高校入試で生理による体調不良、追試験の対象に 文科省が通知

高校入試で生理による体調不良、追試験の対象に 文科省が通知
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 月経痛や月経前症候群など、月経(生理)による体調不良で高校入試を欠席した受験生を追試験の対象にするよう、文科省は12月19日、全国の都道府県教育委員会などに向けて文書で求めた。これまで国として具体的な方針は示しておらず、各自治体によって対応が分かれていた。

 高校入試での月経痛や月経前症候群などの生徒への対応を巡っては、盛山正仁文科相が先月17日の閣議後会見で「月経随伴症状等(の体調不良)でやむを得ず試験を受けられないことは、予期せぬ事態で本人が招いたことではない。追試験の実施や、その対象などについて、実施者である各都道府県教委に適切に判断していただきたい」などと述べ、年内をめどに通知を出す方針を明らかにしていた。

 これまで同省は、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどで高校入試を欠席した生徒に対して「本人に帰責されない身体 ・健康上の理由」として、追試験や調査書のみによる選考など、柔軟な対応を求めていた。今回の文書では新たに「月経随伴症状等の体調不良等」を明記し、月経痛や月経前症候群など月経に伴う体調不良も対象になることが示された。

 同省の担当者は「生理で体調が優れない中で無理をして受験をしようとしている受験生の負荷をなるべく減らして、受験機会の確保をしていただけるように例示として記載した」と話した。一方で対象になる具体的な基準などについては示しておらず、「実施者の判断に任せる」とした。

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