ラジオNIKKEI杯2歳SからホープフルSに生まれ変わり、開催場も中山に移設された2014年以降の優勝馬9頭のうち、2016年のレイデオロ、2018年のサートゥルナーリア、2019年のコントレイルは、それぞれ翌春のクラシック競走を制した。また、2017年2着のジャンダルムは2022年のスプリンターズSを、2020年4着のタイトルホルダーは2021年の菊花賞などを、2021年2着のジャスティンパレスは2023年の天皇賞(春)を勝っている。その名の通り将来を期待される若駒たちが争う注目の一戦だ。今回は、格付けがGⅡだった2014年から2016年を含む過去9年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去9年の3着以内馬27頭は、いずれも前走の着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.3秒以内だった。直近のレースで大敗を喫していた馬は、評価を下げるべきだろう。〔表1〕
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過去9年の3着以内馬27頭中26頭は、前走がJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が3位以内だった。一方、同4位以下だった馬は3着内率2.6%と苦戦している。前走で出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークできなかった馬は、疑ってかかった方がよさそうだ。〔表2〕
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GⅠとして行われた過去6年の3着以内馬18頭中17頭は、前走との間隔が中4週以上だった。一方、中3週以内だった馬は3着内率4.5%と苦戦している。臨戦過程を比較する際は、前走との間隔に比較的余裕がある馬を高く評価したい。〔表3〕
前走との間隔 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中3週以内 | 0-0-1-21 | 0% | 0% | 4.5% |
中4週以上 | 6-6-5-52 | 8.7% | 17.4% | 24.6% |
GⅠとして行われた過去6年の3着以内馬18頭中15頭は、JRAの1勝クラス以上の芝のレースにおいて1着となった経験がある馬だった。該当馬は3着内率も41.7%と優秀な水準に達している。新馬や未勝利を除く芝のレースで優勝したことのある馬は、有力とみていいだろう。〔表4〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 4-6-5-21 | 11.1% | 27.8% | 41.7% |
なし | 2-0-1-52 | 3.6% | 3.6% | 5.5% |
なお、JRAの1勝クラス以上の芝のレースにおいて1着となった経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った3頭は、いずれも所属が栗東、かつ誕生月が2月以前だった。新馬や未勝利を除く芝のレースで優勝したことがない馬であっても、早生まれの関西馬はマークしておいた方がよさそうだ。〔表5〕
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GⅠとして行われた過去6年の3着以内馬18頭中13頭は、馬番が1番から8番だった。一方、9番から18番だった馬は3着内率11.6%とやや苦戦している。どちらかと言えば内枠優勢なレースとみておきたい。〔表6〕
馬番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1~8番 | 4-5-4-35 | 8.3% | 18.8% | 27.1% |
9~18番 | 2-1-2-38 | 4.7% | 7.0% | 11.6% |
なお、馬番が9番から18番だったにもかかわらず3着以内に入った5頭のうち3頭は、前走が重賞、かつ前走の4コーナー通過順が5番手以内だった。前走が重賞以外、もしくは4コーナー通過順が6番手以下だった馬は3着内率が5.4%にとどまっている。前哨戦の重賞で先行していた馬でない限り、外寄りの枠に入った馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表7〕
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GⅠとして行われた過去6年の優勝馬6頭は、いずれも所属が栗東で馬番が11番から内だった。〔表6〕でも同様の指摘をした通り、極端な外枠に入った馬は強調しづらい。さらに、この6頭は前走の着順が1着、もしくは2着以下でも1着馬とのタイム差が0.2秒以内だった点や、前走との間隔が中4週以上だった点も共通している。〔表1〕や〔表3〕で挙げた傾向も考慮するべきだろう。〔表8〕
(伊吹 雅也)
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