしくはネット映画配信で。
邦画の中でもトップクラスに入る
良作だ。
これが現実である。
表現描写による演出はあれど、
これが日本の現実社会だ。
あくまで映画作品だが「リアル」
である。

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