2017年から2021年の東京スポーツ杯2歳Sを優勝した5頭は、いずれも後にGⅠ、J・GⅠを制している。2017年の優勝馬ワグネリアンは翌年の日本ダービーを、2018年の優勝馬ニシノデイジーは2022年の中山大障害を、2019年の優勝馬コントレイルは同年のホープフルSに加え翌年のクラシック三冠を制覇、2020年の優勝馬ダノンザキッドは同年のホープフルSを、2021年の優勝馬イクイノックスは翌年の天皇賞(秋)などを制した。この他にも2022年の4着馬ドゥラエレーデが次走でホープフルSを勝つなど、後の活躍馬を毎年のように輩出している注目の一戦だ。今回は格付けがGⅢだった2020年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭は、いずれもJRAのレースにおいて4着以下となった経験がない馬だった。〔表1〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-0-0-38 | 0% | 0% | 0% |
なし | 10-10-10-45 | 13.3% | 26.7% | 40.0% |
さらに、過去5年の3着以内馬15頭は、いずれもJRAのレースにおいて3着以下となった経験がない馬だった。近年の傾向を重視するならば、3着以下に敗れたことが一度でもある馬は、上位に食い込む可能性が低いとみるべきだろう。〔表2〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-0-0-21 | 0% | 0% | 0% |
なし | 5-5-5-21 | 13.9% | 27.8% | 41.7% |
過去10年の3着以内馬30頭中25頭は、前走がJRA、かつ上がり3ハロンタイム(推定)順位が2位以内だった。一方、同3位以下だった馬は3着内率11.8%とやや苦戦している。前走の内容を評価する際は、末脚もチェックしておきたいところだ。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
なお、前走がJRA、かつ上がり3ハロンタイム(推定)順位が3位以下だったにもかかわらず3着以内に入った4頭のうち3頭は、前走のクラスがオープンクラス、かつ着順が2着以内だった。前走で出走メンバー中2位以内の上がり3ハロンタイム(推定)をマークできなかった馬のうち、前走が条件クラスだった馬や、3着以下に敗れていた馬は思い切って評価を下げたい。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
過去6年の3着以内馬18頭中15頭はJRAの1600メートル以上1800メートル以下のレースにおいて“着順が1着、かつ2着馬とのタイム差が0.2秒以上”となった経験のある馬だった。該当馬は3着内率も50.0%と優秀な水準に達している。1600メートルや1800メートルのレースを、2着馬に0.2秒以上のタイム差をつけて勝ったことがある馬は、有力とみてよいだろう。〔表5〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-5-4-15 | 20.0% | 36.7% | 50.0% |
なし | 0-1-2-31 | 0% | 2.9% | 8.8% |
過去5年の3着以内馬15頭中13頭は、馬番が1番から6番だった。一方、7番から16番だった馬は3着内率7.4%と苦戦している。近年の傾向を見る限りでは、内枠優勢と言えそうだ。〔表6〕
(伊吹 雅也)
馬番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1~6番 | 5-5-3-17 | 16.7% | 33.3% | 43.3% |
7~16番 | 0-0-2-25 | 0% | 0% | 7.4% |
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