ここ3年のデイリー杯2歳Sは阪神競馬場で行われてきたが、今年は京都競馬場に舞台が戻る。2018年優勝のアドマイヤマーズが次走で朝日杯フューチュリティSを制するなど暮れのGⅠとのつながりも深く、2歳チャンピオンの行方を占ううえで見逃せない一戦となりそうだ。今回は阪神開催の3回も含めた過去10年の結果を参考に、レースの傾向を探っていく。
過去10年の単勝人気別成績を調べると、1番人気は3着内率80.0%と水準以上の成績を残している。1番人気が4着以下に敗れた2回は2番人気または3番人気が馬券に絡んでいるので、軸馬は上位人気馬から選ぶのが無難だろう。ただ、過去10回中9回は12頭以下と少頭数で行われることが多かったにもかかわらず、2016年に10頭立て8番人気のボンセルヴィーソ、2019年に11頭立て7番人気のウイングレイテストが共に2着に入っているので、伏兵の台頭は警戒しておきたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-3-2-2 | 30.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 3-3-0-4 | 30.0% | 60.0% | 60.0% |
3番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 0-1-4-5 | 0% | 10.0% | 50.0% |
5番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 0-3-2-32 | 0% | 8.1% | 13.5% |
10番人気以下 | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬30頭の前走を見ていくと、未勝利戦だった馬が10頭で最多となっている。新馬戦だった馬が8頭で続き、3着内率も新馬・未勝利組がJRA重賞・オープン特別組をわずかながら上回っている。前項で馬名を挙げたボンセルヴィーソとウイングレイテストも前走で未勝利戦を勝っていたので、初勝利を挙げたばかりの馬は人気薄でも軽視禁物だろう。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA重賞 | 2-1-2-11 | 12.5% | 18.8% | 31.3% |
オープン特別 | 2-1-4-16 | 8.7% | 13.0% | 30.4% |
新馬 | 3-4-1-15 | 13.0% | 30.4% | 34.8% |
未勝利 | 3-4-3-16 | 11.5% | 26.9% | 38.5% |
上記以外 | 0-0-0-11 | 0% | 0% | 0% |
前走がJRA重賞またはオープン特別だった馬はそこでの着順がカギとなる。前走でJRA重賞またはオープン特別を勝っていた馬に限ると、3着内率は61.5%にアップする。さらに、該当馬が当レースで単勝2番人気以内に支持されていた場合、〔4・2・1・1〕となり3着内率は87.5%まで上昇する。オープンクラス優勝馬が上位人気に支持されていたら信頼できそうだ。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 4-2-2-5 | 30.8% | 46.2% | 61.5% |
2~5着 | 0-0-4-10 | 0% | 0% | 28.6% |
6着以下 | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬30頭中16頭には芝1600メートルでの優勝経験があり、この経験を持つ馬は3着内率も44.4%と優秀。まずは芝1600メートルでの成績をチェックしたい。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-7-3-20 | 16.7% | 36.1% | 44.4% |
なし | 4-3-7-49 | 6.3% | 11.1% | 22.2% |
なお、芝1600メートルでの優勝経験がなかったにもかかわらず勝利を収めた4頭のうち、2頭は前走でオープンクラス・芝1400メートル以下のレースを勝っていて、残る2頭は前走で芝1800メートルの新馬または未勝利を勝っての参戦だった。これらに該当していれば芝1600メートルでの優勝経験を持つ馬と同等の評価が可能だろう。一方、これらに該当しなかった馬は優勝例がなく、3着内率も14.6%といまひとつになっている。〔表5〕
(高那実 マヤ)
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